
水色のマーチ、埃だらけのワゴンR、レビンから乗り換えたラルゴ。そして8人乗りのトヨタ・ノア
先日、国内線に乗ったとき機内誌で書評を見かけて気になったので買ってしまった小説「るり姉」。
2009年に初版という、この小説。届いた日に第二章まで読み進め、残りは移動の電車内で一気読み。その内容はともかく、登場するクルマのリアリティが印象に残ってしまったのは、職業病でしょうか(汗)
最初に登場するのは「室内がゴミであふれた水色のマーチ」。おそらくK12・5ドアなのだろうな、と想像しながら、そのクルマが持つキャラクターと登場人物のマッチングにニヤニヤして読み進めると、次に登場したのが、「掃除なんてしたことがないという埃だらけのワゴンR」。こちらはMC系の2代目もしくは、CT系の初代モデルの姿が浮かんだのしてた、その表現に。
そして、この作者がクルマのことに詳しい(よく調べている)と感心したのが、3番目に出てくる「200万円をかけて改造した86レビンから乗り換えたラルゴ」。ハチロクからの乗り換えということは、ミニバンであってもFRでありたいというオーナーの”せめてもの抵抗”でW30系のハイウェイスターを選んだ様子が目に浮かぶ……のは自分だけでしょうか。そして、最後の章ではラルゴからノアに買い換えたということが書かれています。
そして、子供の誕生を前にして、ヴォクシーではなく「ノア」を選んだというのが、パパになるぞ感が強調されていると感じてみたりしながら、こんなことを考えるのは、きっとクルマ好きだけだろうな、とまたニヤニヤしながら読了したのでした。
そうしたクルマ好きの琴線に触れる絶妙なセレクトはともかく、その構成も実験的でおもしろい小説でした。ぜひ!
【追記】
じつは、登場人物が運転している、この4台以外にも「プレオ」という名前がでてきたのは、そのセレクトの通具合に驚いたのでした(汗)
精進します



