3つのラインで常に高い稼働率を維持するための仕組みが仇になったか…
先日、スバルの生産が停止したというニュースが駆け巡った。簡単にいうと、新世代プラットフォーム(SGP)に採用している電動パワステの部品に不良があり、そのために生産ラインを止めて徹底的な対策をしている、というのが生産停止の背景だ。

それにしてもSGPに基づかないモデルもまだまだ存在しているのにもかかわらず、全工場が停止してしまったのはなぜだろうか。そもそも、スバルの完成組み立てライン(トリムライン)は群馬だけで3本ある。最新のデータは持っていないので数年前の情報になるが、本工場が1本(No.1)、矢島工場に2本(No.3とNo.5)のトリムラインがあり、No.1では86/BRZを中心に作るなどしている。しかし、3本のラインを車種ごとに専業化すると、それぞれの販売状況によってラインの稼働率が変わってしまう。それを平準化するための施策が「ブリッジ生産」というもの。数多く出るモデルについては、どのラインでも生産できるようにしておき、ラインの稼働率に合わせて生産計画を振り分けるのだ。単なる混流生産ではなく、コアとなるモデルの生産によって稼働率を調整する能力まで持たせた。

ブリッジ生産により3本のラインは、じつは1本につながっているといえる。それが、今回の全面的な生産停止につながったのだろう。平時にはベストの効率的な体制が、トラブルが発生したときには仇となるというのは珍しい話ではないが、こうしたリスクまで計算した上でのブリッジ生産であろうから経営陣からすると承知の助といったところだろうか。

そのあたり、スバルの生産体制を取材した記事が載っているのが、コチラ。5年ほど前の情報なので細かい部分では古いでしょうが、大筋は変わっていないはず。


というわけで、SGPモデルをテストドライブしたときのインカー映像を並べておきましょう。

ところで、今回の不具合というのはワーニングが点灯するレベルのようなので、その情報を信じるのであれば過去に生産した分まで広がるというよりは特定のロットで起きた問題といえそうですが、さて?

 





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精進します。
  




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