iPadの発表やらトヨタのリコールやらHEVなどの静音対策などなど話題が豊富で、ちょっと間があいてしまいましたが、2009年の新車販売総合ベスト10の考察のつづき。あらためて登録・届出をあわせたランキングは以下の通り。


プリウス トヨタ 208,876
ワゴンR スズキ  201528
ムーヴ ダイハツ  182325
フィット ホンダ 157,324
タント  ダイハツ  145432
ヴィッツ トヨタ 117,655
パッソ  トヨタ 98,883
インサイト ホンダ 93,283
カローラ トヨタ 90,178
アルト  スズキ   87386


メイクスでいえば、トヨタ4車種、スズキ、ダイハツ、ホンダがそれぞれ2車種となっていますが、パッソはほぼダイハツの味付けのクルマといえますから、その意味ではトヨタとダイハツが3車種といえるのかも、と思ってみたり。さらにいえばヴィッツもパワートレーンはダイハツの味が濃ゆいしなぁ……と思ってみたり。

さて、そんなダイハツの乗り味とは? いろいろな評価があるでしょうが、まずはシャシー系の個人的な印象は「ハンドル操作だけで乗れる」というもの。荷重移動やヨーを無意識下においてもコントロールせずに、ABペダルで縦加速・ハンドルで横加速をコントロールする意識で乗っているドライバーに合わせた味付けになっているというイメージが強いといった感じ。軽自動車でいえば、スズキは荷重を動かして乗る意識を強く持っているほうが乗りやすいイメージで味付けされているような気がしています。

ついでに、ホンダの2台でいえば、世間のイメージほどスポーティじゃなくて、むしろ安定志向。とくにインサイトはタイヤのグリップレベルに合わせて、全体としての反応を鈍くさせている印象あり。でも、それはクルマの性格やバランスを考えれば、間違っていないとも思うわけです。

トヨタについては、さらに安定志向に感じられるように味付けて、それを安心感につなげようという意志がみえる感じ。とくにプリウスは初めてハイブリッドカーを愛車としたユーザーに「特殊」なことを実感できるような味付けが隠されているような気が……。いや正直いうとカローラの乗り味はほとんど覚えていないので、ヴィッツとプリウスの印象をまとめただけですけれど(笑)。

ともあれ、大量販売を目指している商品を、どんな味付けにするかは、各メーカーが想定している最大公約数的なユーザー像が浮かぶ上がってくるもの。想定ユーザーの限定された尖ったクルマではなく、こうした販売ランキングの上位に入ってくるようなクルマで、そうした想定ユーザーのメーカーによる違いを感じてみるのもおもしろいのですよ。