クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2018年09月

2.0リッター直噴ターボのVWジェッタが338km/h

ボンネビルで最高速アタックしたフォルクスワーゲン・ジェッタ、EA888エンジンを600hp/8500rpmまでチューンアップ、それを受け止める細身のタイヤに興味津々
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フォルクスワーゲンUSAが、彼の地でのプロモーションとして2.0リッター”ガソリン直噴ターボ”エンジンを600馬力までチューンアップしたジェッタにて、ボンネビルソルトフラッツにて最高速にチャレンジ。見事、 210.16 mph (338.15 kph)というクラス新記録を打ち立てたというニュース。いかにもボンネ仕様といったチンスポイラーやホイールカバーによりCd値0.27というジェッタのボディをさらに引き締めたというのも最高速には効いているのでありましょう。600馬力のエンジンは、ブロックとクランクはスタンダードというのもアピールポイントでしょうか(逆にいうと、それ以外はフルチューンともいえますが)。
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パラシュートブレーキが、アメリカンモータースポーツの空気を強く醸し出している感じてしまうのは気のせいでしょうか

ところで、このボンネ仕様ジェッタで気になるのはタイヤ。
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FFであればリアに細身のタイヤを履かせて走行抵抗を減らすのは常套手段でありますが、写真で見る限りフロントタイヤも細身のようで。ドラッグレースのような発進をするわけではないので、最高速ギアでの駆動力を受け止めることができる範囲であればタイヤを細くしたほうが有利だということは理解できても、600馬力のマシンがこの細さのタイヤを履いていては、なかなかアクセル全開にする気持ちにはなれそうもないとインカー映像を見ながら思ってみたりするのでありました(汗)

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ホンダNSXは、れっきとしたアメリカからの輸入車だけれど…

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早急に日本市場におけるアメ車の販売を増やしたいなら日系メーカーが自社製品を輸入するのが手っ取り早い(ディーラー網の整備的な意味で)
日米の通商交渉のテーマはアメリカにとっての輸出入における赤字を解消する(もしくはバーターで何かを手に入れる)ためで、毎回のように自動車関税がやり玉にあがっているのは、もはやおなじみのパターン。今回は、関税引き上げはひとまずフリーズしたようですが、いつ再燃するともいえない非常にあやうい状態。しかしながら、自動車マーケットだけを見て、アメリカの赤字を小さくするというのは、あまりにもな難題であるわけです。

日本側としては、アメリカ市場における”日本車”の売り上げを減らしたくありませんし、売り上げを維持もしくは伸ばしつつ、日本からの輸出を減らすには現地生産を進めるのが一択。とはいえ、ずいぶんと北米での現地生産は進んでおりますから、さらに増やすというのは難しそう。一方で、赤字を減らすのであれば日本市場で売れるアメ車の数を増やせばいいわけですが、現時点で日本で展開しているアメリカンブランドはキャデラック、シボレー(GM)とジープ(FCA)の3つだけで、その販売網を考えると、桁違いに販売を増やすというのは、また考えづらいところ。

であれば、数字上、日本がアメリカからの自動車輸入を増やすにはディーラー網が充実している国産系で扱えるアメ車を持ってくるほかない……というのは20世紀から言われているところで、トヨタがキャバリエを売ってみたり、ホンダがアコードワゴンやシビッククーペを売ってみたりしていた歴史あり。いまもホンダNSXはアメリカ生産なので、数字上はアメ車の販売台数にカウントしてもいいのでしょうが、いかんせん台数が少ないので、焼け石に雫みたいなレベルではあります。
もっとも、トヨタやホンダがアメリカで生産するクルマを日本で販売して、数字上の赤字を減らしたとしても前述した3つのブランドが売れなければアメリカとしては交渉の道具として使い続けるのは予想されるところで、そうした行動や数字合わせには意味がないのかもしれません。むしろ、どこかの日系メーカーがアメリカ系自動車メーカー(GMとフォードのどちらか)の完全子会社となったり、吸収合併されてしまったほうが、ロビー活動的には日本の自動車市場をターゲットとすることは減っていくかもしれません。もちろん、日本市場に投資をする魅力があるかどうかといえば疑問ではありますけれども(汗)

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クルマも列車も水素で動かす低炭素地域、しかし乗用車は電気が吉か?

トヨタとJR東日本が仕掛ける水素エネルギー社会、架線のないディーゼル鉄道専用のエリアなら実現する意味が強まるか
2018-09-28
水素エネルギー社会には、いろいろなバックアップがあり、大人の事情として推進しないといけないという部分もあるかもしれませんが、ひとまずトヨタとJR東日本というモビリティに関する巨大企業が手を結ぶ(ことを検討する)という発表あり。
そのイメージとして出されたイラストは、太陽光や風力発電による余剰電力を水素としてストレージして、それを物流に利用するというのは、まさに水素エネルギー社会のお手本的なアプローチ。そして、都市部(左側)と郊外(右側)を結ぶものですが、列車を燃料電池として稼働させるのは、架線が整備された都市部の線路においてはあまり意味を感じないのも事実。ゼロエミッション的な視点からいってもディーゼル専用で架線が未整備であったりするところで意味があるシステムといえそう。

それにしても、水素ストレージのステーションとして、まさに”駅”を使おうというのはグッドアイデア。バスも電車も駅を始点とすることを考えると合理的であります。もっとも、駅という多くの人が利用する施設の近くに水素ステーションを配置することへの不安感をどのように払拭するかという課題はあるかもしれません。

こうして水素エネルギーを活用することで、燃料電池車の普及も進む、と思いがちですが、個人的には再生可能エネルギーによる発電が進む社会においては個人宅(太陽光発電を備えているという前提)ではV2Hシステムを介して電気自動車をバッファ装置兼用として使うことを想定すべきだろうな、と思う次第。つまり乗用車はFCVではなくEVが主流になると思うのです。バスやトラックといったモビリティがFCVになるというのは、バッテリーの重量などを考慮した乗り物としてのエネルギー効率からいっても有利で、既定路線であることは否定しませんが……。


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ノートe-POWER NISMO S、パワーアップした秘密はインバータ……

100kW、320Nmのスペックはセレナe-POWERと同数値
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ノートe-POWERにハイパワーバージョンとなる「NISMO S」が登場。シリーズハイブリッドのe-POWERながらベース車に対して、3気筒エンジンや駆動モーターは変えていないようですが、出力・トルクともに向上、具体的にはモーター最高出力が80kWから100kWへ、最大トルクは254Nmから320Nmへと大幅アップしているのでありました。

その理由について、メーカーは『インバータとコンピューター(VCM)に専用チューニングを施し発電量を増加』させたと発表しておりますが、スペックから想像するにセレナe-POWERに搭載するインバータを流用したのでは? と思うわけです。これによって電動車両のパワーアップは、ハイブリッドに関して言えばエンジンの排気量アップや過給チューンではなく、インバータがキーになるという認識が広まっていくのかしれません。

もっともニュースリリースにおいてバッテリーについて言及していないところ見ると、おそらくリチウムイオンバッテリーはベース車同様でありましょう。だとすると、最高出力を連続発生できる時間は短くなっているはず(エンジンがフルパワー状態でも追いつかないので)で、そうした違和感をどれだけ感じさせないようなエネルギーマネージメントのセットアップに興味津々なのでありますが、触れる機会を得ることができるかどうか……(汗)
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ポルシェがディーゼルから完全撤退との報道、新車の半分が電動車両になる

ディーゼルゲートの影響を切り捨て、グループのイメージリーダーとなるか
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2015年に発覚した、いわゆる「ディーゼルゲート(不正事件)」により棄損したブランド価値を取り戻すべくフォルクスワーゲングループとしてEVシフトを進めているという印象が強い昨今でありますが、グループにおけるテクノロジーリーダーといえるポルシェが、脱ディーゼルを宣言した模様。
記事にもあるように、もともとポルシェのラインナップというかビジネスとしてはディーゼルに頼る部分は少なかったでしょうから、脱ディーゼルを宣言するのはブランディングとしてはポジティブな要素しかないと判断したのでしょうし、フォルクスワーゲングループとして先行してディーゼルが卒業するというスタンスもブランドとしてはプラスになるというわけでしょうか。純粋にビジネス的な要因での脱ディーゼルであればこうして宣言する必要もないわけで。そして、ポルシェの脱ディーゼルをきっかけに、フォルクスワーゲングループ全体としてのEVシフトを明確化していくことで、グループのブランディングに寄与させるという狙いもあるはず。脱ディーゼル宣言が、ポルシェおよびフォルクスワーゲングループのブランド価値を高めると判断するための様々なリサーチ結果が、他メーカーにも通じるのだとすれば、乗用ディーゼルが消えてしまうことはないにしても、ふたたびかつてのような地味なポジションになってしまう可能性は少なからず、と感じてしまうのでありますが、さて?

そんなタイミングで、ずいぶん前にYouTubeにアップしていたメルセデスのディーゼルエンジンに興味深いコメントをいただいたのも、偶然ではないのかもしれません……。

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クロスオーバーSUVがブームなのはアプローチアングルの余裕のおかげ?

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昔のクルマに比べて、段差などでノーズを擦る機会が増えているような気がする…
クロスオーバーSUVが世界中で一大ムーブメントになっているというのは、いまさらな話ですが、その理由のひとつが最低地上高の余裕がありつつ、スタイリッシュに見えること、なのではないかと前々から思っております。最近の乗用車は、燃費や安全性能を高めるためにフロア下に整流板などの付加物が増え、またフロントオーバーハングも増えているような印象があります。そのため、歩道の段差などでノーズ(フロントバンパー下面)を擦ってしまうことも20年前のクルマと比べると増えているような気がしてならないわけで、その点においてSUVを選べばロードクリアランスも増えますし、そもそもアプローチアングルに有利なスタイルになる傾向がありますから段差やスロープが気にならなくなるという面があるのでは? そうした実用的な部分もSUVムーブメントを支えている一面だと思うわけです。

というわけで、イメージ画像は1.8リッターディーゼルになったマツダCX-3。アプローチアングル的に有利なスタイルとはいえないかもしれませんが、それでもロードクリアランス160mmを確保していることで、SUVとしては心許ない数値でありますが、歩道の段差や駐車場でのスロープなど都市部で超える必要のある”障害物”をクリアするだけの余裕はプラスされているということでしょうか。まあ、こうしたプラスアルファが付加価値といえるわけですが…。

高いギアが維持できるのは排気量アップしたディーゼルの旨味。マツダ的ニュートラルステア感の演出が絶妙

せっかくですので、マイナーチェンジしたCX-3の印象を記しておくと、ディーゼルエンジンのスープアップは絶対的なパフォーマンスよりも日常的な余裕に貢献しているという印象。とくに再加速におけるキックダウンを避けることができるのは車格(というよりも価格?)に見合った余裕を生み出していると感じる部分。

そして、ハンドリングについては、SUVというよりもスポーティモデルのそれ。おそらくFC・RX-7の頃からマツダが目指しているニュートラルステア感が強調されたもので、高速ランプなどでステアリングの切り増しは不要と感じるほど、ピタッとラインをトレースするのでありました。とはいえ、けっしてシビアなわけではなく、センター付近の遊びもしっかりありますし、減速時の安定感にも不足なしでありますから、このクラスで比較するとドライバーの意思に忠実に感じるハンドリングを実現しているといった評価になるのでありましょう。若干、リアの突き上げが強いシーンがあるのは、そのハンドリングとトレードオフなのかもしれませんが、コンパクトSUVとしては不満を覚えるほどではないのかもしれません。

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