新たなラテンNCAPの実験動画が7月後半にアップされていたのに今更気づき、新作(?)を一気にチェック。

今回の動画群での注目は、いまや日本では目にすることも少なくなってきた10年以上前の日本車(ラテンアメリカでは現行モデル)が、そのターゲットに含まれているところ。

アルトは1998年デビューのH12系派生に見えますし、サニーは1990年に国内デビュー後、メキシコで作られている「ツル」でありますから、ざっと四半世紀前の設計。ついでにルノー・クリオミオの動画も並べておきますが、笑い事ではないほど、見事にピラーやルーフがポキリと逝っております……。

スズキ・アルト フロント(アダルト)=☆0 0.00 リア(チャイルド)=☆3 25.00


日産ツル(B13サニー) フロント(アダルト)=☆0 1.00 リア(チャイルド)=☆0 0.00


ルノー・クリオミオ  フロント(アダルト)=☆0 0.00 リア(チャイルド)=☆1 9.00
 
※得点のマックスは、フロント17.00ポイント、リアは49.00ポイント。

以下、新しい設計と思われるクルマの動画では、まずまずの結果に見えますから、あくまで試験としては妥当なもので、けっして、わざと厳しい結果を求めたものではないのでしょう。


SEAT LEON 6 Airbags フロント(アダルト)=☆5 14.52 リア(チャイルド)=☆4 38.55



SUZUKI Celerio 2 Airbags フロント(アダルト)=☆4 12.99 リア(チャイルド)=☆2 17.92

スズキ・Celerioは、見たところインドでいうA-star(欧州アルト)ですから、2008年あたりに生まれたモデル。すでに5年前ですから、最新の衝突安全性能とはいえないのでしょうが、それでもアルトとくらべて10年の進化は十分に感じられる動画といえそう。
a-star

時折、古いクルマの衝突安全性について話題になっても、なかなか当時と今とを同じように動画で比較するのは難しく、話だけで終わってしまいがちなのですが、こうして旧世代のモデルが販売されている場合は、比較も可能というわけ。

それにしても、ツル・サニーの結果は、贅沢なイメージのあるバブル時代のボディ設計は、衝突に関しては意外に脆いのでは? と思えてしまうもの。こうした情報を整理していくと、旧車を大事にするカルチャーと、それを公道で走らせるリスクなどなど、いろいろ考えてしまいます。