EVやハイブリッドが次世代の主流と言われつつも、まだまだ内燃機関も進化するとという主張もあります。なにが正しいというよりは、適材適所なので、いろいろな技術がそれぞれのマッチングする用途やニーズに合わせて進化するのが機械としての適切な姿でありましょう。なにかひとつの技術が完全な解なわけはありません。

正直、そうした適材適所を無視した議論にはウンザリすることもありますが、エンターテイメントとして、趣味としては、現実を無視したような机上の空論も楽しめるのも事実。そのあたりをうまく使い分けながら次世代のテクノロジーで楽しんできた2013年でありましたし、2014年もそうありたいと思う次第。

というわけで、2013年を振り返ると、自分の中ではトランスミッションのプライオリティが上がった一年であったなあ、と。内燃機関の進化はもちろんですが、伝達システムが進化しないことには、トータルでの環境性能・燃費性能は出せません。

ですから、トランスミッションの重要度はますます上がるだろうし、徐々に自動車のパワートレインを語るときに、トランスミッションの比率は増えていくのだろうな、とも思うところなのであります。

こうした話をすると、トランスミッションの理想形は●●だ! みたいなことになりがちですが、前述したようにテクノロジーというのは適材適所。それぞれの技術にメリット・デメリットがあって、エンジニアはメリットを伸ばし、デメリットを解消するように進化させているので、そもそも論だけでは語り切れません。

単純にDCT、CVT、ステップAT、AMT、MTとわけても、それぞれにメリット・デメリットはあるわけで。たとえば、単体重量が重いユニットは軽量な小型車にはベストマッチといえない面もあったり。似たような話でいうと、小排気量エンジンにはトルクコンバーターのトルク増幅効果があったほうが有利という見方もできたり、というわけです。

さらに、トランスミッションには新技術も続々と出てきています。

国内でいっても、東京モーターショーに出品された「シフトアップにトルク切れなし?! というIKEYAのシームレスAMT」は注目を集めましたし、NEDOの助成事業として京都大学が開発した「変速時の駆動力抜けのない変速システム」も気になるところ。

この京都大学の変速システム、自分の理解でいえば、メインシャフトとカウンターシャフトを同期させるためのギアを持つAMT型のトランスミッションで、目からうろこではありました。もっとも、昨日今日で出てきたものではなく、ずいぶん前から発表されていた技術なので、それに気付いていなかった自分を恥じるばかりでもあります……。


というわけで、2013年たいへんお世話になりました。

2014年も引き続き、よろしくお願いします。


以下、2013年に拙ブログにアップした変速システム関連の画像。数えてみたわけではありませんが、エンジン関係より多くなっているようです(汗)

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しかしながら「電気式CVT」はメディア関係者でも誤解しているので、2014年はもうちょっと明確にしていかないとですよね~、などと思うこと仕切り。もう、枯れた技術の領域に入ってきているとは思うのですが。

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最後に追記的に書いておくと、エンジンの進化が止まったというわけではなく、2013年のトレンドとしてトランスミッションは進化のフェイズだったのに対して、エンジンは普及に向けたコストダウンが進む段階だったので派手さがなかっただけという印象あり。その一例が、日産やスズキ、ホンダのデュアルインジェクター。直噴エンジンのメリットをポート噴射で実現することでコストダウンを図ったテクノロジーという見方をすれば、の話ではあります。

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