既存のシートレール機構を活用できることをもっとアピールすればよかったのに…
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昨日のエントリでも記したように、 公益社団法人  自動車技術会において「学生安全技術デザインコンペティション」日本大会決勝を取材したのですが、最優秀賞に選ばれた日本大学工学部バイオメカニクス研究室「自動車乗員の腰椎・腹部傷害評価を可能とする新型ダミーの開発」以外のアイデアも非常に興味深いものばかり。とくに東京大学 チームT「実装に向けた水平可動式シート」については、大会終了後に話を聞いたところ、もっと実現性の高さをアピールすればよかったのに、と感じた次第。




このテーマ、いわゆる「むち打ち防止シート」といえるもので、後突を予測するか、衝撃を感知したことで、シートの固定を解除して水平に動かすことで衝撃を低減、頸への負担を軽減しようというもの。基本テーマは同チームにおいてブラッシュアップされていて、今回は衝撃を受け止めるスプリングを複数用いるなどして非線形特性にするというのが新しいアイデア。その効果を確認するのが、このデモンストレーションなのでありますが、白い部分が人とシートで、金属レールなどが衝撃吸収装置部分。これだけ見るとかなり大掛かりな仕組みであって、タイトルにある「実装に向けた」という部分は、まだまだ改善の余地ありまくりという印象を受けてしまうのですが、さにあらず。

シートの水平移動については、既存のシートレールを使う想定なのだとか。デモンストレーションでは大掛かりに見えるロック解除装置や非線形スプリング、ダンパーなどは、実際にはシート下に収めることが可能という前提でのアイデアなのでありました。つまりパッケージングにおいてのリアリティはかなり高いアイデアと思えるのです。しかし、デモンストレーション機があまりに大仰なものだから審査員の面々に、そうした実現性の高さがどこまでアピールできていたかは疑問。むしろ、動かないデモンストレーションでいいんで、既存のシート下に『このように部品をレイアウトします』という実装アイデアを見せたほうが評価は高かったのでは? と思ってみたり。まあブラッシュアップしているテーマのようなので、そうした基本情報は以前のプレゼンテーションで伝えてあるということなのかもしれませんが……。
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精進します。
  




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