電気式CVTと4速ステップATの組み合わせで10速に相当するフィールを生み出すのがオモシロイ
multimodehybrid_cutaway
まもなくトヨタ(レクサス)からマルチステージハイブリッドシステムを搭載したニューモデルが登場予定。とはいえ、このシステム自体は2016年2月には正式発表されておりましたから、待ちに待ったという感じではあります。ところで、マルチステージたる所以は2モーター+動力分割機構式ハイブリッドに加えて4速ステップAT相当の働きをする2個のプラネタリーギアをひとつのケース内に収めているため。つまりハイブリッド出力の先に、多段変速機構を持っている駆動系であります。

ところで、2モーターハイブリッドに4速ATを組み合わせたシステムといえば、欧米4社が協力して生み出したSUV用の2mode Hybrid systemを思い出す人はそうそういないかもしれませんが、その2mode Hybrid systemと比べると、考え方はシンプルに見えます。エンジンとモーターをミックスした出力に対して4速の変速を行なうことでパフォーマンスを引き上げるのが狙いでしょうか。
もっとも、2モーターハイブリッド部分を電気式CVTとして理解すると、CVTの後ろに副変速機としてステップATを置いているという見方もできそう。副変速機付CVTといえばジヤトコのJF015Eを思い出すのですが、それはさておき、レクサスのマルチステージハイブリッドでは電気式CVTと4速ATの組み合わせにより疑似的な10速マニュアルモードを実現しているというのも興味深いところ。

以下に示すのは、その10速マニュアルモードの変速イメージですが、赤く囲んでいる部分がステップATの1速を使っている領域。同様にオレンジ色が2速を、緑は3速を使っている領域。青は4速の領域ですが、高速巡行用の10速だけを割り当てるという使い方をしているのでありました。
ths_006

20161206_multimodehybrid
マニュアルモードは付加価値をカタチにしている機能であって、本質的にはハイブリッド(モーター駆動)を変速することでモーターサイズの適正化と効率向上を目指すのが4速の副変速機を与えた狙いでありましょう。そこで気になるのは駆動系のスムースネス。そもそもシームレスな2モーターハイブリッドでありますが、そこに副変速機をプラスすることで段付き感が生まれているのか、それともハイブリッド部分で巧みに吸収することでステップAT部分での変速感を消しているのか。むしろ変速感を出すことで従来のハイブリッドとは異なるフィーリングを出しているのか……。

純粋な電気駆動の車両における多段変速機をプラスした際のフィーリングを予想できる部分もあるでしょうから、興味津々なのでありました。ま、縁のないクルマでしょうが(汗)

精進します。
  




人気ブログランキング