クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2019年03月

レクサスに標準装備「ヘルプネット」が日産の軽自動車にオプション設定で招く誤解

本質ではない部分で”わかりやすいアピール”をするのは日産PR部門の体質か?
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日産DAYZが軽自動車としては初めて『先進事故自動通報システムSOSコール(ヘルプネット)』を設定したことが一部で話題となっているよう。そして、日産DAYZのフルモデルチェンジと同タイミングで、次のリリースが各社から出ていたことにお気づきでしょうか。
自動車メーカーとしては、すでにトヨタとホンダが参加していた救急自動通報システム(エアバッグの展開などの情報をもとに事故情報をセンターに連絡するシステム)に日産、SUBARU、マツダの3社の加わったという発表。つまり、DAYZの採用したSOSコールは日産独自のシステムではなく既存のサービスがデファクトスタンダード化している流れに沿ったものといえるわけです。実際、トヨタ車には幅広く設定されているシステムであり、LEXUS各車には標準装備されていることを知っていると珍しい、新しいテクノロジーとは思わないはず。もっとも、高級車だけと思われていた技術を軽自動車から展開していくというのは、救急自動通報システムの普及には大きな力となるでしょうし、次のフェイズにステップアップしたことを実感させるのも事実でありましょうが…。

そんな日産DAYZのSOSコールでありますが、本来の重大事故において最適な救急サービスを提供できる自動通報システムという側面以外の部分でクローズアップされているのは業界全体として憂うべきではないかと感じることもあり。

どこが出所なのか明確ではないのですが、SOSコールが「あおり運転」対策に活用できるという話が出ているのでした。日産自身も公式リリースでは以下のようにSOSコールの効能を記していて、「あおり運転」については触れていないのですが、どうも日産のメディア向けの説明で、そうしたアピールがあった模様。
SOSコールは、交通事故や急病などの緊急時や事故の危険がある時などに、専門のオペレーターへのデータ通信と音声通話を行うことが出来ます。通報方法には2種類あり、交通事故などで、エアバッグが作動した際に自動的に通報するものと、SOSコールスイッチによる手動通報があります。
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あおり運転によって停車させられたり、物理的な危害を加えられそうになったときの緊急連絡としてSOSコールが有効になるかもしれないという話なのかもしれませんが、それにしても余談であって、停車させられているのであれば携帯電話などから110番通報をすればいい話で、SOSコールを利用する必要はないでしょう。本来、急病時などに手動で通報するためのサービスを、カジュアルに使ってほしいというアピールをしたのであれば、どうかと思うわけです。

もし日産のPR部門の総意としてSOSコールはあおり運転に有効というアピールをしているのだとすると、それは問題だと思う次第。同社はプロパイロットにおける自動運転アピールしたことで問題となったのですが、まったく懲りていないのかもしれません。

なお、現在は業界内外からの批判もあって、自動運転を宣伝で使わないということになり「運転支援システム」とすることが業界内でのコンセンサスとなっております。

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三菱eKの「MI-PILOT」は同社最高のADASとして君臨する?

ルノー日産三菱アライアンスで「プロパイロット」をブランド化するメリットもあるのでは?
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三菱eKワゴンがフルモデルチェンジ。あらたにeK X(クロス)なるクロスオーバーSUVバージョンを設定、しかもeK X(クロス)が訴求のメインとなることもあってeKワゴンのほうはベーシックモデルというポジションになっている模様。そんなわけでeKワゴンは全車がガソリンNAエンジンなのに対して、eK Xにはターボもあり、また全車がマイルドハイブリッドという風に差別化されているのでありました。その商品企画についての是非はともかく、ベーシックなイメージとなるeKワゴンでも、上位グレードではアダプティブクルーズコントロールと車線維持システムを組み合わせた高速道路同一車線における高度な運転支援システム(ADAS)である「MI-PILOT」を選べるのでありました。(eK Xでも廉価グレードでは選択不可)

ベーシックグレードといっても軽自動車としてはけっして廉価ではないので、「MI-PILOT」を選択できないというのはどうかと思う部分もありますが、それはさておき気になっているのは「MI-PILOT」という名称。言うまでもなく、システムとしては日産の「プロパイロット」と同じものであり、単に名前を変えただけの話。たしかに商標ビジネスとして他社のものは使いたくない、他社には使わせたくないという判断もあるでしょうが、せっかくアライアンスを組んでいるのですから「プロパイロット」をADAS機能の統一名称として使うことでアライアンスとしてブランド価値を高めたほうが得策ではないかと思うわけです。

まあ、三菱の都合として「じゃあアウトランダーやデリカD:5に車線維持ステアリングを追加したときにも『プロパイロット』の名称を使うのか」という課題があるのも理解できるところではあります。つまり三菱独自のADAS(現状はACCのみ)に車線維持ステアリングが加わったときに「プロパイロット」と名付けるわけにはいかないという事情もあるのでしょう。だからといって、そのときに「MI-PILOT」と名付けてしまうのも、いろいろ誤解を招きそうではあります。それにしてもアウトランダーやデリカD:5 よりもADAS機能としてはeKのほうが上位にあるというのはなんとも微妙。とくにD:5は超ビッグマイナーチェンジをしたばかりでありますし……。





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三菱の「いい軽」がフルモデルチェンジで4代目に!

スタンダードな「eKワゴン」とSUV風味「eK X(クロス)」の二本立て
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三菱と日産が共同開発している軽自動車、三菱eK、日産DAYZシリーズがフルモデルチェンジ。共同開発モデルとしては二代目となったのでした。先代モデルは三菱主導の開発というか、三菱の持ち駒で作ったクルマという印象もありましたが、新型では一転して日産主導。結果的にアライアンスを組んでいるので違和感はないとはいえ、エンジンはルノー由来のBR型でありますし、プラットフォームも日産が開発したとのこと。さらにトランスミッション(CVT)も軽自動車用に最適化したジヤトコの新作という、まさに力作ニューモデルであります。
ちなみに、ジヤトコといえば結果的に日産と三菱双方のトランスミッション部隊が合流した会社でもありますので、どちらよりとも言えないのではありますが……。

さて、日産デイズは標準車とハイウェイスターの二本立てでありますが、三菱eKはeKワゴンとeK X(クロス)の二本立て。後者はルックスからも名前からもわかるようにクロスオーバーSUVテイストとなっております。とはいえ、最低地上高はeKワゴン、eK クロスとも155mmですし、いずれも悪路走破性を高めるグリップコントロールなる駆動系の電制デバイスを標準装備しておりますので、スリッピーな路面におけるパフォーマンスとしては同等だったりするのかもしれません(汗)

それはともかく、新車発表会にCM出演タレントを呼ぶなど気合の入ったフルモデルチェンジと感じさせる新型eK。三菱の販売網は全盛期に比べると縮小している感もありますが、4000台の月販目標を初速でどのくらい超えてくるかは注目であります。
ちなみに、eK Xの灯火類ですが、細長い目のような部分はポジションで、四角い部分の上2つがロービーム、下一つがハイビームとなっているのでした。つまり上の画像はハイビーム点灯状態というわけです、ハイ。

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イーケークロスの発表会 #三菱自動車

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日産から新型 軽自動車「デイズ」発表。エンジンはBR型、ハイウェイスターは全車マイルドハイブリッド

デイズの価格は127万3320円から、ハイウェイスターは146万9880円より
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従来は三菱が開発したメカニズムに、日産風味のデザインを与えたというデイズが、日産主体によってプラットフォームやパワートレインを開発した新型デイズに生まれ変わったという発表。

注目のエンジンは新型式のBR06型。ハイウェイスターには『スマートシンプルハイブリッド』と名付けられたマイルドハイブリッドを採用、二次電池にはリチウムイオンバッテリーを採用、モーター型式はSM21と発表されております。

ちなみに、ハイウェイスターX(FF)グレードのモード燃費はWLTCが21.2km/L(市街地16.9km/L、郊外23.0km/L、高速22.6km/L)、JC08では29.8km/L。新開発パワートレインにしては、もう一歩を期待したい数値なのは、例の件があって燃費目標を高められなかったせいなのか、それとも同グレードで840kgという若干重めのボディが原因なのか。いずれにしても、ライバルとなるスズキ・ワゴンRのハイブリッドFZのカタログ値が790kg、33.4Km/L(JC08モード)と比べると、物足りないと思うのは自分だけでしょうか……。
もう一つ商品力として気になるのは、お値段も少々高めに感じること。プロパイロットやSOSコール(ヘルプネット)といった先進装備による「日産主導の軽自動車」らしさは、ロイヤルカスタマーにとっては強力なアピールポイントだと思うところでありますが、さて?





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日本のモビリティ電動化は郵便配達が一助となるや

日本郵便の集配用車両に、三菱自動車の電気自動車1200台を納入という発表あり。すでに、配達に使う二輪車についてはホンダと電動化推進の協業を進めている日本郵便でありますので、ゼロエミッション化を進めていくというのは既定路線。営業エリアが限定され、さらに運用についてもコントロールしやすい郵便配達というのは電動化と相性が良いとされていますが、電動化を加速する新フェイズに入ったと感じる発表であります。そして、日本郵便のゼロエミッション化は、日本のモビリティ全体の電動化を加速する要因のひとつになるだろう、と期待するところ。




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バッテリー耐久性を考えると東芝SCiBを積んだ10.5kWhが採用されるか?
■納入する電気自動車
1.車種名:「ミニキャブ・ミーブ バン」※日本郵便向け仕様
2.納入時期:2019年秋より順次納入(予定)
3.納入台数:1,200台(2年間)
すでにミニキャブをベースとした電気自動車は販売実績もありますし、むしろそのためだけに三菱オリジナルのボディが残っている(ガソリンエンジン車はスズキからOEM)といえる状況なのでミニキャブバンを使うのは当然なのですが、上に示したようにニュースリリースによると日本郵便向けの特別仕様になる模様。そこで気になるのは航続距離におおいに影響するバッテリーの選定であります。すでに東芝のバッテリーを積んだ10.5kWh仕様と、GSユアサとの合弁会社リチウムエナジージャパン社のバッテリーを使った16.0kWh仕様とありますが、おそらく前者が選定されるであろうと予想するところ。業務で連日使われることを考えると劣化に強いバッテリーが選ばれるでしょうから、つまりSCiB搭載車をベースに郵便仕様にSCiBに仕上げると予想するわけですが、さて?

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自転車が「歩道を走ってもよい」とされる標識はスポーツサイクルに見える

こどもを乗せた自転車は歩道を走ってほしいと思う
道路交通法では自転車は車両の一種であり、基本的に歩道走行はNGで、車道の左端を走ることが求められるわけですが、こちらの標識がある場所では、自転車で歩道を走ることが許されるというのは意外に知られていない様子。というのは、数週間前にSNSで著名アカウントの方が、自転車が歩道を走っていることを批判する発言をされていて、それに賛同する声が多いように見えたから。しかし、その発言からだいたいの場所を特定して、Googleストリートビューで確認してみると、該当エリアにはこの標識があったのです。つまり、歩道を自転車で走ること自体は合法というわけ。もちろん、歩行者優先の走りをしていないのであれば批判に値する行為かもしれませんが、少なくとも歩道を自転車で走っていることで批判をされるいわれはないといえそう。
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ところで、13歳未満の子供や70歳以上の高齢者については、歩道を自転車で走ってもよいとされているわけですが、個人的に気になっているのは、いわゆる子供乗せ自転車。道路交通法に関する報道を見かけてなのか、車道の左側を走っているケースも見かけますが、せいぜいヘルメットを着用しているだけの、ほぼ生身の乳幼児が車道を走っている状況というのは、非常に危険と感じてしまうのです。シートにベルトで固定されていることもあって、万が一の転倒時には自転車と一体になってしまうこともあります。リスクを考えると、可能な限り、歩道をゆっくり走ったほうが吉だと思うのですが…。もちろん、歩行者側の言い分もあるでしょうから、状況に応じて最適解は変わっていくのでしょうけれども。

それはさておき、この標識では自転車のアイコンがスポーツサイクルに見えるのは気になるところ。ロードバイクと呼ばれるような高性能な自転車は車道を走ることが多いでしょうから、標識ではいわゆる「ママチャリ」と呼ばれるファミリー型自転車をアイコンにしたほうがわかりやすいのかもしれないと思ってみたりするのですが、さて?




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