というわけで、NISSANのWECカーが発表。フロントにV6ツインターボを積んでいるというレーシングカーとしては珍しいレイアウトにしているだけでなく、エンジンはフロントタイヤを駆動ということで話題。そんなこんな、思いついたことをメモ的にツイートしたのでありました。
第一印象は、かつてNISSANがル・マンの特例枠で走らせた、デルタウイング~ZEODの流れを感じてしまうもの。


NISSANには、FFベースでリアをモーターで駆動するe-4WDというテクノロジーがあって、その系統のテクノロジーの可能性を考えてみたり。リリースを読むと、エンジンでフロントタイヤを駆動するとありますが、モーターでの駆動輪については触れていないので。いや、ハイブリッドシステムを搭載しているという発表だけで、それ自体の仕組みにはまったく触れられておりません。

もしかしたら、かつて話題になった物理エネルギーをそのまま回転として溜めて、必要に応じて放出するタイプのハイブリッドシステムをリアに搭載している可能性も否定できないわけです(スペース的には厳しいようにも思えますが……)。

そのベン・ボウルビーは、アメリカNISSANの公開したQ&Aにおいて以下のように発言しております。「自動車用語でいえばFFに分類される」というのは、非常に意味深な表現で、前述したe-4WD的な可能性を感じる言い回しではあります。

Bowlby: The Nissan GT-R LM NISMO is in automotive-speak a front-engined, front-wheel-drive car.

アクセル・ブレーキともにバイワイヤという発表をしているということは、それが必要な制御を行なうというのを示しているわけで、エネルギー回生やトルクベクタリング的な何かを感じてしまう部分。

LMP1のレギュレーションに関してまったく知識がないのですが、仮にモーターは2つまでという項目があったとしたら、フロントはエンジン駆動、リアは左右独立モーターというレイアウトにする意味が感じられるのではあります。



NISSANの場合、ZEODのときに最初は電動駆動といってまるでEVのようなイメージで喧伝しつつ、結果としてはレンジエクステンダー的なパワトレだったという過去もあるので、今度のあれも『リアに電装トルクベクタリングシステムを組み込んでいるけれど、あくまでトルク移動であって駆動には利用していない』というような理屈をつけるのではなどと勝手に予想。

ともかく、興味深い一台ではありますし、これだけ話題を集めれば、マーケティングというか、宣伝効果としては、オーソドックスなマシンメイクでそこそこの成績を残すよりもいいのかも、などと思うのでありました。


精進します。