三菱自動車がジュネーブモーターショーにて、FF・PHEVの小型SUV型コンセプトカーを展示との発表。車体のあれこれは置いておいて、注目はそのパワートレイン。

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『MITSUBISHI Concept XR-PHEV II(ミツビシ・コンセプト・エックスアール・ピーエイチイーブイ・ツー)』

●プレスリリース
http://www.mitsubishi-motors.com/publish/pressrelease_jp/motorshow/2015/news/detail4866.html
今回のPHEVシステムは、MIVECエンジン、新開発のモーターとジェネレーター、そして新型パワードライブユニットをフロントに搭載したFFタイプとし、大容量バッテリーを低重心化に貢献するようフロア下に配置しました。
新型パワードライブユニットは、インバーターと可変電圧システムで構成し、小型・高効率なシステムでありながら高出力・高トルクを実現。走行時のCO2排出量を40g/km以下に抑え、プラグインハイブリッドでクラストップレベルの環境性能としました。
また、このPHEVシステムは、モーター走行を基本に、エンジンが発電と駆動の両方を担い、走行状況やバッテリー残量に応じて、EV走行、シリーズ走行、パラレル走行のうち最適な走行モードを自動選択。
 
●基本諸元
全長×全幅×全高
4,490[mm]× 1,890[mm]× 1,620[mm]
ホイールベース
2,670[mm]
乗車定員
4名
バッテリー容量
12kWh
モーター出力
120kW
駆動方式
2WD
CO2排出量
40g/km以下
 
三菱自動車最初のPHEVであるアウトランダーとの違いは、とにかくFFであること。たしかに三菱のSUVというブランディングからすると電動AWDの必然性はあるのでしょうが、正直いってアウトランダーPHEVの場合、プラグインを活用しないときに、「ハイブリッド」という言葉から期待するほどの燃費性能を実感できないという印象が強し。

技術的なブレイクスルーなしに、燃費性能を改善するためには、まずはリアモーターを外してFF化して軽くする、バッテリーを少々減らして軽量化する、といった手段が思いつくところで、このコンセプトカーではそうした手法をとっているということは……おそらくPHEV関連テクノロジーはそのままにハイブリッド状態での燃費性能もそれなりに改善しているのだろうと期待するところ。

そして、公式にシリーズ・パラレルハイブリッドシステムと宣言したということは、トヨタがプリウスで使ってきているTHS相当のユニットになっているということ。いや、従来のアウトランダーから、ほぼTHSという内容ではありましたが(汗)

三菱自動車としてのブランディングもあるのでプラグインであることは必須なのでしょうが、国内市場だけを考えると、搭載バッテリー量を1/20くらいまで減らして、単なるハイブリッドとして、それなりに頑張った価格設定にすると三菱自動車復活の狼煙になるかも? と妄想させるパワートレインではあります。


なお、発表されている二酸化炭素排出量は、あくまでプラグインを利用したときなので、ハイブリッドモードでの燃費は不明であります、あしからず。

精進します。