クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

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2018年09月

2018年のクルマとして好バランスのフォレスター2.5、唯一足りないのは……

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アイドリングストップからのエンジン再始動がスマートになれば”いまいま”なら文句なし
先日、ついに公道にてSUBARUの新型フォレスターを試乗。2.5リッターNAガソリン直噴エンジンと2.0リッターガソリン直噴エンジン・ハイブリッド(e-BOXER)の2種類を用意する新型フォレスターでありますが、個人的には2.5リッター仕様のほうが全体のバランスに優れているという印象でありました。もっとも、新型フォレスターの特徴的な装備であるドライバーの顔認証システムはハイブリッド仕様にしか搭載されませんので、そのあたりも含めて評価するのであればハイブリッド一択にはなるのですが、シャシーバランスを含めた走りの面においては2.5リッターのほうが素直に仕上がっていると感じたのでした。グローバルにいえば基準となるのが2.5リッターでしょうから、それだけ煮詰めにもリソースを割いているはずで、パワートレインによる違いというだけではないのでしょうけれど。

そんな好印象の2.5リッターで唯一といえる不満を解決してくれそうなのが、上の画像で示したパーツ。ハイブリッドユニットに搭載されている振り子型プーリーの付いているISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)であります。このパーツだけでマイルドハイブリッドといえるクルマにできるわけですが、ユーザーが体感できるメリットはエンジンに再始動時にセルモーターを使わずに済むこと。いや2.5リッターの再始動マナーについて不満があるわけではなく、十分に遮音されているとは思うのですが、ハイブリッドと比べてしまうと「もっと良くできる」と感じてしまうわけで。とはいえ、ハイブリッドのようにISG専用に鉛バッテリーを積むのもどうかと思うので、もし2.5リッターエンジンにISGを組み合わせるならば小さめのリチウムイオン電池を使ったらいいのでは? 言ってしまえば、スズキが軽自動車に採用しているハイブリッドに似たようなシステムを積むことでフォレスター2.5は、2018年に誕生したモデルとして完成するだろう、と思うわけです。

もっとも2020年代を睨むとe-BOXERを「eee-BOXER」となるくらいに電動化比率を上げた状態に仕上げていく必要があるはずで、2.5リッターの熟成を進めつつ、電動化の対応へリソースを割かなければいけないのだとは想像できるところでありますけれど……。



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EVのランニングコストに対抗できるのはコンパクトディーゼルくらい

125kmを走行した電気代が450円(最大)、実質ゼロ円だからコストでは敵ナシ
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エアコンを使わなくとも快適に過ごせる季節は、空調での消費電力が抑えられることでEVにとってはベストシーズンといえるわけですが、たとえエアコンを使ったとしても、EVにとってはけっして有利ではない高速巡行をメインとするコースだったとしても、内燃機関よりコストが圧倒的にリーズナブルであると実感する日々なのでありました。

たとえば、こちらは連休中に出かけた際の電費ほかの情報。道としては渋滞はほとんどなく、順調でしたので、内燃機関でも好燃費が期待できるシチュエーションですが、125kmを走っての消費電力が15.0kWhということは、30円/kWhで計算して電気代は450円。レギュラーガソリンだと3リッター弱、軽油でも4リッター程度に相当するといえるわけです。そうなるとディーゼルだとして31km/Lくらいで走るクルマでないと同等のランニングコストにはならないといえそう。現実問題、リーフの消費電力と同等のコストで走れるのはマツダのデミオディーゼルくらいしか思い浮かびませんし……。

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もっとも、現時点では急速充電が実質無料となっていますので、普通充電を使わなければそもそも電気代がかからないわけですが。ただ、急速充電ばかりではバッテリーが傷んでしまうでしょうから、適度に普通充電を利用するように意識しております、ハイ。
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SUBARUの新型フォレスター、自動停止中にブレーキランプが点いているのがコクピットで確認できる

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マルチインフォメーションディスプレイ内の車両アイコン、ブレーキランプは実車に連動!
最近のクルマで採用例が増えてきている運転支援機能が「オートブレーキホールド」。赤信号などでブレーキを踏んで停止すると、ペダルから足を離しても停止状態を維持するというもの。マニュアル操作でいえば、停止→ニュートラルポジション→パーキングブレーキといった動作を、機械が自動的に行なってくれるというもの。停止中に足が緩んでしまい低速で前方のクルマにぶつかってしまうような事故を防ぐというのが大きな狙いでしょう。衝突被害軽減ブレーキでは動いていると認識できないような極低速における事故を防ぐ効果も期待されております。ソナーを使っている場合を除くと、クリープ状態でブレーキが緩んだ程度の速度を「動いている」と認識するのは難しいようですので。

当然、自動でパーキングブレーキをかけるわけですからEPBに付随する機能なのは言うまでもなく、EPBスイッチの近くに「AUTO」だとか「AUTO HOLD」といったボタンが置かれていることが多いよう。そして、SUBARUの場合は「AVH(オートビークルホールドの略)」と書かれたボタンが置かれており、そのボタンを押すことでオートブレーキホールドが機能するのでありました。そして、気になるのは、AVHによって停止しているときにブレーキランプが点いているかどうか。前述のように停止→ニュートラルポジション→パーキングブレーキとマニュアル操作で行なったときにはブレーキランプは点かないわけですから。今回、新型フォレスターを試乗した際に、ちょっと気になって後ろのクルマにブレーキランプの光が映っているかを確認してみたところ、AVHによって停止中にもしっかりとブレーキランプは点灯しているのを確認。それは、メーター中央のインフォメーションディスプレイをアイサイトモードにしているときに登場する車両のアイコンとも連動しているのでした。そう、上の画像をよく見るとわかるのですが、右側でAVH作動中が確認でき、車両アイコンのブレーキランプが点いていることも確認できるのです。

ブレーキランプを点けるかどうかを、後方車両とのコミュニケーションとして意識しているドライバーであれば、ACCを利用しているときにもブレーキランプを点けるほどの減速をしているのか、エンジンブレーキによる速度調整レベルなのかを把握したいと感じるかもしれません。このインフォメーションディスプレイ中のブレーキランプ表示は、当然ながらACC走行中もこの表示においてもアイコンと実車でリンクしているとのことですから、ひと安心かもしれません(さすがに高速走行中は自分の目で確認することはできませんでしたが…汗)。なお、この機能自体は以前のモデルから採用されていますので、新型フォレスターのトピックスというわけではありません、悪しからず。



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2018を代表する一台になる。トヨタ・センチュリーの世界観にライバル不在

日本専用車の極み、センチュリーの世界観にライバルは存在しない
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トヨタが作る日本を代表するショーファードリブンであるセンチュリーが21年ぶりにフルモデルチェンジしたことは、2018年の日本市場における無視できないトピックスでありましょう。かつては日産プレジデントというライバルもいた日本のショーファードリブン市場ですが、いまやセンチュリーの一択。実際に触れてみても、メルセデスやロールスといったクルマとは異なる世界観を持っていることは明白で、センチュリーにライバルは不在。完全なるドメスティックな商品であります。グローバル時代に、「ドメスティックな商品」というのはネガティブな表現にも思えますが、このクルマに関してはそうではなく、世界の潮流に流されることなく自分の世界を維持していることは褒め言葉。こうしたクルマが存在できているということは、トヨタの覚悟でもあるでしょうし、日本市場のサイズ感が、まだ専用モデルを許容できるだけの規模を維持しているということもでもありましょう。ある意味では軽自動車と似たような立ち位置といえるのかもしれません。グローバルなコンパクトカーではなく軽自動車が一定の市場を維持しているように、台数ベースでのサイズ自体は比するまでもないショーファードリブンにもドメスティック専用モデルを求める市場があるのだと思うわけです。実際、新型センチュリーの中身は先代レクサスLS由来といえる部分も多々あるわけですが、レクサスでは代替のきかない世界があるからこそ、センチュリーのフルモデルチェンジが必要であり、それが求められたと考えれば、このクルマが”日本”の自動車マーケットの特殊性を象徴する一台であると、あらためて思ったりするのですが、さて?




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空調いらずの季節はEVのベストシーズン! 19.2kmを走った電気代は60円足らず

先日、という電費に関するエントリを上げたばかりですが、さっそく一日の電費で10km/kWhを達成。走行距離は19.2kmで、走行時間は1時間ですからけっして瞬間的なものではありません。ならすとほぼ平坦なゴー&ストップの繰り返し的な市街地走行での数値であります。

エアコンをオフにしただけで、グッと電費が向上した
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この電費改善の理由は、なにか走らせ方を変えたわけではなく、単純に気温が適切だったのでエアコンを切っただけという当たり前の話。冷房については、暖房ほど消費電力に影響がないとは言われていますが、さすがにエアコン・オフにすると明確な違いがあるようで。とはいえ、前日のデータ8.0km/kWhから、空調を切っただけで10.2km/kWhまで向上するのは「そこまで伸びる!?」と驚いたのも、また事実であります。この季節、EVにとってベストシーズンなのかもしれません。

ちなみに、日産のスマホアプリ(上の画像は、そのスクリーンショット)を信じるならば、19.2kmを走行するのに消費した電力は1.9kWh。東京電力の従量電灯B(古くからある電気料金体系で、けっして有利ではないお値段)でいうと、3段階ある中で高いほうが30.2円/kWhですから、基本料金などを除いて考えると、19.2kmを走るのにかかった電気代は57円38銭。レギュラーガソリンを140円/Lとして換算すると410ccで走ったことになり、燃費に換算すると46.8km/Lで走るクルマと同等のコストとなるわけです、この数字を見るとどこかで計算間違いをしたとしか思えませんが……。本当に間違っていれば、ご指摘くださいませ(汗)


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レクサスESに初採用、ついにCMSが国産モデルに登場する!

量産乗用車にCMSを世界初採用するレクサスES、その名前はデジタルアウターミラー

先日、メルセデスがトラック(アクトロス)にドアミラーに変わってカメラを使るCMS(カメラモニタリングシステム)の標準装備化を発表したばかりですが、まもなくフルモデルチェンジとなるレクサスESが乗用車としてCMSを世界初採用する模様。その解説動画を見ていると、シチュエーションによって画角を自在に変えたり、カメラ周りにヒーターを配置することで雨や雪でも視界を確保したりと、従来の反射鏡ではやりたくても難しかった機能を、初採用の段階から実装しているようで、これはキワモノで終わらずに、将来的に拡大するのでは? というポテンシャルを感じさせるのでした。
もっとも、普及フェイズを考えると、せっかく保安基準でCMSという名称をつけたのに、メーカーが独自名称を付けるのは残念。たしかにESC(横滑り防止装置)についてはESPだのVDCだのVSAだの色々なネーミングが共存しているので、名称の統一にこだわる必要はないかもしれませんが、各社がバラバラに名前をつけていくのは、メーカーの都合はあるとはいえ、けっしてポジティブなこととは思えないのであります。
おそらく現時点ではデザイン上のアクセントや車幅を認識する目安として、必要以上にカメラを張り出して配置しているのでしょうし、従来からの目線移動の感覚を考慮してAピラーの根本に5インチディスプレイを置いているという面もあるでしょうけれど、このあたりも普及に従って法規を含めて改善していくだろうな、と思うところ。いや「思う」というより「期待している」というほうが正解かもしれません。


カメラの映像をディスプレイに映し出すという仕組みは、目のピントが合いづらいという指摘もありますが、走行中に後写鏡をじっくり見るわけではないので、実際にはさほど気にならないであろうと思うのは、このところ増えている電子ルームミラーを利用してみての感想。もっともCMSは使っていないので、どのような印象になるのかは、想像もできないのでありますが……(汗)


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