あくまで伝聞による記事で信憑性に疑問はありますが、観測記事の可能性もあり?
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 "Vision Mercedes Simplex"

ドイツで90年以上の歴史を持つ自動車メディア”auto motor und sport”のWEB版で2019年9月17日付で公開されている以下の記事が、一部で話題となっている模様。

DAIMLER STOPPT VERBRENNUNGSMOTOREN-ENTWICKLUNG
https://www.auto-motor-und-sport.de/tech-zukunft/daimler-stoppt-verbrennungsmotoren-entwicklung-2019/

記事タイトルを直訳すると「ダイムラーが内燃機関の開発を停止」というセンセーショナルなもの。実際、記事でも以下の一文で内燃機関(ICE)の開発中止と記されております。ただし『VWによると』という伝聞形式ではありますが…。
Nach VW hat Daimler jetzt angekündigt, vorerst aus der Entwicklung von Verbrennungsmotoren auszusteigen.


というわけで、ダイムラーからの正式発表ではないので、この記事だけでダイムラーがエンジン開発から手を引く! と断言はできないのですが、ダイムラー自身が生み出したCASE時代に向けて、開発費の最適化をするならばエンジンへの予算を大幅に削って、別のなにかに回す必要があるというのは、ダイムラーに限らず事実でありましょうし、当面の間エンジン開発を凍結するという判断があってもおかしくないかもしれません。

合成燃料などで内燃機関の価値が復活する可能性もありますから完全に凍結するというのは、ちょっとあり得ないと思うところ。かなり細々としたレベルになったとしても、内燃機関の開発は続くでしょうが、ダイムラーの開発予算レベルでいうと誤差みたいな規模に縮小するというのであれば、さもありなんでしょうか。

ニュースソースを明言していない点からも、この記事の信憑性に疑問はあるところですが、それはそれとして、もしエンジン開発を凍結したとしても、現行のエンジン開発費の回収を考えるとしばらくは内燃機関が残るわけです。そうなるとエンジン開発を凍結したと宣言するメーカーのICE車を積極的に買おうという気分にはならないでしょうし、ブランディングとしてマイナス。一方で、いつまでもエンジン開発にお金をかけていると思われてしまうのは株価の面ではマイナスに働く可能性あり。

こうした観測記事で、そうした影響を判断しながら発表のタイミングを見計らっているのかもしれませんし、しれっとフェードアウトしていくのかもしれません。いずれにしても、電動化をはじめCASEに対する開発費をかけるのであれば何かを削らないといけないわけで、削る対象が内燃機関となるのは自然な流れなのでありますが……。

ちなみに、トップ画像はダイムラーが9月14日に発表したコンセプトモデル(https://media.daimler.com/marsMediaSite/en/instance/ko/Vision-Mercedes-Simplex--an-icon-for-the-heritage-and-future-of-the-brand.xhtml)。メルセデスのヘリテージと未来を示すアイコン的なデザインスタディのようですが、ラジエーターグリルがデジタル表示の場所になっている部分は内燃機関の未来を暗示しているのかもしれません。

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精進します。
  




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