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 Volkswagen Produces 10 millionth car in Mexico

フォルクスワーゲンのメキシコ工場が、およそ50年をかけて累計生産1000万台を達成したとのこと。その記念すべき1000万台目のモデルは、ビートルの限定車「GSR」だったそうで。ちなみに、現在の生産能力は2500台/日といいますから、あと10数年で2000万台に達してしまうのでしょうか。

ところで、メキシコのプエブラ工場といえば、世界中のビートルを生産しているはずで、自分のザ・ビートルカブリオレもメキシコ・プエブラ生まれのはず。 生産国だけでいえば、ドイツ車ではなく、メキシコ車なのであります。

北米市場という、ビートルにとって、おそらく最大となるマーケットに近く、生産コスト的に有利なのがメキシコだったという合理的な判断の結果だとは思いますが、フォルクスワーゲンだからといってドイツ製にこだわっていることはありません。



当然ながら、これは世界中の自動車メーカーにいえることでもあり。


たとえば、86/BRZは富士重工業が群馬で生産して世界中に供給していますが、日本メーカーのスポーツカーだからといってメイド・イン・ジャパンにこだわっているわけではなく、ホンダの次期NSXは、開発から生産までアメリカで行なっております。

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NSXproto201380

NSXにしても、ビートルにしても、かなり高付加価商品といえるので、それぞれの本国政府的な立場でいえば輸出商品としてもらいたいかもしれませんが、グローバル化したメーカーとしては、売れるエリアで作ることが正義といえるわけ。


軽乗用車の増税において、グローバルなコンパクトカーの普及を国内で進めれば、輸出が増えるという論理もあるようですが、こうした地産地消的な生産展開を考えると、それはおおいに疑問。


日本国内でしか売れない軽乗用車だから、日本国内で生産する合理性があるのであって、グローバル・コンパクトを国内生産する意味はなし、といえそう。現実的にはマーチやミラージュといった輸入コンパクトは苦戦していますが、仮に軽乗用車を廃止にすると、そうした東南アジアからのコンパクト輸入というトレンドは拡大しそう。

いや、そもそも価格的に付加価値で勝負しづらいコンパクトカーを日本で作って、世界(とくに新興国)へ輸出するというビジネスモデルを前提とすること自体が間違っていると思うのです。

ですから、仮に軽乗用車を廃止して、グローバルコンパクトを国内のボトムレンジとして位置づけたとして、考えられるメリットは、軽乗用車に割いていた開発リソースをグローバルカーに向けられるといった程度で、それもスズキが恩恵を受ける程度では? そして、ダイハツはブランドとしての存在意義を失って、旧セントラルや関自のような位置づけになってしまうかも? などと思う今日このごろです。







 と、ポツリ