SKYACTIVとは、安芸の国に古くから伝わる技術指針「空動」を現代的解釈によって蘇らせたものである。その純度の高さから、他者には真似の出来ない一子相伝の技術と言われている。現在では向洋に道場があるとされているが、そこに潜入して生きて帰ってきたものはいない……といった具合のパロディが頭に浮かんでしまったのは、東京モーターショー随一といえる美しい面を持つコンセプトカーが、マツダ「魁(カイ)」を眺めているときのこと。フロントマスクなど基本的には魂動デザインを守っていながら、ほぼキャラクターラインをなくしたサイド面とアグレッシブなフロントマスクのコンビネーションは、スタイルとアクの強さをバランスよく表現したスタイリングと感じるのでありました。そして、そのフロントノーズ内には、まったく新しい燃焼方式SPCCIを採用した「SKYACTIV-X」エンジンを搭載しているというのも、またコンセプトカーとしてのバランス感(デザインスタディと技術ショーケースのバランスとして)に優れていると感じるところ。
~『空動概論』(民明書房)より~
「さきがけ」ではなく「かい」と読む。マツダのデザインスタディは魂動がステップアップしたカタチ
コンセプトカーの成り立ちとしては、遠からず出てくる市販車の、デザインスケッチをそのまま実車サイズで再現したと表現するのが適切かもしれませんが。いずれにしても、まだまだマツダは魂動デザインを着実に進化させていくという宣言をしたと理解すればいいのでしょう、おそらく。
それにしても、この路線でスタイルを統一していく限り、コンパクトカーで主流になるのは難しいと感じるのは、自分だけでしょうか。少なくとも国内コンパクトカー市場のニーズや販売店の維持を考えると、魂動と離れたモデルを投入すべきではと思うわけです、他社OEMでもいいので。
精進します。