ベースとなる操舵系に、ひと味を足す「ステアリング補助機能付ハブベアリング」
人とくるまのテクノロジー展2019 横浜にて目に留まったデバイスのひとつが、こちら。ベアリング大手NTNの提案する「sHUB」なるアイデアであります。ハブにアクチュエータを内蔵させて、最大3.5度の操舵をハブ部分だけで行なうというもの。2018年に続いて出品されたあたりからも、同社の推しデバイスといえますでしょうか。
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わざわざハブ(アップライト)にモーターを内蔵させて舵角を増やさなくともステアリングの切れ角を増やせばいいじゃないかという見方もありましょうし、一方でバイワイヤ化の流れが進む中で、こうしたデバイスの出番は増えそうという見方もありましょう。ステアリング系と異なる、左右それぞれ独立した操舵ができることで挙動コントロールの可能性も大きく広がりそうで、その意味では自動運動との相性も良さそうなデバイスのアイデアでもあります。

バネ下が重くなりそうだとか、ハブ周りのスペースに課題が残るだとか、いまのレイアウトではFWDのフロントには使えないといった課題もあるわけですが、個人的にはFWDのリアに使うのがベストではないかと思ってみたり。左右独立制御ができるので、旋回中に右はトーイン、左はトーアウトといったアライメントにもできますし、直進安定性を求めるシーンではトーインを強めるといった変化もできそうでありますので。

もっとも、NTNとしては「ステアリング操作をアシストすることで、(ステアリング操作量が少なくても)狙い通りのライントレース能力を示す」といった使い方を想定しているようではあります。

それはともかく、サンプルに選ばれたのがトヨタ86(SUBARU BRZ)のフロント回りというのは、なるほど! といったところ。もともとFWDのフロントサスペンションをベースとしているFR車なので、このように大きなアクチュエータを配置するスペースが、ちょうど空いているわけです。

86のフロントサスペンションにある空間を何か利用できないか、というところから着想したのでは? というのは完全なる想像ですが、さて?

そして3.5度というのは、おそらく想像以上の舵角では? とも思うわけです。光源の影響でチラチラしていますが、この動画からも操舵角の大きさが実感できるはずです、エエ。


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精進します。
  




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