クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2019年04月

国土交通省が「衝突被害軽減ブレーキ」の認定をスタート。まずは8社152型式

国土交通省のAEBSなる用語は、従来のAEBとは異なる上位概念?
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2018年3月に創設された『乗用車の衝突被害軽減ブレーキが一定の性能を有していることを国が認定する制度』により、最初に認定された8社67車種152型式が発表されております(リンク先はpdf:http://www.mlit.go.jp/common/001286624.pdf)。
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認定の条件などについては国土交通省HP(http://www.mlit.go.jp/jidosha/AEBS.html)をご覧いただくとして気になっているのは国土交通省認定ロゴに使われている「AEBS」の四文字。これまで自動車業界ではメーカーやメディアだけでなく損害保険業界も含めて「AEB」という三文字で、衝突被害軽減ブレーキを表現してきたのですが、国土交通省はそこに「S」を加えたのであります。

しかも、単にSを付け加えたのではなく、国土交通省のAEBSは「Advanced Emergency Braking System」の略称であり、従来のAEBは「Autonomous Emergency Braking」の略称という風に、言葉自体が異なっているのでありました。せっかく普及を促進するための認定制度であれば、あえて用語を変えて混乱の元にする必要はないように思えるのですが、まあ何らかの思いはあってのAEBSなのでありましょう。条件を満たさず認定されないAEBもあるでしょうから、認定されたシステムであるという識別ポイントになるという点においては意味のある違いなのかもしれませんが……。




たしかに”Autonomous(自律型の意)”という言葉の響きから自動運転的なニュアンスを感じてしまうので、アドバンスド(進化版)という表現にしたほうが誤解は招きづらいという判断も理解できるのではありますけれども。それでもABSが普及初期に各社が別の名称を与えて混乱したり、現在でもESC(横滑り防止装置)の表記がバラバラでユーザーにわかりづらいことを考えると、国土交通省が歩み寄ってほしかったなあ、と思うのでありました。
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神戸市バス死傷事故、車種はすでにディスコンの日産ディーゼル製

バス事業から撤退している日産ディーゼル(現・UDトラックス)のスペースランナーRAが事故車両。

4月21日 日曜日、路線バスによる痛ましい交通事故が発生してしまいました。ATの操作を誤っての暴走という見立てで捜査を進めているという報道に、「路線バスでAT?」と感じた人が少なくないというのはSNSを眺めていての印象。とはいえ、今どきの路線バスにおいてはATは珍しくなく、むしろ新車ではMTの国産バスが存在しないくらいなのでありました。

すでに神戸市より事故についてのリリースが出ておりますが、そこではバスの車種も確認できます。
バス車両について
・神戸200か2881 局番508号車 中央営業所所属   
・整備状況:登録年月日 平成20年11月20日   
・車 名:ニッサンディーゼル   
・車体番号:RA273M-10087   
・型 式:PDG-RA273MAN (オートマチック。アイドリングストップ機能付)
通称でいうと「スペースランナーRA」ですが、日産ディーゼル(現・UDトラックス)は、すでにバス事業から撤退しており、日産ディーゼルのオリジナルモデルでいうと、ほぼ最後の世代の路線バスといえるでしょうか。登録から10年強といったところですが、路線バスとしてはけっして使いすぎというわけではなく、きちんと整備されているという前提でいえば機械の老朽化というのは考えづらいところではありましょう。

ところでニュース映像で確認できる範囲でいえばバスは暴走というよりも徐行+α程度の速度に見えます。混雑した横断歩道で逃げるというのは難しい話ですが、たとえ自分のほうが青信号でも多少は周囲に気を配りながら横断することで、こうした事故を避けられる可能性は上がるかもと思うわけです。青信号でも左右確認は大事なことだとあらためて思うことは、亡くなられた方へのお悔やみにつながるのかもしれません。

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”GT-R”50周年、ヘリテージを感じさせるアニバーサリーモデルは1300万円超

1969年2月に誕生したスカイラインGT-Rは4ドアセダンだった…
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いまは「日産GT-R」という単独車種でありますが、言うまでもなく「スカイラインGT-R」という派生的なフラッグシップグレードがルーツ。その希少性なのか、モータースポーツでの伝説のせいなのか、ともかく「GT-R」のインパクトは強烈で、クルマに興味を持つようになった小学生の頃から最強の国産車というイメージで刷り込まれていった記憶アリ。とはいえ、自分自身のプロフィールでいうとスカイラインGT-R(PGC10)のデビュー直前に、世に誕生しているので、自分が「スカイラインGT-R」を認識した段階で、モデルとしては10年選手前後。希少モデルとして世間で価値が上がっていたのは事実なのでしょうが、パフォーマンスとしては時代遅れになりつつあったのもまた事実でありましょうか。正直、1970年代のスーパーカーブームの中で、最高出力がグロス155~160馬力のエンジンはハイパワーという分類でもなかったようにも思えますし。なんちゃってGT-Rが多すぎたのか、リアのオーバーフェンダーに特別感を覚えなかったような記憶もあるのでした。
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というわけで、第一世代のスカイラインGT-R(ハコスカ、ケンメリ)については、そのデビュー時にすでに免許取得していた年齢層の諸先輩方と比べると、それほど思い入れはなかったりするのですが、自分自身が50歳になったときに、まさに50周年を記念した「NISSAN GT-R 50th Anniversary」が登場するとなると、他人とは思えないような親近感的な感情が浮かんでくるから不思議なもの。とはいえ、ハコスカGT-Rのレーシングカーをモチーフとしたであろうストライプの特別2トーンカラーが、それほど刺さらないのもまた世代的な違いなのかもしれません。
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ところで、上に貼った画像はGT-R 50周年を記念して日産が用意した集合写真ですが、中央にあるハコスカGT-Rが、1969年モデルではなく、のちに設定された2ドアハードトップなのは少々残念。2ドアのほうがGT-Rらしいルックスなのは否定しませんが、せっかく50周年を記念しての撮影であれば4ドアを主役で撮って欲しかったと思うのは1969年生まれの同級生を応援する気持ちから出てくる切なる願いであります、ハイ。

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ホンダの未来を担う「セグメントコンダクタ巻きモーター」

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一般的な分布巻きからセグメントコンダクタ巻きのモーターに進化したことで生産性や性能がアップ。ホンダの次世代電動車両の駆動モーターとして主役の座をつかむ
ホンダから『今後の電動車両において2モーター式ハイブリッドの「i-MMD」を中心にする』と聞いたのは2月末のことでしたが、そのときにi-MMD用のセグメントコンダクタ巻きモーターの生産ラインの見学もできたのでした。電気モーターというと銅線をグルグルと巻いた分布巻きを思い浮かべるところですが、ホンダのセグメントコンダクタ巻きはワイヤーをU字型に成形したのち、それを束ねて一気に挿入するというのが特徴。その後、オープン側をひねるように曲げて、溶接する手間はあるとはいえ、非常に生産性がよさそうな構造という印象。さらに密度でいっても分布巻きを凌駕するということで、このモーターの量産体制が整ったことも、ホンダがi-MMDに賭けると考える理由かもしれません。

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なにしろ、モーターの生産ラインは見学時で4本、そして5本目を工事中と増産! 増産の勢いでありましたので。さらにモーターの厚みを変えることで要求性能に合わせるというアーキテクチャで車両とのマッチングも取っているため、同じ設備でさまざまなモデルに合わせたモーターが生産できるというのも有利な点でありましょう。なお、生産ラインを眺めていた印象では、ひとつのモーターを組み立てるのに要する時間は分単位でかかっているという印象。5本目の生産ラインまで整備しても一日でi-MMD車両にして1200~1600台相当のモーターを作るのが精一杯という感じ。ホンダの世界販売における半分程度をi-MMDにするということは、モーターでいうと少なく見積もっても500万個ほどの生産が必要になるはずで、ここの工場だけでは到底追いつかないように思えるのですが、さてどのような展開になるのでしょうか?







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ホンダのCVT操作系でカイゼンしてほしいポイントは…

DレンジからSレンジにシフトチェンジするときのボタン操作が煩わしい
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CVTに限った話ではありませんが、AT(オートマチックトランスミッション)で、Dレンジよりも低い変速比にするポジションとして「S」が用意されていることがあります。力強い加速をしたいとき、下り坂でエンジンブレーキを強めたいとき、などに利用するのが「S」レンジでありますが、ホンダのCVT車(写真はフリード)ではDからSへシフトチェンジするときにシフトボタンを押す必要があるのはどうにも気になるのでありました。




エンジンブレーキを強めたいときは、スッとシフトレバーを下げるだけで操作できるほうがスマートでと感じるわけです。さらにいえば、SからDに戻す際に力が必要なので勢いあまってNレンジまでいきそうになるのも気になるところ。実際、そうなったことはないのですが、それなりに左手に気を配る必要があるわけです。シフトミスや意図しないエンジンブレーキを防ぐための配慮かもしれませんが、運転時に割かれるドライビングのリソースとして全体的に見ると、ちょっと集中力をそがれる印象もあり。

理想をいえば、DからSへのシフトチェンジをせずにエンジンブレーキを強めることができるパドルシフトが備わっていれば解決する問題でありますが、ホンダのCVT車では一部のスポーティグレードにしかパドルシフトを備えない傾向がありますので…。パドルシフトが標準化されると運転リソースの分配的にはプラスだと感じる今日この頃であります。マニュアルシフトモードの操作ではなく、あくまでもエンジンブレーキを強めることがパドルシフトで操作ができれば十分だと思うのでありますが、さて?

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BMWの手放し運転が可能な先進運転支援システムというチャレンジング

運転操作をクルマに任せて手放しはできるけれど、監視はドライバーの担当なのでよそ見はNG
BMWジャパンが、この秋頃から販売するモデルに「ハンズ・オフ機能」付きの運転支援システム(自動運転レベル2)を搭載すると発表。実際に試していないので、発表された文言から想像するに渋滞での追従時にハンドルを握っていなくとも、ACCと車線維持を機能させ続けることができるといったものといえそう。
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ただし、BMW自身がレベル2の自動運転と明記しているように、手放し運転が可能といっても本を読んだり、スマホを見たり、ディスプレイを注視したりといった動作はNGでありましょう(これらが許されるのはレベル3以上の自動運転)。

ただ、実際のシチュエーションでいうと手放し運転が可能になったのは、より安全に運転支援システムを利用できるとも感じる部分あり。現状は、ACC作動時に手放し運転をしていると15秒~65秒でACCや車線維持機能がキャンセルされてしまうので、少なくともハンドルに手を添えたり、握ったりしていなくてはいけないわけ。主に舵角センサーが反力や抵抗から手を添えていることを検知するわけですが、レベル2ということは人間の操作がオーバーライドしてしまうシステムであって、車線維持機能を優先させるには手放し運転を容認するほかないから。まあ、人間側のオーバーライドで挙動が乱れるといった状況は、居眠りなどが考えられるので、機械を優先する以前に、その対策が必要なのではありますが……。





それにしても車線維持機能が登場する以前は蛇行などから居眠り運転を検知するアルゴリズムを作っていたわけですが、車線維持機能によってそのアルゴリズムでは判別できないとなったら、やはりドライバー監視カメラが必須ということになりそう。安全のためにコストが上がるのは仕方ないこととはいえ、このあたりの機能が義務化されると車両価格がますます上昇してしまいそうです(汗)

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