A25A-FXSエンジン(131kW)とフロントモーター3NM(88kW)のコンビネーションで出せるシステム最高出力は160kW。さらにリアモーター4NM(40kW)を加えると163kWのシステム出力を発生

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元祖アーバンSUV、トヨタ・ハリアーが6月のフルモデルチェンジ(4代目)を前に詳細スペックを発表。いわゆるティザーでありますから価格については公表しておりませんが、逆にいうと価格以外の情報はほぼ隠していないといえるほど、出し惜しみなく情報を公開しております。

スタイリングの第一印象は、スピンドルグリルを外したレクサスといったところで、むしろこのアピアランスに好感を持つユーザーも少なくないのでは? といった感想を持ったのですが、いかがでしょうか。細かい装備では調光ガラスを使った電動シェード付きパノラマルーフも気になるというか、非常に欧州車的なムードでユーザー受けしそうな予感であります。






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ところで、個人的に気になっているのはパワートレイン系。総排気量1986ccながら最高出力126kW、最大トルク207NmというM20A-FKSエンジンの、いかにも熱効率に優れていそうなスペックも注目ですが、2.5リッターエンジンと組み合わされたハイブリッドシステムは数字を見ているだけでも楽しめるもの。

エンジンの最高出力は131kW、フロントの駆動モーターは88kWで、4WDの場合はリアにも40kWの駆動モーターを追加するという構成になっております。そのシステム最高出力はFWDが160kWで、4WDは163kW。

もともとエンジンとモーターでは最高出力を出せるシチュエーションが異なりますし、さらに動力分割機構を用いるトヨタハイブリッドシステムでは単純にエンジンとモーターを足した出力になるというわけではないのですが、40kWのモーターが加わった4WD仕様でも3kWしか最高出力を上乗せできないというのはなぜなのかということを考察したのが、こちらの動画。

「電動パワートレインの場合はバッテリーの出力がすべてを決めてしまう」と一言で済む話を5分以上も引っ張っているだけに見えますが、ツインエンジンのレーシングカーについての思い出話なども話していますので、お時間あるときにでもお目通しいただければ幸いであります、ハイ。



せっかくなので前後独立モーターの電動AWDと従来タイプのAWDの違いとして着目すべきポイントを記しておくと、従来型のAWDであればセンターデフなどの構造により前後駆動力を0:100~100:0まで可変できますが、電動AWDで前後同モーターの場合は0:50~50:0にしかできないという見方ができること。

もちろん、これは100の力を出せるバッテリーに対して、前後それぞれ50のモーターを配置して合計出力で100になるようにした場合の話で、もし100のモーターを前後におけば0:100~100:0という制御も可能といえるのですが。とはいえ、モーターの重さやコストを考えると前後駆動力コントロールのために、そこまでコストをかけるというのはちょっと考えづらいと思ったりもするのです。

その意味では、ハリアーの前88kW+後40kWというモーターの組み合わせは、電動出力の上限が90kWあたりと考えると、EVモードでの4WD走行時に50:50に近い配分での制御ができるようにするための選択ではないかと予想するのですが、さて?

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精進します。

  




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