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すでに欧州での走行実績もあり、2015年の東京モーターショーでも展示されたスズキの燃料電池スクーター「バーグマン フューエルセル」が、人とくるまのテクノロジー展2016横浜にも登場。空冷式燃料電池を使うという、ユニークなアプローチで、コンパクトにシステムを収めたことでエンジン二輪車からのコンバージョンで燃料電池車に変身させたというパッケージングにも注目の一台であります。

いよいよナンバーも取得、国内での走行も可能になってきたバーグマン フューエルセルですが、例の問題は未解決。

そう、燃料電池バイクの水素充填について、現在の四輪用プログラムによる商用水素ステーションでは対応できない問題があるのでした。そのため限られた水素ステーションで実験的に充填するしかないといいます。そのため、水素の搭載量は数百グラムなのに、満充填には5分もかかるのだとか(4~5kgを搭載できる四輪の燃料電池車では3分程度)。

suzuki_FC_scooter_H2

つまり、バーグマン フューエルセルによる実証実験は車体だけでなく、水素ステーションにおける二輪用充填プログラムや、通信による認識なども実験していかねばならないというわけ。スズキ一社に任せるのではなく、すでに四輪で燃料電池車を販売(リース)しているホンダほかのメーカーも協力して燃料電池バイクにおけるインフラを整備していくことを期待したいところなのであります。

ちなみに、水素充填口はシートの前方部。タンクは車体下部にセットされているというレイアウトで、このあたりの処理はかなり熟れているという印象。

UK_FCstack

なおバーグマンFCが使っている燃料電池スタックは、イギリスの Intelligent Energy社製。人とくるまのテクノロジー展では英国パビリオンの同社コーナーにも展示してありました。燃料電池セル単体の性能として同社が発表しているスペックによれば、電池の最高出力は4.3kW、重量20kg以下。なるほど、オートバイの車体に載るコンパクトさでは、出力に限りがあるということでありましょうか…。

  


精進します。








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