2019年度第一四半期、前年同期比で営業利益がマイナス98.5%、売上高営業利益率はわずか0.1%
スポーティサルーンという「スカイライン」が帰ってきました。マイナーチェンジで追加された400Rは、405馬力の3.0リッターV6直噴ツインターボを搭載するFRマシン。メーカー希望小売価格は5,523,120円。プライスタグからも「ゴー、ゴー、ニッサン」を主張するニューモデルであります。
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そんな日産スカイラインが同社のショールームに飾られているということで、横浜まで所用があったのでついでに眺めて参りました。従来はインフィニティ・エンブレムをフロントに掲げていたスカイラインも、今度のマイナーチェンジを機にNISSANエンブレムに変わったのはトピックスのひとつ。とはいえ、ミリ波レーダーをカバーしているであろうフロントのエンブレムは光の反射でNISSANのマークが意外と目立っていないのは残念なところ。400Rに限った話ではなく、マイナーチェンジ後のスカイラインのフロントマスクは、どこかチグハグな印象を受けるのでした。

 
一方、伝統の丸目4灯テールが復活した後ろ姿は、いかにもスカイラインらしい雰囲気。ちょっとトヨタ・マークXぽい感じもありますが……。
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さて、そんな日産自動車は7月25日に2019年度第1四半期決算を発表しております。ゴーンショックなどガバナンスの面でもゴタゴタのあった日産ですが、その影響なのかビジネス面でもガタガタといえる数字。いや経営が云々というよりも、とにかく商品力の不足によってクルマが売れていないがために赤字スレスレといった状況であります。

2019年度第1四半期の連結売上高は2兆3,724億円、連結営業利益は16億円、売上高営業利益率は0.1%となり、また当期純利益は、前年同期比94.5%減の64億円

日本での販売を見ても、新型軽自動車デイズは好調といいますが、販売台数は前年同期比2.6%減の12万6,000台と沈んでおります。ノート、セレナといったドル箱モデルにも飽きが感じられるタイミングとなり、だからといって新しい柱になりそうなモデルはデイズくらいといった状況では、現状を打開するのは難しそう。電動化や自動運転といった最新トレンドのテクノロジーについて十分にアピールしている同社ですから、ブランディングとしては十分に施策しているといえそうで、商品力を上げること、商品ラインナップを充実するという自動車ビジネスの基本を改善していくしかないのでしょう。その意味では、スカイラインという決して市場規模が大きいとはいえないクルマで「プロパイロット2.0」をアピールしている場合ではないと思ってみたり。スカイラインを大幅にリニューアルするリソースを、エルグランドにかけたほうが、少なくとも国内市場での収益性は上がるような気もするのでありました。400馬力級のエンジンを積んで、自動運転レベル3.0を実現したプレミアム・ミニバンであれば600万円オーバーでもそれなりに売れていきそうな気がしないでもありませんし……。デイズにしても全グレードに「プロパイロット」を標準装備くらいのインパクトがあったほうが、収益性を含めて結果につながったのではないかと思うわけです、無責任な意見ですけれど。

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というわけで、世界的に1.25万人程度のリストラを実施することで生産能力を調整して稼働率を高めるという日産ですが、そうした後ろ向きの対応ではなく、生産能力を活かすだけの商品力向上を目指したほうが健全では、と思う次第。市場が小さくなるから生産能力を調整していくというのであれば納得できるのですが。そして、この状態が続くようでは結局はルノーと経営統合ということになり兼ねないとも感じてしまうわけですが、さて?

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精進します。
  




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