なんだかんだ言いながら新製品・新型車が止まることのない業界ではあります。グローバル化などと言われますが、仕向地・各市場ごとに特性があって、グローバル市場という大きなマスがあるわけではない、というのが肌感覚。たとえば、中国市場向けにロングホイールベースのリムジン仕様が、用意されているのもその一例でしょうか。

そして日本市場はといえば、グローバルの中では極端にハイブリッド優勢のトレンドとなっているというのが大方の意見。燃費性能の数字ではなく「ハイブリッドであることによるイメージ」が重要な市場といえそう。

そして、最近感じるのは「ぶつからない自動ブレーキ」という(その表現が適切かどうかは別問題として)プリクラッシュブレーキを装備していることが、その性能に関わらず市場でのイメージアップに必須要件となりつつあるのではないか、ということ。

プリクラッシュブレーキというのは「衝突被害軽減」だけを意味している言葉で、赤外線を使ったシンプルなシステムもありますが、おそらく追従クルーズコントロールを可能とするミリ波レーダー・カメラ方式が主流となっていくだろう、と予想するところで、市場ニーズも「ただ止まるだけでなく、付いていくこと」を当然としていくだろう、と想像する今日このごろ。

極論めきますが、『プリクラッシュブレーキと追従クルーズコントロールとハイブリッド』が日本市場のニーズを満たす最低条件になっていくのでは? などと思うのでありました。


で、そうしたトレンドを商品名として象徴するのが『アイサイト付きプリウス』というわけ。

スバルがアイサイトをトヨタに供給すべきという意味ではありませんです、あしからず。


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思えば、アイサイト付きハイブリッドカーとしては、すでにスバルにXVハイブリッドが存在しているのでした。このクルマが、もう少し燃費性能の数字としてアピールできるものがあれば、市場での人気、存在感が増すと思うのです……。

なにしろ、アイサイトの素晴らしさはステレオカメラを使っているというメカニズムだけではなく、むしろ追従クルーズコントロールでの緻密さにあり。それはは経験の差といえるもので、近年はアイサイト関係の開発にリソースを割いているといいますから、スバルの優位性は揺るぎないといえそう。

乱暴に言ってしまうと、ぶつからないこと自体はサプライヤーだけでも可能(前方との距離を計測、フルブレーキをかければいい)といえますが、渋滞時の追従クルーズコントロールは、ノーズダイブなどの姿勢変化、加減速のマナーが求められ、メーカー間の差が出やすいところ。

自動運転になると、メーカーのドライビングへの理解と表現力の差が、いま以上に大きくなりそうだと予感させてくれるほど追従クルーズコントロール時のマナーは差があるのでした。なにしろ、ドライバーという不確定要素がなくなるわけですから、当然といえば当然です。

そうした技術的な熟成度も含めて「プリクラッシュブレーキと追従クルーズコントロールとハイブリッド」を象徴するキーワードとして『アイサイト付きプリウス』と表現したという部分もあるのでした、ハイ。