癖のあるフレンチMPV、ファミリーカーとして使うには覚悟が必要?

_1000614

1.5リッターディーゼル+8速ATでフロントを駆動するパワートレインに、スライドドアやリアウィンドウが独立開閉できるテールゲート、スクエアなラゲッジやオーバーヘッドコンソールなどを備えたフレンチMPV「シトロエン・ベルランゴ」の日本でのカタログモデル発売が始まるということで記念イベントが開かれ、その様子を拝見してまいりました。

すでにベルランゴ自体は、限定導入されたときのローンチイベントも見に行っていますので基本的なパッケージなどはチェック済み。とくにリアのラゲッジスペースについては後席格納時に2126リッターという容積に驚かされるのはもちろん、その使いやすいデザインは感動レベルで、かなり好印象なのでありました。



今回、本格デビューに合わせたイベントということで、久しぶりに再会したベルランゴを、80代の親と小学生の子どもを持つファミリー目線でチェックしてみたのですが、そうなると急に気になってくるのが、日本のミニバンでは当たり前装備となっているパワースライドドアがつかない点。そもそもの素性が商用車ということもあるのでしょうが、スライドドアの開閉にはかなり力が必要で、オトナであってもカバン片手に開け閉めするのは難儀しそうな印象。まして寝た子を抱いた状態で開けるのは無理でしょう、と思えるほど。スタイリングの独自性や、主にラゲッジに関する使い勝手のよさからファミリーカーとして選んでしまうと後悔しそうな気もするので、そうした使い勝手もしっかりチェックして理解した上で選んでほしいと思う次第であります。





 

さらにいうと、後席の乗降性はかなり厳しい点も要確認ポイント。きちんと測っていませんが、後席のステップ高は50cm前後で、さらにアシストグリップもないので体格によりますが乗り降りが厳しいと感じるシーンは少なくなさそう。子どもであれば多少アクロバティックでも楽しめるでしょうが、高齢者には物理的に厳しいと感じてしまうのでありました。

ベルランゴのファーストタッチ的ブログエントリに『Citroën Berlingoは、PSAのカングーか、フランス風フリードか』というタイトルをつけましたが、そうした乗降性のクセが強いところを考えると、フリード(国産ミニバン)的な使いやすさを期待してしまうと裏切られたと感じてしまいそう。とはいえ、限定導入されたときのオーナー像としては、8割がシトロエン以外のブランドから乗り換えた、もしくは初めてのクルマという新規ユーザーで、国産からの乗り換え組も多いということですから、このスタイリングや独特の世界観に惚れてしまえば、不満はないのかもしれません。



そして、クセは強いながら使いやすいと感じたのがシフト操作系。こちらの動画でも紹介していますが、ロータリー型のスイッチは見た目の奇抜さに反して使いやすく、またパドルシフトも備えているのでエンジンブレーキのコントロールもしやすそうな印象であります。もちろん静的確認なので実際に乗ってみたときにどんな印象になるかはわかりませんが……。

_1000638

そう、過去2回ともベルランゴに触れたのは展示されているだけの状態だったので動的パフォーマンスについてはまったくの未知数。今回、エンジン始動時の音だけは聞くことができたのですが、いやはや小排気量ディーゼルとは思えないほど静かで(16.4という高圧縮の雰囲気がなくスッとかかるイメージ)、ガソリンエンジン並みの静粛性に感じたのは新たな発見であり、高評価ポイントと感じたわけですが、さて?


_1000618



-----------------
精進します。

  




人気ブログランキング