クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2019年05月

ADASセンサーの最新トレンド、ZFの「トライカム」の画角はいくつ?

左から28度、150度、52度。焦点距離ではなく角度表示なのに注意
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2019年内にハンズオフ機能付きADAS(先進運転支援システム)をローンチするのはBMWと日産(プロパイロット2.0)ですが、奇しくも両社がメインセンサーとして使っているのがZFのトライカム(三眼カメラ)。同じような画角のレンズを3つならべてワイドに前方の状況を見ようという考え方もありますが、ZFのトライカムは3種類の画角を並べることで、近距離から遠距離までの情報をまんべんなく得ようというアイデアであります。

そのトライカムの実物を、先日開催された「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」にて見ることができたので、説明員の方に画角をうかがってみると左から28度、150度(魚眼)、52度となっているそう。150度の対角画角というと、35mmフィルム相当の焦点距離でいうと6mmになるはずですから、いやはやどんな映像になっていて、どのように認識しているのかまったく想像できないわけです。逆にいうと、こうした人の眼や脳では処理できないレベルの画像データを活用できるからこそADAS(と、その先にある自動運転)が人のミスをカバーできるわけですし、将来的には人間の能力を超えた安全な移動を実現するのでありましょう、などと思うのでありました。



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精進します。
  




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デンソーとアイシンの「eAxle」、適合設計販売会社はブルーネクサス

電動化によってティア1の立ち位置が変わっていく未来が見える?
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先日、パシフィコ横浜にて開催された「人とくるまのテクノロジー展2019横浜(主催:公益社団法人 自動車技術会)」ですが、例年通りのことながら壁沿いにブースを出しているのは、ほとんどの完成車メーカーと、いくつかの有力なサプライヤー(ティア1級)といったカタチになっているのは毎度おなじみの光景。サプライヤーでいうと日立オートモティブシステムズや三菱ケミカルホールディングス、三井化学、住友化学といったところで、もちろんデンソーとアイシングループも壁ブースの一員として名を連ねております。

そのデンソーとアイシンは電動化に向けて「eAxle」推しの展示という印象強しでありました。そこには、2019年4月1日に、デンソーとアイシン精機で「ブルーネクサス」なる合弁会社を起こしたことも大きく影響しているはず。同社は、eAxleの適合設計販売を一手に引き受ける、まさに車両電動化におけるワンストップサービスを提供する会社といえる存在であります。



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FCAが交渉相手に選んだのルノー。アライアンスは対等ではないを実感

FCAがルノーに恋文。アライアンス全体としてのメリットも提案には含まれているが……
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2019年5月27日、FCA(フィアット・クライスラー)がルノーに対して50:50での経営統合を提案というニュースが飛び込んで参りました。日本でも報道されておりますが、FCAはルノーとのみ交渉するというスタンスのようで「ルノー・日産・三菱自アライアンス」といいながら、その実態はルノーをトップとした資本関係にあることを実感してしまうわけです。いや、当然のことなのですが。

経営統合の目的については自動運転やゼロエミッションなど今後求められる技術においてはスケールメリットが大きいために、とにかく規模を追求することでコストダウンになる(提案では年間50億ユーロになるとの試算あり)というのが主な狙いといえますが、それだけではない模様。




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アクセラあらためMAZDA3が誕生。新しいシャシーの考え方とは?

減衰よりも豊富なインフォメーションを重視したシャシーセッティング
先日、開催された「人とくるまのテクノロジー展209横浜」の期間中に、正式発表されたアクセラあらためMAZDA3(マツダスリー)。さんざんティザーをしていた関係からか、まったく隠す気もなく、人テクでもマツダのブースではMAZDA3推し。さすがに実車は左ハンドルの海外仕様の展示にとどめておりましたが、パネルの内容は発表前のクルマとは思えないほど詳細なものでありました。
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そんな中で、気になったのがこちらのパネル。MAZDA3から採用している新しい「スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャー」におけるシャシーセッティングについて紹介したものであります。パネルの一部を転記すれば、以下の部分がとくに気になるのでありました。
従来の考え方:ばね上へ伝わる力の大きさ(ピーク値)を低減する
進化の考え方:ばね上へ伝える力を時間軸で遅れなく滑らかにコントロール
サスペンションを乗り心地のための減衰装置と考えるのではなく、クルマとの一体感を増すための機能として活用しようというわけでしょうか…。


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ジヤトコのパラレルHEVシステムは湿式と乾式のダブルクラッチ

モーターの後ろにCVTを置いて変速させるマイルドハイブリッド系トランスミッション
2019年の人とくるまのテクノロジー展 横浜、ジヤトコブースの注目は、世界初公開となる軽自動車向けトランスミッション「CVT-S」だったのかもしれませんが、個人的に気になったのはモーターを内蔵したパラレルハイブリッド型のマイルドハイブリッド用トランスミッションのコンセプトモデル。
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それなりにコンパクトな見た目や250Nmというトルク値から1.5~2.0LクラスのFWD用といった印象を受けるトランスミッションの構造は、エンジンとモーター、CVTと並んでいるもので、エンジンとモーターの間に乾式多板クラッチ(第一クラッチ)を置き、モーターとCVTの間には湿式多板クラッチ(第二クラッチ)を置くというもの。システムとしては日産エクストレイルハイブリッドのそれと同じレイアウトといえるもので、目新しいわけではないのですが、クラッチを二つ持つことでEV走行を可能にしたマイルドハイブリッドとしては、電動化が進む中で少なくないメーカーから引き合いがありそうな 印象を受けるユニットではあります。



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佐吉電池が実現間近? トヨタの全固体リチウムイオン電池

創業者、豊田佐吉 翁の願いがもうすぐ実現する? 小型・安全・高性能な全固体リチウムイオン電池
自動車ビジネスの初期には内燃機関よりも電気自動車に可能性があると考えられていたのは、ある意味では世界共通。それは燃料供給インフラが整備されていなかったこともあるでしょう。たとえば、かのフェルディナント・ポルシェ博士が19世紀末にローナー・ポルシェと呼ばれる電動車両シリーズを開発したのは有名な話。日本でもトヨタの創業者である豊田佐吉氏が1925年に画期的な蓄電池の発明に100万円の懸賞を申し出たというのは有名な逸話で、その目指した電池は「佐吉電池」と呼ばれ、じつはトヨタの精神として脈々と受け継がれているのでありました(詳細はリンク先のPdfを参照)。
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 そして、人とくるまのテクノロジー展2019横浜のトヨタブースには、まさに佐吉電池といえる「全個体リチウムイオン電池」の試作品が展示されていたのでした。

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