
モータースポーツが室内競技になれば、騒音問題も天候の課題もクリアできるのでは。
こちら、日産のワークスカラーに塗られたリーフRCは2019年の東京モーターショーに展示されていたものですが、市販車のパワートレインを前後に配したAWDで、つまり倍のパワーを実現しているマシン。このクルマ自体は、目新しいものではないのですが、モーターショーで眺めていてふと思いったのは「室内でレースができるようになれば、モータースポーツが都市型エンターテインメントに変わることができる」ということ。
基本的にモータースポーツ(レース)の開催されるサーキットというのは、その大小を問わずに都市部から離れているもの。そのためクルマでなければ観戦に行きづらいですし、往復の渋滞で疲れてしまうということにもなるわけです。では、なぜ都市部でサーキットの営業がしづらいのかといえば、やはり騒音問題が第一でありましょう。もちろん、サーキットというのは小さくても500m、大きければ5kmくらいの全長が必要なので、都市部でそれだけの土地を確保するほどのビジネスではないという面もあるでしょうが…。
そして、少なくとも騒音問題に関していえば、ゼロエミッション(排ガスを出さない)EVによって解決できるのでは? と思うわけです。それはEV限定のサーキットであれば排気音がないから静かというだけではありません。いくら排気音がないとしてもタイヤのスキール音は耳につきますし、EVであってもそれなりの台数がまとまってアクセル全開にすると、さまざまなノイズが発生するわけで無音というわけにはいきません。
しかし、ゼロエミッションということは屋根や壁で囲い防音処理を施した室内サーキットであっても走らせることができるわけです。そうであれば観客の健康問題も(少なくとも排ガスに関しては)気にせずに済むといえそう。とはいえ、たとえば筑波サーキット(コース2000)くらいの規模のサーキットを完全防音の建物でカバーした施設を都市部に作るというのは、その土地代や工費において非現実的でしょうか、やはり。
また、ドリフトについてはタイヤスモークのことを考えると室内でやるには難しい面もあるでしょうが、ドリフトこそ騒音問題でクリアすべき課題ですから、防音をしっかりとしながら換気性能も充実させた建物の中でドリフト大会を行なうというのはニーズはありそう。レースよりは短いコースで楽しめるでしょうし、むしろ平坦な舗装面を基本とした可変コースのほうが見る側も面白そうであります。室内であればプロジェクションマッピング的な設備も常設しておいて、新しい演出を提案できるかもしれませんので。
-----------------
精進します。



