一般道での自動運転精度を上げるための新しい車両制御技術
日立オートモティブシステムズが『一般道での自動運転実用化に向け、安全な走行を実現するための
高精度な追従走行を可能にする技術を開発』という少々長いタイトルにニュースリリースを発表しております。要約すると、一般道における自動運転の課題をクリアする技術開発に成功したというニュース。
1011a

これまで自動運転といえば高速道路がターゲットとなることが多かったのは、高速道路はステアリングの舵角が比較的少なくて済むことや歩行者の存在を基本的には無視できるという点で、一般道での自動運転に比べるとハードルが低いといえるから。ところが、一般道それも住宅街を走らせることを考えると、歩行者の存在は大前提となりますし、ステアリングを一回転以上回す必要にある曲がり角もあるわけで、難易度が上がるわけです。

とくに路地のような小回りが要求される道では上記のような問題が起きていたといいます。それを解決するのが日立オートモティブシステムズの新技術なわけですが、注目したいのは以下の一文。

前方のセンシング情報をそのまますぐに使うのではなく、ECU内に一旦蓄積してから使うことで過去から現在までの点を線(軌道)として認識し、目標となる軌道を高精度に追従できるようにしました。

  



自動運転において”いったん情報を溜めておく”というのは、新しいフェイズに入ったという印象。 また、予測制御という点では以下のような技術も採用しているということで、こちらも注目。
これまで、目標軌道に合わせてアクチュエーターを動かそうとすると、一般的にアクチュエーターや車両が応答するまでの遅れによって、軌道追従の精度が下がったり車両制御の安定性が損なわれたりする問題がありました。本技術では、ECU内で車両運動の予測シミュレーションを行い、アクチュエーターや車両の応答を予測しているため、応答遅れに対して補正を行い、軌道追従の精度をさらに高めています。
さらに、このニュースリリースで気になるのは周囲の状況を把握するセンサーとして”ステレオカメラ”と”レーダー”のふたつが明記されていること。日立オートモティブシステムズといえば、初期の頃からSUBARUアイサイト用のステレオカメラを開発するなど、ADAS用ステレオカメラについて経験豊富なサプライヤー。ステレオカメラの可能性についてまだまだ高めていこうという意思を、このさり気ない表記から感じてしまうというのは、考えすぎでしょうか(汗)

-----------------
精進します。
  




人気ブログランキング