350馬力のVTECターボと10速AT、トルクベクタリングAWD機構まで搭載!
アメリカで謎のいすゞビッグホーンが登場、と思いきやビッグホーンではなくアキュラ「SLX」なのでありました。そう、まだホンダがSUVを作っていなかった時期、いすゞやローバーからのOEMによってSUVラインナップを用意していた時代があったのです。そんな時代を黒歴史として隠してしまうのではなく、アキュラとして初めてのSUVとしてリスペクトしたプロモーションとして製作されたのが、このSuper Handling SLXであります。
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今週土曜日に開催される80's~90'sカーショーである”RADwood Car Show”で展示するために製作されたというスーパーハンドリングSLXは、きっちりオリジナル状態でレストアしてピカピカなボディに、最新のメカニズムをインストールしたというスタイルのカスタマイズを施されているのがポイント。

オリジナルは3.2リッターV6エンジンに4速AT、副変速機を持つ4WDシステムの組み合わせだったわけですが、90年代にクロカン4WD雑誌のスタッフとしてビッグホーンを乗り回していた経験からするとクロカン4WDとしては異例なくらい上まで回るエンジンで、クラス初の200馬力を達成していたことも記憶に残っております。とはいえ、現在のレベルでいえば物足りないのも事実。そこで、アキュラの最新SUVである「RDX」からパワートレインを移植してしまったのが、このショーカーであります。




その内容は次の通り。
 a 350-horsepower, race-tuned 2.0-liter VTEC® Turbo, 10-speed automatic transmission and the 4th generation of Acura’s torque-vectoring Super-Handling All-Wheel Drive™ (SH-AWD®) system, all sourced from a third-generation Acura RDX. 
もともとはV6エンジンを縦置きにしたオーソドックスなクロカン4WDのパワートレイン・レイアウトですが、最新のホンダ系パワートレインを載せるにあたり、エンジン横置きとしてリアデフにはSH-AWDユニットを装着。サスペンションもすべて移植したという仕様になっている模様。
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とくにリアの駆動系移植は大掛かりなもので、マフラーを通すスペースもなくなったようでサイド出しに変更されているのが確認できるのでした。 

カセットデッキなど可能な限り、当時の雰囲気を残したインテリアですが、さすがにメーターまでは動かせなかったようで、ディスプレイを追加しているところを見ると、いわゆるフルコンを使って最新のパワートレインを制御しているのでありましょう。シフトレバーとトランスファーレバーがあった部分に、最新のシフトボタンが置かれているのはプロモーション的な狙いでしょうか。
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「乗ってみたい! 」と思わせるスーパーハンドリングSLX。アキュラのルーツと最新テクノロジーをうまい具合にアピールできるモデルでありますから、是非とも2020年の東京オートサロンに持ち込んでほしいと願う次第。アキュラ・ブランドへの影響を考慮したり、いすゞにも許可を得たりしないといけないでしょうが、純粋にインパクトのあるカスタマイズカーを並べることがオートサロンにおける最大のブランディングだと思いますので……。



こちらの動画では、NSXのパワートレインを移植することを匂わせる終わり方をしておりますが、SLXのヘリテージを考えると、V6エンジンというほうが似合いそう。駆動系の逆転キットが必要になるなど課題もたくさんあるでしょうけれど期待! であります。

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精進します。
  




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