50cc原付スクーター最強、ホンダ・ビートの速さの秘密は可変チャンバーシステムにあり



先日、こんなツイートをしました。
軽自動車と原付というそれぞれのカテゴリーでエントリーとされている車種に同じ名前を使うというのは、その名前が持つキャラクター(親しみやすさなど)に似た部分があるのでは? という思考実験をしようかと考えてのツイートでしたが、それはさておきホンダ・ビートといえば軽自動車としては世界初のミッドシップでモノコックボディのオープン2シーターであり、原付スクーターでは「世界初の水冷2サイクルエンジンを搭載」したスポーツモデル。メカニズムへのこだわりという点でもキャラクターが似ていると思うわけです。

それにしても原付スクーターのビートが誕生したのは1983年、軽自動車のビートは1991年ですから、ほとんど間を置かずに名前を”使いまわした”わけで、それでもネガティブな印象がなかったのも、ビートという言葉の響きゆえでしょうか。ちなみに、軽自動車のビートについていえば、直前まで「デュオ」という名前が有力候補として検討されていたという話もあり。こちらも「ディオ」というスクーターと響きが似ているのは偶然ではないでしょう。ホンダには小さいバイクやクルマに似合う名前(響き)というノウハウがあると思われるわけです、ハイ。





それはさておき、原付スクーターのビートといえば、メカニズムの特徴は『V-TACS(バリアブル・トルク・アンブリフィケーション・チャンバー・システム)』。足元のペダルを踏むことでチャンバー容積を変え、エンジン特性を切り替えるというアイデアは、四輪でいうとVTECに通じるもので、一度は乗ってみたいと思うことしきり。

というわけで、そんなV-TACSを疑似体験できるのが冒頭に貼った動画。ツインリンクもてぎにあるホンダコレクションホールの収蔵車にあるビートを走らせたときのもので、しっかりとV-TACSの切り替えによる変化が動画で感じることができるのでした。

それにしても、この時代の2サイクルエンジンというのは白煙をモクモクと出しております。ホンダコレクションホールの収蔵車ということはきっちり整備されているはずなので、これが正しい状態というか”仕様”でありましょう。こんな白煙を上げる2サイクルエンジンのスクーターがたくさん走っていて、それがおかしいと思わないくらいの状況だったのだから、4サイクルの四輪エンジンも推して知るべし。1980年代のモビリティによる大気汚染はハンパなかったのは、それを知らない世代にも伝わるのでは?

といいますか、ビートの白煙など大人しいほうで、おそらく当時のスタンダードとしてはこちらのスクーターのほうが近いかも?

 

いまや伝説の一台となった「モトコンポ」。その走行動画もまたホンダコレクションホールによって撮影されたものであります。しかしながら、1982年にモトコンポ、1983年にビートをリリースしているのですから、当時のスクーターマーケットがいかに活況だったか。いずれも商業的には成功とはいえない生産台数だったと記憶しておりますが、こうした遊びができたのも盛り上がる市場が背景にあったからでありましょう。いい時代でありました……(汗)


※こちらはビートといえば軽自動車のほうでしょ! という貴兄にオススメの一冊。絶版本のようで中古で値段が上がっていますが。

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精進します。
  




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