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トヨタの充電対応モデルであり、プラグインカーとしてはおそらく国内最大規模であろう「プリウスPHVがマイナーチェンジ」。メディア的には20万円程度の値下げ断行という、プラグインカー普及への意気込みが注目点なのでしょうが、やはり個人的、自動車メディア的にはボディの進化がポイントといえそう。

さらに、従来のスポット溶接より溶接打点間のピッチを細かくすることができる工法「レーザースクリューウェルディング」の採用などによりボディ剛性を高め、振動や騒音を低減したほか、優れた乗り心地や操縦安定性を実現している。
レーザースクリューウェルディングといえば、レクサスLSのマイナーチェンジで採用された工法で、従来のスポット溶接に加えて、スポット溶接間をレーザーを回転させるようにして溶接するというもの。その理由は無効分流が云々というのは以前のエントリでも触れております。

ところで、レーザー溶接といえば線でつけるイメージが強いですが、せっかくレーザー溶接を採用するのであれば、スポット溶接との併用ではなく、レーザーの連続溶接にしてしまえば? と思いがち。

実は、このあたりの疑問をトヨタでボディ設計を担当しているエンジニア氏に伺ったことがあります(ただし、エンジニア氏はレーザースクリューウェルディングのプロジェクトには直接担当はしていないので、あくまで個人的な見解として)。

そこでは、様々な話がありましたが、単純にまとめると、レーザーの連続溶接というのは完璧にできれば理想的なのは間違いないところ。ただし、レーザー溶接の特性として溶接面のギャップ(隙間)が一定に保たなければ溶接にばらつきが出てしまう、と。あえて極論すると、隙間が大きいところは一見溶接されているように見えても、実際には溶接できていないケースが考えられる。その点で、スポット溶接に優位性がある。しかし、スポット溶接の場合は無効分流の関係で、スポットのピッチを詰めるにも限界がある。そこで、レーザー溶接を使った、ある意味で「スポット増し」といえる方法が有効になるというストーリーなわけです。

プリウスPHVで、そこまで手間をかけてまでボディ剛性を追求するニーズがあるのかどうかは不明ですが、希望小売価格は下がっているところを見れば、レーザースクリューウェルディング工法を付加価値にして価格を上昇させたのではありません。安くなって、ボディ剛性が上がるのであればウェルカムな話。といった具合にシンプルに捉えておけばヨシ、でしょうか(汗)