減衰力ゼロにも設定できる磁性流体による可変ダンパー。最新版は応答速度を45%向上

Cadillac-Rear-Damper-Core-Cutout

GM(ゼネラルモーターズ)の「マグネティックライドコントロール」といえば、2002年に誕生した”電磁石とショックアブソーバー内の磁性流体を組み合わせたアクティブダンピングシステム”のパイオニア的存在。そんなマグネティックライドコントロールが過去最大のアップデートを受けて第4世代に進化するとの発表あり。





主な特徴:

• 新開発のホイールハブ加速度センサーとIMU(慣性計測ユニット)が、従来のシステムの4倍の速さで路面状況の変化を伝達・処理し、より滑らかで自然な減衰力変化を実現します。

• IMU(慣性計測ユニット)は、ホイールに対する車両の相対的な動きを正確に読み取り、激しいブレーキングやハードなコーナリングといった走行状況下でもより正確な計測を可能にします。

• 新しい二次温度マップを採用することで、エンジニアはダンパーフルードの温度変化を補正することができ、特にパフォーマンス走行時の安定した性能に貢献します。

• 新しい磁束制御が、ダンパーのリバウンドとコンプレッションが切り替わる際により一貫性のある正確な遷移を可能にし、車両の動きを感知して制御するシステムの能力が向上しました。

• ダンパー内の摩擦を大幅に低減することで、ほとんど減衰力を発生しない「ノーダンピング」に近い効果が得られ、エンジニアはドライブモードの違いを明確に感じられるようにセットアップすることができます。

• ハードウェアとソフトウェア両面でのアップグレードが、コーナリングでのボディコントロールを一層向上させました。

• 新しい磁性流体の使用がダンパーの内の摩擦を低減し、全体的にスムーズな減衰力発生を実現しています。
以上がリリースから抜き出した主な特徴ですが、アップデートのポイントとして注目したいのは、IMU(慣性計測ユニット)の進化、磁性流体のリニューアル、ダンパーフルードの温度管理、そして減衰力ゼロの状態を作り出せるということでしょうか。

とくに減衰力ゼロというのが最重要ポイントと思う次第。ベースとなるフルードの特性とピストン部分の構造から基本の減衰力があり、その中で減衰力調整を行なうというのはこれまでの可変ダンパーの発想だったと思うのですが、減衰力ゼロにできるということは、まさしく「いかようにもできる」ということで、ありとあらゆるシチュエーションに合わせたセッティングが可能ということでありますので。

もっとも、最終的なユーザーエクスペリエンスとしては、ハードウェアの自由度や機能ではなく、どのように味つけしてあるかが重要でありまして、その部分を問われることになるとは思いますけれども……。

まあ、キャデラックに試乗することなどないでしょうから、その仕上がりを体感することなどないでしょうし、自分自身がターゲットユーザーでもないので力説したところで、まったく無関係な話なのでした(汗)


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精進します。

  




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