日産|日産自動車、ニスモの高性能車戦略を発表
日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス ゴーン 以下、日産)は29日、同社のモータースポーツ事業を担い、数々の記録を残しているニスモブランドの拡大計画を発表しました。

ニスモは本計画に基づき、モータースポーツ活動で得られたチューニング及び高性能化ノウハウを日産の市販車に適応していきます。 本計画で、ニスモは日産の商品ラインアップの高性能バージョンを揃えるとともに、性能向上部品とアクセサリーのラインアップを拡充していきます。

さらに、このニスモブランド拡大計画のもう1つの柱として、ニスモはグローバル本社を横浜市鶴見区に移し、専用設計された新社屋にて2013年はじめより稼働する予定です。

ニスモはグローバル本社を鶴見に移転し、全活動を一つ屋根の下に統合することにより、レース活動と高性能バージョン車開発の両方の優秀性を兼ね備えた同社のグローバルセンターが生まれることになります。

同センターは、レースカー整備場に加えて、お客さまの車両の点検・整備を行うための広いメンテナンスエリア、歴代の名高いニスモレースカーと市販車が展示されるヘリテージエリアを擁するとともに、現在のニスモの拠点名を継承したスペシャリスト・ストア「大森ファクトリー」において、お客さまが性能向上部品やニスモコレクションアイテムを購入することができます。
古くは大森スポーツコーナーに由来する、品川のニスモがついに日産本体に吸収される予感もする発表です。

そもそも、ニスモが独立性を失っていたのはいまに始まったことではないにせよ、鶴見へと移転するというのは、それなりに衝撃的なニュースに感じてしまいます。

もちろん、そうしたショックが大きいことは百も承知で、だからこそ新社屋でもユーザーの窓口事業には「大森ファクトリー」という名前が残されるということになったのでしょう。

とはいえ、十年もすれば(それまで、この事業部が残っているという保証もありませんが)「大森」という名前の由来をいちいち説明しないとわからなくなってしまうでしょうし、そこに意味を見出すカスタマーも減っていくでしょう。

それでも、現時点で「大森」という名前が残ったことは評価すべきでしょう。歴代モデルを展示するというヘリテージエリアも含め、歴史は誰も真似のできないブランド力の源泉だと思うので。