
トラック用? それとも? 東芝の24V置換型SCiBバッテリー
人とくるまのテクノロジー展に行くと、なんとなしに毎年定点観測しているのが、東芝のリチウムイオン電池「SCiB」で、2017年はパッケージの変化やら高入出力タイプの登場などが記憶に残るわけですが、2018年は24Vバッテリー(リンク先はpdf)が新作(画像の右側)として出展されておりました。
24Vバッテリーと聞くとトラック用を思い浮かべるところで、いわゆる鉛バッテリーをリチウムイオン電池に置換するという用途に向くタイプ。こうした手法は、軽量化のためのチューニングとしては見慣れておりますが、この製品に関していえばメインの目的は長寿命なのだとか。もちろん重量的にも約1/4と軽量化されておりますが。また、単に置き換えるだけでなくバッテリーと通信できる端子が用意されているのもポイントでありましょう。さらにBMU(バッテリーマネージメントユニット)を内蔵することで、保護機能を実装しているほかセル間のバラツキを調整する機能も持っているというのは安心要素でありましょうか。
もっとも、トラック用24Vバッテリーの置換というよりは、工場内で稼働する無人搬送車(電動)など産業機器での置き換えを前提としているからこその通信機能だったりするわけですし、SCiBの持つ繰り返し充電して使ったときの長寿命というメリットが生きてくるわけです。ちなみに使用温度の上限が45度らしいので、実際にはトラック用バッテリーの置き換えはむずかしいというべきでしょうか…。
【追記】
2019年に量産予定されているSCiBの新製品「SAP24」はバス・トラックなど24V車の置き換えに対応しているそうですから、そうした温度の問題はなさそう。ちなみに重量は28kg、12V鉛バッテリーを直列でつなぐことを考えると、半分以下の重さとなりそうです。
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精進します。



