FCAがルノーに恋文。アライアンス全体としてのメリットも提案には含まれているが……
21194678_Groupe_Renault_Logo
2019年5月27日、FCA(フィアット・クライスラー)がルノーに対して50:50での経営統合を提案というニュースが飛び込んで参りました。日本でも報道されておりますが、FCAはルノーとのみ交渉するというスタンスのようで「ルノー・日産・三菱自アライアンス」といいながら、その実態はルノーをトップとした資本関係にあることを実感してしまうわけです。いや、当然のことなのですが。

経営統合の目的については自動運転やゼロエミッションなど今後求められる技術においてはスケールメリットが大きいために、とにかく規模を追求することでコストダウンになる(提案では年間50億ユーロになるとの試算あり)というのが主な狙いといえますが、それだけではない模様。




この経営統合の提案内容はFCAのニュースリリースにて、かなり詳細に記されているのですが、たとえばオランダに持ち株会社をFCAとルノーが50:50の資本で設立、ミラノ、パリ、ニューヨークの証券市場に上場するというプランまで含まれております。ただ、この条件では経営統合後の利益についてFCAとルノーが50:50で享受することになるわけで、FCAの株主ばかりに有利な条件という印象。

現実的にルノーの利益に日産・三菱自アライアンスの利益もそこに含まれるとなると、日本の利益が合法的に欧州および米国に流れるということでもあり、現在の規模感からすると対等の立場で合弁会社を起こすというのはFCAにとって有利なだけの条件ともいえそう。だからといって、日産がアライアンスを解消することは資本面はもちろんビジネスの流れからいって非現実的なのも事実でありましょうが…。

とはいえ、日産自動車の経営状況は直近の決算を見てもわかるようにけっして好調とはいえないわけで、コストメリット的な意味でアライアンス効果が高まるであろうFCAの提案をルノーが受けることを否定できない立場にあるというのも感じるところ。まあ、資本主義経済でいえば最終的にはルノーの決定を受け入れるしかない立場であるといえるのかもしれません。





-----------------
精進します。
  




人気ブログランキング