クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2024年11月

ボア86mm×ストローク86mm、国内では幻のボクサーエンジンとは?

SUBARUがクリーンディーゼルを開発したこと覚えてますか?マルチパスウェイ的アプローチは結果的に開発リソースの無駄づかいに見えることもありますよね

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ピストントップが凹んだ燃焼室になっていることから、これはディーゼルエンジンでしょ! と一目でお分かりになる方々には、今さらかもしれません。シリンダーが横になっていて、なおかつ2気筒が並んでいる状況からも想像できるように、こちらは水平対向ディーゼルエンジンのカットモデル。そしてディーゼル+水平対向という組み合わせを近年で実現している乗用車メーカーといえば、SUBARU(スバル)をおいてほかにありません。

そうです、これは2008年モデルあたりから欧州を中心に展開した「EE20」型ボクサー”クリーンディーゼル”エンジンの展示を撮ったもの。説明員の方が写っているカットもあったので、おそらく「人とくるまのテクノロジー展」の取材時に撮影したのでありましょうか。画像の撮影日をみると2007年5月となっているので、記憶があいまいなのは恐縮です。

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※ 画像はすべて2007年5月に撮影したもの続きを読む

夏タイヤとしては使える状態でも冬タイヤ的にはNG【オールシーズンタイヤの罠】

履きっぱなしで持つのは3年弱? オールシーズンタイヤは冬前に交換が必要になった!

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2021年10月に購入、すでに一回ほど車検を通し、3年ちょっと乗っているエブリイ(軽商用バン)のタイヤを、ダンロップのオールシーズンタイヤに替えたのは2022年1月のことでした。オールシーズンでありますから、それから3年弱の期間は履きっぱなし。

その現状は以下の通り。

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メインのグルーブは十分に溝がありますが、右上辺りにみえるプラットフォーム(冬用タイヤとしての性能限界を判断する目安)は、ほぼほぼ露出した状態となっているのが確認できます。さらにスノーグリップに貢献するであろう細かいサイプも失われている部分が散見できます。つまり、今度の冬においてはオールシーズンタイヤではなく、機能的にはサマータイヤ状態になってしまったと判断できそう。

こうなることは、すでにオールシーズンタイヤを履いて2年が経過した時点でわかっていたことですが、冬を目前にして真の意味でオールシーズンタイヤとしての機能を喪失したといえ、履き替え必至といえる状況になっているのは事実といえましょうか。



もちろん、こうした消耗がすべてのクルマで起きると指摘するものではなく、あくまで月平均で1000kmほど走る軽バンユーザーである自分において起きたというだけの話。走行距離、車格、タイヤサイズなどが異なれば、結果は変わってくるはずですので、その点は誤解なきよう。


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コスパ・タイパ重視時代のモビリティを考えると特定小型原付の可能性が見えてくる?

運転免許を取得するコストをかけなくなるのはコスパから当然であろうし、他者への攻撃性が低い点もZ世代には受け入れられそう

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メディアではモータージャーナリストだったり、はたまたジャーナリストだったりといった肩書で紹介されることもある小生ですが、自称しているのは「自動車コラムニスト」。そんな自動車に特化したコラムニストながら、特定小型原動機付自転車『ストリーモ』を所有、その経験をコラムに活かしているの理由があります。




興味本位の部分は少なからずあるのですが、もっと大きいのは「免許不要のモビリティ」が未来の中心になると思っているから。その、一種である特定小型原付のある生活を経験しておくことはコラムニストとしての糧になると考えているのでありました。

公道での既得権益層といえる四輪ユーザーからは「電動キックボード(≒特定小型原付)は危険だ」とか「免許なしで乗れるからルール違反が横行している」といった否定的な意見が発信されることも多いようですが、道路の主役が四輪車だとすれば、特定小型原付だけでなくバイクや自転車も”ジャマ”に見えるでしょうし、そうした感情から生まれる否定意見にも感じられるのです。そもそも「危ない」といっても、危険性を他者への攻撃性だとして考えれば、トラックのような大きい四輪車ほど”危ない”わけです。だからこそ時間とコストをかけて運転免許を取得しないと運転できないような仕組みになっているともいえるのですが…。





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ホンダがEV時代のゲームチェンジャーになるならN-BOX e:を先行すべきだ!

NV性能以外は軽自動車の最高レベルといえるN-VAN e:のアーキテクチャーを、一刻もはやくN-BOXに載せるべき。さすれば時代は大きく変わる?
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 N-BOXファッションスタイル(2023年モデル)

先日、ホンダ初の軽商用EV「N-VAN e:」に試乗することができ、いろいろアウトプットしております。最新の関連コラムは以下の記事ですが、その主旨をまとめると『軽商用のために開発したEVアーキテクチャーではなく、ホンダのEV開発がリ・スタートしたことで生まれたのがN-VAN e:であり、走り味が軽商用ってレベルじゃないのは当然なのである!』といったところ。



それほどホンダの軽用EVアーキテクチャーのレベルは高い、というのが個人的な評価であります。記事内では、このアーキテクチャーを次に積む有力候補が、ホットハッチ的キャラクターも有するN-ONEであることも紹介しています。

たしかに高価になりがちなEVですから、独自のスタイリングという付加価値があり、ライバルと目されるモデル群に対してプレミアムな値付けをしても競争力が維持できそうなN-ONE e:から軽乗用EVをスタートさせるというのは常識的には最善手かもしれません。

しかし、そんな誰でも想像できるような商品展開ではホンダがEVに注力していることは伝わらないでしょう。むしろ、全体としてみれば「売れなくても影響が少ない」ところから軽EVをローンチすると見透かされてしまい、ブランディング的には逆効果では?とも思うわけです。



軽自動車のような近距離モビリティはそもそもEVと親和性がイイとも言われています。そうであれば、 軽自動車のキングであるN-BOXにも、いち早くEVバージョンを用意すべきと思うのは自分だけでしょうか。

ちなみに、個人的なN-BOXのベストグレードはトップに貼った一台、ファッションスタイルのオータムイエロー・パールであります。このカラーと標準N-BOXのスタイリングは最高にマッチしているというのが、ベストグレードに選んだ理由。じつはN-VAN e:にもオータムイエロー・パールは用意されておりますし、実際に試乗したのは同カラーだったのですが、同じ色でもN-BOXのほうが似合うと思ったのは正直な感想で、その意味でもN-BOXのEV仕様がローンチされることを期待する次第でもあります。続きを読む

オーバークオリティゆえコストダウンの余地ありな燃料電池車CR-V e:FCEV

CR-V e:FCEVを見た・乗った・聞いた…800万円超の価格も納得の贅沢すぎる中身に驚愕

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クルマ好きの中でもあまり話題になっていないかもしれません、2024年ホンダは新しい燃料電池車「CR-V e:FCEV」のリース販売を開始しております。すでに静的確認をする機会は得ており『モーターファン別冊最新EVのすべて』という紙媒体に寄稿していたのですが、ようやく公道試乗することができたのでした。そんなわけで、以下のように試乗コラムが公開されております。

 

手短にまとめると「量産ボディを使った派生型で、外部充電機能を有することで短距離はEVとして運用可能な燃料電池車」というのがCR-V e:FCEVのプロフィール。試乗した第一印象は「燃料電池車特有の吸気コンプレッサーの音がほとんど気にならないレベルまで抑え込まれていて、EV並みの静かさを実現している」というものでした。燃料電池車は電動車両なので静かなのは当たり前と思うかもしれませんが、空気を吸って水素と反応させるという燃料電池の仕組みから、純粋にバッテリーから電力を引き出して利用するだけのEVよりはノイズ要素が多く、EV並みに静かな燃料電池車というのはけっこう驚きの事実だったりするわけです、個人的には。

なにしろ、20年前にホンダが作った燃料電池車は、むしろノイズがドライビングの刺激になるくらい騒々しいキャビンでしたので(汗)


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日産が復活するためのキーワードは「自動運転」かもしれない

付加価値領域における差別化が生き残りに必須の時代。「技術の日産」が提供できる価値は?

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日産自動車の危機的な経営状況が報じられてから、様々な評論がされているようです。個人的にも以下のような簡単な考察をしてみたのですが、日産の経営陣がいうように「適切に商品をお届けできていない」のが自動車メーカーとしての危機を招いた根本的な原因だとは思う次第。

 

「適切」でなかった要素として、商品性(フルモデルチェンジまでの期間、マイナーチェンジでのテコ入れなど)もあるでしょうし、仕向地や各市場特性に応じた商品ラインナップという問題もあるでしょうし、とくに日本で実感するようなありえないほど長い納期とほしいユーザーに届かない生産量の少なさは急いで解決すべき課題だと感じる次第。

一部では、工場閉鎖の対象について日本も含まれるとなっていますが、いまでさえ納期がかかっている状態なのに、そんな市場向けの工場を閉鎖するとなれば、他社に顧客を取られてしまうのは自明であって、むしろ工場稼働率を上げてでも納期を早めるなりして、ユーザーの選択肢に残るようなブランディングが必至だと思うわけです。

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