というわけでガソリン1リッターの持つ発熱量が34,000kWだとして、それがそのまま軸出力になるわけじゃありません。巷間、よく言われているように「エンジンの熱変換効率はせいぜい3割」だから。ただ、これについては単純な計算式はなく、燃焼状態やフリクションなどなど複雑な要素からシミュレーションはできても、簡単に係数をかけて導くというわけにはいきません。
それは“正確さ”を求める場合で、ざっと粗計算する方法はあるはず。で、個人的に粗計算につかう数値は考えてあったりします。
その元になっているのは燃料消費率。最近のクルマカタログでは目にすることはほとんどないかもしれませんが、かつてのカタログにはエンジンの出力グラフに燃料消費率という項目があったものです。その単位はg/PS・h(=1馬力を一時間出したときに消費するガソリン重量)で、普通のガソリンエンジンであれば200~300g/PS・hあたりが目安。当然、燃費運転時には消費が少なくなるので200g/PS・h前後で、高出力時には300g/PS・hを超えるというのが個人的な目安(数字のキリがいいので)。
さて、ガソリン1リッターの持つ発熱量が34,000kWではありますが燃料消費率の単位はg(重量)。まずは、ガソリンの比重を0.75として容積に換算します。
たとえば高出力時の300g/PS・hで計算すると以下の通り
300÷0.75→400cc
400cc÷60→6.6cc
というわけで1分間に6.6ccのガソリンを燃やすと1PSの出力を得ることができるとなるわけですね。
1PS=0.7355kWですから、この数値で計算すると1分間に約8.9ccの燃料を供給すれば1kWの出力を得ることができるとなります。
つまり、ガソリン1リッターを消費したときに得られる出力はおよそ111kW。前のエントリであげたパナメーラでいえばピークパワーが368kWでタンク容量100Lですから「最高出力を出し続けたとして30分連続走行できるタンク容量」ということになります。
その前のエントリで燃料噴射量÷500=最高出力(kW)という係数500を使った粗計算の方法を示したのは、ここまでの計算に由来しているもの。1kWを発生させる場合の1時間あたりの燃料噴射量(8.9cc×60分→534)が元になっています。どうせ粗い計算なので暗算のしやすさと各種マージンを考えて500という数値を使っている次第なのでありました。
ですから粗計算であることが理解できているならば、インジェクター噴射量×本数÷9→最高出力(kW)としてもいいのかもしれません。むしろ、こちらのほうが暗算しやすいですし。
【追記】
もっともっと粗い計算ではインジェクター噴射量×本数÷6→最高出力(PS)というのもありますね。これだと通常の6気筒エンジンの場合はインジェクター噴射量=最高出力となるので、計算の必要もないくらいで、むしろLやRBのチューニング経験者なら経験的に知っていることかもしれません。
それは“正確さ”を求める場合で、ざっと粗計算する方法はあるはず。で、個人的に粗計算につかう数値は考えてあったりします。
その元になっているのは燃料消費率。最近のクルマカタログでは目にすることはほとんどないかもしれませんが、かつてのカタログにはエンジンの出力グラフに燃料消費率という項目があったものです。その単位はg/PS・h(=1馬力を一時間出したときに消費するガソリン重量)で、普通のガソリンエンジンであれば200~300g/PS・hあたりが目安。当然、燃費運転時には消費が少なくなるので200g/PS・h前後で、高出力時には300g/PS・hを超えるというのが個人的な目安(数字のキリがいいので)。
さて、ガソリン1リッターの持つ発熱量が34,000kWではありますが燃料消費率の単位はg(重量)。まずは、ガソリンの比重を0.75として容積に換算します。
たとえば高出力時の300g/PS・hで計算すると以下の通り
300÷0.75→400cc
400cc÷60→6.6cc
というわけで1分間に6.6ccのガソリンを燃やすと1PSの出力を得ることができるとなるわけですね。
1PS=0.7355kWですから、この数値で計算すると1分間に約8.9ccの燃料を供給すれば1kWの出力を得ることができるとなります。
つまり、ガソリン1リッターを消費したときに得られる出力はおよそ111kW。前のエントリであげたパナメーラでいえばピークパワーが368kWでタンク容量100Lですから「最高出力を出し続けたとして30分連続走行できるタンク容量」ということになります。
その前のエントリで燃料噴射量÷500=最高出力(kW)という係数500を使った粗計算の方法を示したのは、ここまでの計算に由来しているもの。1kWを発生させる場合の1時間あたりの燃料噴射量(8.9cc×60分→534)が元になっています。どうせ粗い計算なので暗算のしやすさと各種マージンを考えて500という数値を使っている次第なのでありました。
ですから粗計算であることが理解できているならば、インジェクター噴射量×本数÷9→最高出力(kW)としてもいいのかもしれません。むしろ、こちらのほうが暗算しやすいですし。
【追記】
もっともっと粗い計算ではインジェクター噴射量×本数÷6→最高出力(PS)というのもありますね。これだと通常の6気筒エンジンの場合はインジェクター噴射量=最高出力となるので、計算の必要もないくらいで、むしろLやRBのチューニング経験者なら経験的に知っていることかもしれません。









