日産DAYZが軽自動車としては初めて『先進事故自動通報システムSOSコール(ヘルプネット)』を設定したことが一部で話題となっているよう。そして、日産DAYZのフルモデルチェンジと同タイミングで、次のリリースが各社から出ていたことにお気づきでしょうか。
山本晋也 【Yamamotosinya】@Ysplanning自動車メーカーとしては、すでにトヨタとホンダが参加していた救急自動通報システム(エアバッグの展開などの情報をもとに事故情報をセンターに連絡するシステム)に日産、SUBARU、マツダの3社の加わったという発表。つまり、DAYZの採用したSOSコールは日産独自のシステムではなく既存のサービスがデファクトスタンダード化している流れに沿ったものといえるわけです。実際、トヨタ車には幅広く設定されているシステムであり、LEXUS各車には標準装備されていることを知っていると珍しい、新しいテクノロジーとは思わないはず。もっとも、高級車だけと思われていた技術を軽自動車から展開していくというのは、救急自動通報システムの普及には大きな力となるでしょうし、次のフェイズにステップアップしたことを実感させるのも事実でありましょうが…。救急自動通報システム「D-Call Net」、新たにSUBARU、日産、マツダにも搭載。D-Call Netへの対応は9団体に拡大 https://t.co/ClPdrsA76z
2019/03/31 11:53:02
そんな日産DAYZのSOSコールでありますが、本来の重大事故において最適な救急サービスを提供できる自動通報システムという側面以外の部分でクローズアップされているのは業界全体として憂うべきではないかと感じることもあり。
どこが出所なのか明確ではないのですが、SOSコールが「あおり運転」対策に活用できるという話が出ているのでした。日産自身も公式リリースでは以下のようにSOSコールの効能を記していて、「あおり運転」については触れていないのですが、どうも日産のメディア向けの説明で、そうしたアピールがあった模様。
SOSコールは、交通事故や急病などの緊急時や事故の危険がある時などに、専門のオペレーターへのデータ通信と音声通話を行うことが出来ます。通報方法には2種類あり、交通事故などで、エアバッグが作動した際に自動的に通報するものと、SOSコールスイッチによる手動通報があります。
あおり運転によって停車させられたり、物理的な危害を加えられそうになったときの緊急連絡としてSOSコールが有効になるかもしれないという話なのかもしれませんが、それにしても余談であって、停車させられているのであれば携帯電話などから110番通報をすればいい話で、SOSコールを利用する必要はないでしょう。本来、急病時などに手動で通報するためのサービスを、カジュアルに使ってほしいというアピールをしたのであれば、どうかと思うわけです。
もし日産のPR部門の総意としてSOSコールはあおり運転に有効というアピールをしているのだとすると、それは問題だと思う次第。同社はプロパイロットにおける自動運転アピールしたことで問題となったのですが、まったく懲りていないのかもしれません。
なお、現在は業界内外からの批判もあって、自動運転を宣伝で使わないということになり「運転支援システム」とすることが業界内でのコンセンサスとなっております。
-----------------
精進します。