さきほどアップした理論空燃比でNOxは発生しないというエントリで、ガソリンエンジンの理論空燃比において、完全燃焼していることを書きました。つまりガソリンに含まれる炭素&水素と空気中の酸素が余ることなく反応する質量比が理論空燃比ということです。
では、軽油をつかうディーゼルエンジンの場合、理論空燃比はどんな数値になるのでしょうか。実際にはリーンバーンですから、まさに机上の空論というか、役に立たない情報ですが、せっかく単純化した数値を用意したので計算してみます。
前回のエントリでは、軽油を単純な炭化水素としてC16H34だと定義しました。
ここから理論空燃比を導くには、まず軽油1ユニットから二酸化炭素と水がどれだけ生まれるかを考えればいいわけです。
ざっと 16CO2 と 17H2Oが生まれることになります。ここで必要な酸素原子の数は49。ただ、空気中では酸素分子として存在するので、二倍した98から空気のユニット数を計算します。空気中の酸素比率は21%としていますから
98÷0.21≒466.6 これが空気のユニット数となります。
つづいて、空気質量を燃料質量で割ります。空気のユニット数を倍掛けしていますから、燃料の質量も二倍として計算します。
(29×466.6)÷452≒14.9
というわけで、ディーゼルの理論空燃比は14.9という計算になりました。
しかし、ガソリンにしろ軽油にしろ、(C1H2)nの炭化水素のバリエーションだと考えると、こんな計算には何の意味もないわけで。石油由来の燃料をつかうエンジンの理論空燃比は、燃料に関わらず14.5~14.7と覚えておくのが基本でしょう。









