ストロークはそのまま、上死点の位置を無段階で変更するシステムを可視化!
人とくるまのテクノロジー展2019横浜(主催:公益社団法人 自動車技術会)にて、ついに日産の可変圧縮比エンジン「VCターボ」の動いている様を見ることができたのでした。というわけで、iPhoneで撮影した動画を撮って出し。
 
2018年の人とくるまのテクノロジー展では模型だったVCターボエンジンが、カットモデルにグレードアップされ、マルチリンク機構によりクランクシャフトが可変しているのが可視化されております。

左側の丸い部品がアームを動かしているアクチュエーターのイメージで、そこに入っている緑とピンクのラインによって可変しているのがわかるでしょうか。シリンダー側にも同様に2色のラインが入っていて、上死点の位置を変えて圧縮比を変更しているのが見て取れるという展示であります。


ピンクが低圧縮比(8:1)、緑が高圧縮比(14:1)を示しているわけですが、たしかに目で見てわかるくらい上死点の位置が変わっている(5mm程度)のは、なんとも不思議な感覚。なお、この可変圧縮比についてはエンジンの負荷によって制御しているそう。高負荷では高圧縮比、低負荷では低圧縮比というわけです。アクセル開度や過給圧などから複合的に判断しているようですが、さほど難しい演算をしているのではなく、できるだけシンプルに判断できるよう設計しているという印象を受けるのでありました(あくまで説明員の方の話ぶりからの印象)。
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なお、可変圧縮比機構においてはオットーサイクルの範囲でコントロールしているというVCターボですが、吸気バルブの遅開きによって高膨張比サイクル(いわゆるアトキンソンサイクル)を実現しているそうで。やれることが増えると制御も複雑になりますが、もはやドライバーが運転しながらエンジンのフィールから、どんなキャラクターなのかを感じることも難しい時代になっているのだなぁと感じる次第でります、ハイ。

もっとも、VCターボは日本での販売モデルには搭載されておらず、電動化が進むことを考えると国内で販売されることはないような気もするので、公道で味わうことはなさそうであります…。
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精進します。
  




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