クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

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2018年03月

まさしく「技術の日産」、可変圧縮比だけでないVCターボエンジンのすごいところ【動画】

日産がインフィニティに続いて、ニッサンブランドの車両にもVCターボエンジン(可変圧縮比エンジン)を積むということで、あらためて解説動画を公開しておりました。
可変圧縮比だけでなく吸気モーター・排気油圧の可変バルタイ、直噴とポートのデュアルインジェクターなど見どころいっぱい。そしてバランサーいらずのスムースさも魅力

すでに何度か触れていますが、日産インフィニティのVC-T(可変圧縮比ターボエンジン)については、その基本構造としてクランクとコンロッドの間を複リンク構造としているため、可変圧縮比が可能になるというメリットに対して、メカロスや耐久性についてトレードオフの部分もあるのでは? と思っておりましたが、そのメリットは可変圧縮比だけではないのでした。

この動画で注目すべきは、2分過ぎのあたりで説明しているバランサーなしで振動をクリアしているという点と、そのあとに続くノー、ピストンサイドフォースという表現でしょうか。たしかに複リンク化することでコンロッドの角度を限りなくまっすぐにできますからサイドフォースを大幅減できるのはその通りで、このメカニズムはレシプロエンジンとして非常に合理的な素性を持っているというわけ。

もっとも、この可変圧縮比というアイデアを最初に聞いたときには、吸気・圧縮・膨張・排気というひとつの行程内において圧縮比を変えることで高膨張比エンジンとすることを狙っているのかと思ったこともありましたが、日産VCターボエンジンについてはアクセル操作などから理解したドライバーの意思に応じてパワー重視のローコンプ(おそらくハイブースト)仕様と、燃費重視のハイコンプ仕様を使い分けるという具合に可変圧縮比を利用しているのは、ちょっと残念だったりして。

また、おそらくターボチャージャー自体にもコストをかけているでしょうから踏み始めからブーストがかかりやすい特性にはなっているのでしょうが、ブースト圧に応じて、どのように圧縮比を可変させているか(ブーストが立ち上がる前はハイコンプにして、徐々にローコンプ側に制御するなど)も気になるところだったり。

搭載される日産車は北米で売っているアルティマということで、日本ではVCターボエンジンを味わうことはできないのかもしれませんが、生産自体は日本国内だそうですから、いろいろ見てみたいと思ったりする今日このごろなのでありました(汗)


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エクリプスクロスのモード燃費は14.0km/L、高速燃費は11.8km/L を表示

三菱自動車の新型SUV「エクリプスクロス」に舗装路&公道で初試乗したわけですが、試乗ステージはワインディングロードだけではなく、しっかり東名高速道路も走ることができたのでした(御殿場~裾野ICの一区間を往復しただけですが)。
高速燃費はJC08モードの84%を達成。ACCは135km/hまで設定可能
その際にトリップをリセットして高速燃費を計測してみたのが、こちらの画像。
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インターに乗る手前でリセット、下りてから停車するところまで走行しての数値なので95%高速巡航といった走行状況での燃費データは11.8km/L。ハイブリッドの数値を見慣れてしまうと、この数値自体は取り立ててインパクトはありませんが、カタログ値となるJC08モード燃費が14.0km/Lの4WDグレードにおける高速巡航燃費でありますので、いわゆる達成率(走行モードが異なる上にエアコンも使用しているので、達成率という言葉を使うのは誤解を招きますけれど)でいうと84%となるわけで、ユーザーの期待値からするとまずまずといったところでしょうか。

もうひとつ注目はACC(アダプティブクルーズコントロール)の設定速度の上限値。高速道路の速度規制改正をにらみ、135km/hまで設定できるようになっているのでありました。これについては、他社も似たような対応をしている状況ですのでエクリプスクロスだけの話ではなく、日本車全般のトレンドに則しているという話であります、ハイ。

いまや業界スタンダードといえる渋滞対応のACCは上位グレードに標準装備しているエクリプスクロスですが、車線維持ステアリングアシスト機能はなく車線逸脱警報システムを採用しているだけなのは商品力としては残念ポイント。価格帯としてライバルになるであろう日産エクストレイルには、高速道路の同一車線自動運転技術「プロパイロット」が設定されているだけに、同等の機能は欲しいなあ、と感じるところ。もっとも、将来的にはこうした手のかかる技術については共通化していくのでしょうから一時的な話なのかもしれません(汗)

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【再掲載】自動運転においてはレースが走る実験室になる

※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスがありました。そこに過去寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所があるほか、名称なども掲載当時のママとなっておりますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
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人工知能を鍛えるには「駆け引き」の経験が大切だ
いまや自動運転技術はクルマの進化においてメインストリームとなっている。完全なる自動運転はまだまだ先とはえ、そうしたテクノロジーがドライバー支援として安全性の向上につながっているのは、未来の話ではなく、現実に進んでいる事象だ。

そういえば、人工知能を搭載した無人レースが始まるといった話題もあった。じつは、こうした話は自動運転の進歩においては非常に重要だ。仮に、すべてのクルマが無人運転になったとして、どこかで全体的に管理するようなシステム(一部の列車では存在している)にするのであれば、自動運転に人工知能を積む必要はないかもしれない。しかし、現実的に公道上にはマニュアル運転されているクルマ、自転車やオートバイ、歩行者などなど様々な利用者が存在している。つまり自律走行が求められる。しかも現実的には、人間同士のアイコンタクトであったり、無言の交渉であったりといった要素は無視できない。むしろ混合交通では、そうした道路上での交渉は非常に重要。そのために自律走行には、人工知能が求められ、交渉を表現できるように進化させる必要がある。もちろん、車々間通信によるダイレクトな交渉というのもあり得るが、マニュアル運転と自動運転が混在する中では無言の交渉というのは必要になってくる。

そう考えると、人工知能による実際のレースというのは「走る実験室」として大いに意味があるのではないだろうか。異なるプログラムを受け、成長する人工知能同士が、サーキットにおける駆け引きを瞬時に判断することで、交渉術は鍛えられることだろう。実際にレースをせずとも経験を積むこともできるだろう。そして、将棋や囲碁がそうであったように、最終的には人間と競うことになるだろうが、そこまで人工知能が成長すれば、公道での交渉も十分にこなせるだけの判断力を身に付けたといえるだろうし、人工知能による自律走行に対する信頼性も上がってくるはずだ。

また、レースのできる人工知能が生み出される過程において、サーキット走行をアシストする機能がスポーツカーに搭載されることも考えられる。機械に頼らないのがスポーツ走行という考え方もあるだろうが、レーシングカーにおいてもGT3マシンではABSやトラクションコントロールシステムが搭載されている時代。いまや電子制御は欠かせない要素となっている。もしレーシング的な自動運転が発展していくとすれば、その過程において、ドライバーをアシストとしてくれる機能が生まれるのではないだろうか。

現在のスポーツカー、とくに富裕層向けのスーパースポーツは扱いやすいことも商品性として重要なのは言うまでもない。つまり、そうしたモデルにおいてはレーシングシチュエーションでドライバーを支援する人工知能を搭載することに意味があるかもしれない。人工知能とまでいかなくとも、レーダーによって先行車との距離を計測、有効なスリップストリームを教えてくれるシステムや、カメラと車両情報を元にステアリングの最適な切り方を指南してくれるシステムなどは、現在の先進安全システムの応用として想像できるところで、センサー情報によってドライバーのスキルを磨くことも、これからのスポーツカーにとって、ひとつの要素になるかもしれないと、思うのだ。

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e-POWERのワンペダルドライブ、運転歴の長いドライバーはアクセルオフのクセを修正する必要あり

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減速時にはアクセルペダルを戻すイメージ、ペダルから足を離してしまうのはNG
日産の電動車両(リーフとe-POWERシリーズ)に共通しているのが「ワンペダルドライブ」が可能なこと。とくにリーフではメカブレーキも併用する「e-Pedal」と名付けた機構を採用することで、停止保持までもワンペダルで可能としているほか、スリッピーな路面において後輪(非駆動輪)のグリップも利用して制動できるのがウリであります。

そのワンペダルドライブでありますが、ようはアクセルペダルの戻し方で減速をコントロールするというもの。つまり、アクセルペダルを全閉すると、そのシステムで可能な最大減速を発生してしまうわけ。その特性を理解せずに、減速時にはアクセルオフと右足を離すと、コンベンショナルなエンジン車の感覚からすると予想以上の減速Gが生まれてしまい、おそらく「ギクシャク」した印象を受けるのかもしれません。

とくに、最近の燃費重視セッティングを受けたステップATやCVTではアクセルオフでもコースティングをイメージしてエンジンブレーキを弱めにする傾向にあるので、e-Pedal含むワンペダルドライブとのギャップを大きく感じる部分もあって、そうした慣れ親しんだ感覚からワンペダルドライブを扱いづらいと評価する向きもあるよう。いわゆる”オン・オフ”的な操作ではワンペダルを使いこなせないのは自明ですが、それなりに繊細なペダル操作を自認しているベテランドライバーでもアクセルオフ時にペダルをパッと戻すクセがあると、意識してコントロールしないとワンペダルドライブは難しいのかもしれません。

もちろん、日産のワンペダルドライブを採用した各車では、アクセルオフでの減速をコンベのエンジン車並みとしたモードも用意されている(というか、それがスタンダードモード)なので、ドライビングを修正してまで、無理してワンペダルを使いこなそうとする必要はないのでありますが。個人的には慣れが必要ないくらい、すぐに使いこなすことができたと感じましたから、それほど大袈裟な話ではないのかもしれませんが、さて?

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【動画】三菱自動車の新型SUV「エクリプスクロス」に舗装路&公道で初試乗

法定速度でもクーペSUVなルックスにマッチした走りを実感

クローズドの雪上では試乗していた三菱自動車の新型車「エクリプスクロス」をついに、ドライの舗装路で、公道初試乗であります。最高出力150馬力の1.5リッターガソリン直噴ターボエンジンは新開発でありますが、プラットフォームはアウトランダーを共通ということで、さほどハンドリングなどの走りについては変わっていないのかな? と想像しておりましたが、雪上ではクーペスタイルにふさわしいアクティブな走りのキャラを持っていることを確認していただけに、舗装路で、公道走行の速度域で、どのようなキャラが感じられるのかを期待しての初試乗とあいなったのでした。

法定速度というか、制限速度の範囲で走っているので、限界性能がどうこうといえるような走らせ方はしておりませんし、むしろ低速でどのくらい独自の味が感じられるのかをチェックするような初試乗となりましたが、いやはや予想以上にエクリプスクロスのテイストは色濃く表現されておりました。少々立ち気味のポジションなど運転席に座った感じはSUVですが、ステアリングを切ったときの印象はたしかにクーペ的なダイレクト感のあるもの。SUVとしてはロール剛性も高めに設定しているように感じましたし……。それでも硬派すぎる味付けではないのがクロスオーバーらしさといったところでしょうか。

エクリプスクロスで、CarPlayを満喫するコツは音声入力の積極活用にあり

Sinya Yamamotoさん(@sinyayamamoto)がシェアした投稿 -




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【再掲載】衝突安全性から丈夫になるAピラー、サイクリストへの攻撃性を考慮すべき時期では

※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスがありました。そこに過去寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所があるほか、名称なども掲載当時のママとなっておりますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
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自転車用ヘルメットでは細く硬いAピラーから頭部を守り切れない?
いまや幹線道路でもサイクリストを多く見かけるようになりました。近所のお買い物用自転車とは異なるスポーツサイクルであれば原動機付のモビリティと遜色ないスピードを出すこともできますし、それでいてゼロ・エミッションなわけですから、健康促進の面からもサイクリストが増えているのは時代の要請なのだともいえるでしょう。

しかし、速度が高いということはそれだけ危険性も増すということになります。多くのサイクリストがヘルメットを装着しているのは自己防衛の意識でしょうが、一方でサイクルジャージなど薄着なの格好は傍から見ていても事故の際のダメージが心配になります。

ところで、サイクリストの事故といえば、自動車との接触では意外な危険性があるという話を耳にしたことを思い出します。それは自動車のAピラーの攻撃性。衝突安全性と視界の拡大を両立するために、Aピラーは細く硬くなる傾向にあります。そして、走行中のサイクリストとクルマの接触事故では、頭部がAピラーにぶつかることも少なくないのだそうです。そうなったときに、通常のサイクリスト用ヘルメットでは保護能力が不足するという研究結果もあるほど。地面との衝突では頭部を守ることはできても、Aピラーとまともに当たってしまうと脳への衝撃が大きく、非常に危険という話なのでした。

だからといって、Aピラーの強度を落とす(すなわち、クルマの安全性を落とす)というわけにはいきません。一方で、サイクリスト用ヘルメットでも学生がかぶっているような、いわゆる通学ヘルメットであればAピラーの硬さにも対応できるという話もあります。だからといって、現在のスポーツサイクルに乗っているユーザーが、通学ヘルメットタイプに変えるというのは、ユーザーマインドからして難しいようにも思うのです。

さて、Aピラーを柔らかくすることも難しい、ヘルメットを大きくすることも難しいとなれば、期待できるのは何らかの電気的デバイスでありましょう。すでに歩行者保護エアバッグというデバイスがあり、間もなく登場するスバルの新型インプレッサ(全車に同デバイスを標準装備!)ではAピラーの大部分をカバーする形状となっていますから、サイクリストの頭部保護性能も期待できそう。ただし、インプレッサの場合は歩行者保護エアバッグを展開するためのセンサーはフロントバンパー内側に備わっているので、フロントフェンダー部分でサイクリストと接触したような事故では展開できないといいます。しかし、エアバッグによってAピラーのカバー範囲を広げ、展開するセンサーを増やすことは技術的には可能といえるでしょう。

いまや自動車の安全要件に「歩行者保護」は欠かせないものとなっていますが、今後は「サイクリスト保護」ということも考えなければいけないのかもしれません。すでに衝突回避ブレーキではサイクリストを認識できるシステムも増えています。もっとも、サイクリストは公道上(道路交通法の下に)においては、『車両』として扱われますので、感情論は別として、制度として保護する対象とすべきかどうかの議論は起きてくるかもしれませんが…。

なお、上の画像は新型NSXのボディシェル。三次元熱間曲げ焼入れ超高張力鋼板による細く強いAピラーが印象的です。

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