省燃費やパワーアップなどエンジン制御の話題となると、かならず「空燃比」という言葉が出てきます。

空燃比とは「空気と燃料の質量比」のことで、つまりシリンダー内における混合気の重量比を示したもの。

アルファベットでA/Fと表示することからもわかるように、空気の重量を燃料の重量で割った数値であり、その理論空燃比は14.5~14.7とされています。言い方を変えると「空気過剰率が1の状態」でもあるのですが、余計に難しくなってしまうでしょうか?

さて、ここまではクルマ好きであれば聞いたことがあるでしょうが、ちょうどエアポケットのように仕事がなく、時間があるので、なぜ理論空燃比が14.6近辺にあるのかを確認してみます。

まず、その前に各種条件を示さなければいけません。(なお計算しやすいように基本的に整数にしていることをご了承ください

●原子量(重量)
N(窒素):14
O(酸素):16
H(水素):1
C(炭素):12
Ar(アルゴン):40

●組成など
ガソリン:C612
軽油:C1634
(それぞれ添加剤などもありますが、計算しやすいよう単純な炭化水素としています)

空気:N2 78%+O2 21%+Ar 1%(CO2ほかのガスは少量なので無視することとします)


空燃比とは重量比ですから、原子量をもとにそれぞれの重量を計算します。

ガソリン=12×6+12=84

軽油=12×16+34=226

空気(平均)=(28×78+32×21+40)÷100≒29

ようやく、空燃比の基本となる質量までたどり着きました。

まだまだ長くなりそうなので、続きは次のエントリで。




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