トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」向けに量産開始。
SiC専用ブランド「REVOSIC」で世界にアピール

revosiclogo
201210_SiC power semiconductor wafer 

苦節10年といいますが、拙ブログ的にいうと2008年あたりから気にしてきていた車載用SiC半導体がついに量産開始との発表あり。簡単にいうと電力損失を大幅に低減できる半導体であって、つまり電動車両においては航続距離だったり、ハイブリッドでいえば燃費を伸ばす効果が期待できる次世代半導体。ずいぶん前から各社が開発してきたことは知られていて、すでにホンダのクラリティFCにはSiC半導体が搭載されている(量産モデルとして世界初)のは知られていましたが、このたび日本のメガサプライヤーであるデンソーがSiC半導体の量産化を始めたとの発表があったのでした。



車載用SiCダイオードについては、すでに燃料電池バス「TOYOTA SORA」に採用実績あり(2018年)ということですが、新たに車載用SiCトランジスタも開発したことで、デンソーとしては初めてSiCトランジスタとSiCダイオードの両方が量産車に搭載されるというのが価値あるニュースといったところでしょうか。

個人的には数年前から各種イベントで公開されるデンソーのSiC半導体の進捗状況をウォッチしてきたのもあって感無量であります(ちょっと大袈裟)



そして、デンソーではこれを機に、同社のSiC半導体について”革新的なSiC技術で社会に「変革」を促すことを目指してREVOSICと名付け”のだそうで。



REVOSICの紹介ページによると、そのアドバンテージは以下の通り。かなりの優れモノであります。

SiCパワー半導体(ダイオード、トランジスタ)搭載のパワーモジュールと従来品(Si)を比較すると、体積は約30%削減、電力損失を約70%低減
そして、このタイミングでSiC半導体の量産化に成功したということは、クルマの電動化時代に向けてDENSOがリードしたという意味でもあり、自動車産業が経済への影響が大きな日本としては非常に意味がある発表といえそう。もちろん、トヨタ・グループとしてのアドバンテージにもなるのは言うまでもまりません。 

001

そして、もちろんREVOSICがフル搭載された記念すべきモデルは、トヨタの燃料電池車「MIRAI」。初代は電装系については、ハイブリッド車から流用するなどして枯れた技術を使っていた印象がありますが(コストメリットと燃料電池以外のリスクを減らすためでしょう)、さすがにフルモデルチェンジした2代目の燃料電池車ともなると電装系も攻めた最新設計となっているということなのでした。

こうした話を知ると、ますます乗ってみたくなる新型MIRAIであります、ハイ。

-----------------
精進します。

  




人気ブログランキング