11___2019_Acura_NSX
早急に日本市場におけるアメ車の販売を増やしたいなら日系メーカーが自社製品を輸入するのが手っ取り早い(ディーラー網の整備的な意味で)
日米の通商交渉のテーマはアメリカにとっての輸出入における赤字を解消する(もしくはバーターで何かを手に入れる)ためで、毎回のように自動車関税がやり玉にあがっているのは、もはやおなじみのパターン。今回は、関税引き上げはひとまずフリーズしたようですが、いつ再燃するともいえない非常にあやうい状態。しかしながら、自動車マーケットだけを見て、アメリカの赤字を小さくするというのは、あまりにもな難題であるわけです。

日本側としては、アメリカ市場における”日本車”の売り上げを減らしたくありませんし、売り上げを維持もしくは伸ばしつつ、日本からの輸出を減らすには現地生産を進めるのが一択。とはいえ、ずいぶんと北米での現地生産は進んでおりますから、さらに増やすというのは難しそう。一方で、赤字を減らすのであれば日本市場で売れるアメ車の数を増やせばいいわけですが、現時点で日本で展開しているアメリカンブランドはキャデラック、シボレー(GM)とジープ(FCA)の3つだけで、その販売網を考えると、桁違いに販売を増やすというのは、また考えづらいところ。

であれば、数字上、日本がアメリカからの自動車輸入を増やすにはディーラー網が充実している国産系で扱えるアメ車を持ってくるほかない……というのは20世紀から言われているところで、トヨタがキャバリエを売ってみたり、ホンダがアコードワゴンやシビッククーペを売ってみたりしていた歴史あり。いまもホンダNSXはアメリカ生産なので、数字上はアメ車の販売台数にカウントしてもいいのでしょうが、いかんせん台数が少ないので、焼け石に雫みたいなレベルではあります。
もっとも、トヨタやホンダがアメリカで生産するクルマを日本で販売して、数字上の赤字を減らしたとしても前述した3つのブランドが売れなければアメリカとしては交渉の道具として使い続けるのは予想されるところで、そうした行動や数字合わせには意味がないのかもしれません。むしろ、どこかの日系メーカーがアメリカ系自動車メーカー(GMとフォードのどちらか)の完全子会社となったり、吸収合併されてしまったほうが、ロビー活動的には日本の自動車市場をターゲットとすることは減っていくかもしれません。もちろん、日本市場に投資をする魅力があるかどうかといえば疑問ではありますけれども(汗)

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精進します。
  




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