「ハイブリッド車の静音性に関する対策」について、国交省から発表されたレポートでは、かなり具体的な実験結果が載っています。その中で興味深いのはエンジン車とEVのノイズを速度ごとに比較したもの。

その最大の違いは停車時にあります。

具体的に、どの車種を比べたのか不明ですが(おそらくプリウスとカローラあたりと想像)。停止しているときに発する音量がEVモードのハイブリッドカーで30dB以下。ガソリンエンジン車では45~50dBとなっています。停止していてもシステムが起動している限りは、暗騒音よりはノイズが出ているというのも当たり前のことながら、こうして確認すると新鮮ですが、ともかくここでの音量差に問題アリと考えているよう。実際、10km/hではハイブリッド車50dB、ガソリンエンジン車55dB程度となっています。とはいえ1dBの差はまさにケタ違いでありますから、ここでの5dBも無視できませんし、まして停止時の差はそれ以上。たしかに対策が必要というのも納得。

また「停車時に発音すべきではない」とのレポートもあがっているので、システム起動時からずっと音が鳴り続けるということもなさそう。あくまでもタイヤが転がった状態で、速度に応じて発音するというシステムになりそうでひと安心。

ちなみにハイブリッド車が音を発するべし、というのは20km/hまでですが、その速度域では車種によらず60dB程度の騒音を出しているのであります。つまり、この速度域になると動力源と関係ない部分(タイヤノイズなど)の音量が大きいということであります。

たしかにマフラーの音量測定でも、加速騒音は排気音の影響が大きいけれど、定常騒音はタイヤの発する音のほうが耳障りなんですよね。とくにスポーツタイヤのノイズは冷静に聞いているとかなり大きいのに驚きます。ちょっと気にしてみると、おもしろいですよ。