ハイブリッドカーのCO2排出量が少ないということを言うと、それに対するカウンターとして「CO2排出量が少ないのはあくまで走行時の、それもモード燃費に限った話であって、電池やモーターを積んでいるから生産から廃車までを考えるとエンジンだけのクルマのほうが環境負荷は低い」といった主張を目にすることは少なくありません。

そうした主張が、まるで事実のように広がっているのも感じるわけですが、そうしたトレンドの中でダイムラーから気になる発表あり。


ハイブリッドカーよりも構成要素(充電装置)が増えるプラグインハイブリッド仕様の「メルセデス・ベンツC350e」のライフサイクル(生産から20万km走行して廃車までを仮定)における環境負荷は、リサイクルを考慮すると、コンベエンジンのC250よりも少ないとドイツの第三者機関であるTÜVに認められたとのこと。

ちなみに、CO2排出量の総量と内訳は以下のように発表されております。

C350e:総量27.4トン(製造時 10.1トン・充電用発電5.5トン・使用燃料9.6トン 他)
C250:総量37.0トン(製造時 7・6トン・使用燃料24.6トン 他)

なるほど、たしかに製造時の環境負荷は大きなプラグインハイブリッドカーですが、長い目でみるといわゆる燃費の差がそれを吸収してあまりあるというわけです。しかも、この計算には充電に使う電力を火力発電などを考慮したエネルギーミックスになっているようですが、仮にすべての充電を再生可能エネルギーによるとすれば、充電用の発電によって発生するCO2は限りなくゼロに近づくといえ、もっとプラグインハイブリッド有利になるはずで、そうした点も発表資料では触れている模様。


気になる方は、こちらの発表資料(pdf)にて詳細ご確認あれ。
http://media.daimler.com/Projects/c2c/channel/documents/2614937_Lifecycle_C_350_e_en.pdf

15A224
 
ところで、見た目では標準車に近いイメージのC350e は2.0リッター4気筒エンジンにモーターを組み合わせたもので、7速ATを介してタイヤを駆動するというハイブリッドシステムを搭載したプラグイン(外部充電)仕様。

ちなみに、エンジン単体の最高出力は155kW、システム最高出力は205kW。システム最大トルクは600Nm。先日、ちょっと乗る機会のあった3モーターハイブリッドであるホンダ・レジェンドのシステム最大トルクが463Nmですから、 圧倒的なシステムトルクが生み出すリムジンらしい走りがどんなものか、なんとも気になるのでありました。

 


精進します。