クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2018年02月

【TNGA】発進ギア+変速比幅5.0のCVTを組み合わせたハイブリッド・トランスミッション【トヨタ】

トランスミッションだけで燃費性能を6%も向上させるという「目からウロコ」のアイデア

トヨタの発表した新型CVT、そのポイントは発進用ギアを搭載したこと。トルクのかかる発進時にCVT(プーリーでベルトを押さえる力)の負担を軽減しているところでしょうか。それにより、プーリーを小型化することができ、慣性を半減させることで変速応答性までも向上させているというのは、副次的な効果でしょうか。

見方によっては、ギア式とベルト式のハイブリッドともいえるトランスミッション。そして伝達効率においては既存トランスミッションの中でもっとも不利なCVTですが、この新型”ハイブリッド”CVTについていえば、少なくとも発進時においてはギアだけを使うため伝達効率はベストといえる状態なわけで、ストップ・アンド・ゴーが多いシチュエーションではトータルの伝達効率もそこそこ向上しているのだろうな、とは容易に想像できるわけです。

それによって『クラス世界トップの変速比幅(レシオカバレッジ=7.5)と伝達効率を実現し、燃費を+6%向上させています』と発表されているのでありましょう。そして、発進ギアのほかに、巡航ギアも用意すると、もっと燃費性能は伸びるかもしれないと思ってみたり。カタログ値に限った話になるかもしれませんが……(汗)

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フレームシャシーらしいデフ玉が印象的な日産の新型SUV「テラ」

ピックアップトラックベースのSUV、まさにテラノの後継モデル!

日産がLCV事業部生まれのSUV「TERRA(テラ)」を中国市場向けにローンチ予定ということで、ティザームービーを先行公開。正式発表は2018年4月ということでありますが、タイミング的に市販状態の先見せと理解して間違いないムービーでありましょう。

ところで、LCVというのはライトコマーシャルビークルの略称で、日本語にすると小型商用車のこと。いまどきのSUVはエンジン横置き・モノコックボディの乗用車ベースであることが大半ですが、この新型モデルはピックアップトラックのフレームを活かした昔懐かしい作り。日本的にいうならば、SUVというよりもRVといったイメージが強いといえましょうか。その意味では、初代テラノ(WD21型)に近い成り立ちのSUVといえそうで、名前の近似性はそうした素性を示しているのでは? と勝手に思ってみたり。

このティザームービーでいうと、7秒あたりでシルエットが確認できるリアデフの存在感に、LCVベースのフレームシャシーという生まれを感じてしまうのは考え過ぎでありましょうか(汗)
それにしても、LCVで開発したフレームを多目的に活用するというのは開発費の回収からすると悪くない手であります。そして、フレームSUVというアピールの影響によって、SUVをモノコックボディとフレームシャシーで分類するといった流れが出てくるのかもしれませんが、さて?

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【再掲載】ヘッドライトの自動点灯の是非を問うフェイズは終了している?

※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスがあります。そこに過去寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所があるほか、名称なども掲載当時のママとなっておりますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
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マナーやスキルアップが期待できないと判断されたゆえの自動化への流れ
将来的には自動運転へ向けた流れが着々と勢いを増していると感じる今日このごろ。プリクラッシュブレーキや自動点灯ヘッドライトの標準装備化について政府が検討していることが報道されている。こうしたニュースに対する反応として「安全性能が高まるのであればウェルカム」という肯定的な意見と、「なんでも自動化するとドライバーが緊張感なくしてかえって危ない」といった否定的な見解が出てくるのは、かつてABS(アンチロックブレーキシステム)やESC(横滑り防止装置)が標準化される際にもあったもので、まさに歴史は繰り返す、と感じる。

たしかに否定的な意見にも一理ある。機械よりも優れたドライバーにとっては、車両側の介入は自分の意思と反してしまうことがあり、逆に安全とはいえないと感じる面もあるのだろう。ただし、ABSを例にあげれば、パニックブレーキでもロックコントロールをできるだけのスキルを持っているドライバーは現実的にわずかであって平均的なドライバーにとっては機械制御のほうが、危険回避につながる確率が高いとされたから標準化が進んだといえる。実際、標準装備されることでメカニズムも進化した。初期のABSと較べて、現代のそれは格段にレベルアップしていると感じるベテランドライバーも多いのではないだろうか。

最近、話題となっているヘッドライトにおいても、何年も前から早めの点灯をうながすキャンペーンが実施されてきた。その上で、自動点灯化を検討するということは、マナーアップだけでは解決しないと判断されてしまったということなのだろう。照らすためのヘッドライトではなく、薄暮時において自車をアピールするためのヘッドライト点灯のタイミングというのはドライバーの感覚で判断するのは難しい面もあるため、仕方ないといえるだろう。

マナーやスキルアップに積極的なドライバーにとって、こうした判断は自身の努力を否定されたような気がするかもしれないが、そうしたマインドを持たないドライバーが多数派でないと捉えられてしまう状況である限りは、安全装備の標準化は自然な流れであろう。そして、標準装備化に進むのであれば、自動点灯タイミングの最適化や電力消費抑制について、より進化することも期待したい。

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駆動モーターからレアアースを減らすことの意義はコストか持続性か

クルマの電動化、モーターとバッテリーの生産を維持するためには、どうすればいい? という話
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トヨタが省ネオジム磁石を開発、まだラボレベルということですがメディア向けの発表会を実施。事前予想的には、自社開発をアピールすることで株価などにつなげる、いわゆるアナリスト向けの発表だと勝手に予想していたのですが、さにあらず。海外メディア、国内メディアに向けた新技術アピールがメインだったのでありました。
とはいえ、聞けばトヨタ内で磁石を自社生産するつもりはないようで、あくまでもパテントを押さえた状態で生産は磁石メーカー(サプライヤー)に任せるという立場のよう。それについても自社関連だけにとどまらず、家電などにも利用してほしいというスタンスなのでありました。

実用化ではなく、ラボレベル(もちろんパテント取得済みなので公開できる情報ですが)ながら、この段階でメディアにアピールするというのは、他社にもこの技術を利用してもらうことでネオジムというレアアースを大事に使っていこうという意思の現れだと感じるところ。レアアース、レアメタルの類は一社だけが使用量を減らしても他社が使ってしまっては供給が滞るわけで、足並みを揃えるとまでは言わなくとも、グローバル的に「大事に使っていく」マインドを高めるしかなく、そのためには使用量を抑制できる技術をオープンにすることは必要なわけです。

もちろん、パテント料で稼ぐという面もあるでしょうが、トヨタの売上を考えるとパテント料が大きな収益源になるとも思えません。おそらく、そのモチベーションは、駆動モーターのコストダウンよりも電動車両の安定供給を可能とするための”仲間づくり”が可能になるような魅力的な技術を示すことにあるのだろう、と感じた次第であります、ハイ。
ネオジム磁石に関する発表ということしか示されていなかった発表会前に「ネオジムの量を減らしても熱減磁に強い磁石が作れましたという話でしょ」と予想はしていましたが、その手法が段階的に導かれていた(過去に特許取得済み)というのは、自身のウォッチ不足を恥じる次第であります(汗)

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日産のPVが示す自動運転レベル5が実現した世界

駐車場がなくても無人で”流して”いれば問題ないのが自動運転
日産とディー・エヌ・エーが無人運転車両を活用した共同開発中の新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を開始を発表。合わせて理想の世界をイメージさせるPV(プロモーションムービー)を公開しております。
2分半足らずのPV内では、空港まで無人走行で迎えに来てくれ、自動運転をエマージェンシーストップさせる判断力がないであろう子供だけが利用し、また駐車場がないシチュエーションでは無人走行で時間をつぶすことさえできる(もしかすると、短距離ユースをこなすことも可能?)というシーンが連続して流れ、まさにレベル5の無人運転が可能になった世界が生み出すモビリティの価値を示しているよう。

その利便性はもちろんですが、無人運転の生み出すビジネスチャンスもいろいろ考えてしまう2分半。本当に濃いPVであります、ハイ。







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【再掲載】スバルの次世代プラットフォームは、四輪駆動を条件としている唯一の存在?

※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスがあります。そこに過去寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所があるほか、名称なども掲載当時のママとなっておりますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
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2016年秋の次期インプレッサに触れる。後席は広く、トランクも使いやすい
2016年のニューヨークオートショーにて世界初公開されたスバル・インプレッサの次期モデルが日本でも公開された。ニューヨークなど海外ショーに行くだけの甲斐性がない自分のようなフリーランスにとってはありがたい機会であり、また国内でのプロモーションが始まったという見方もできよう。

とはいえ、現時点ではエンジン(だけとは限らない…?)などのパワートレインについては未発表。量産前の試作と思われる車両はアイサイトを備えていないなど、あくまでもルックスと内装のクオリティを肌で感じるためのサンプルといった位置づけと思われる。

六角形のグリルや、踏ん張り感を表現するヘッドライトが、いかにも最新のスバルらしい印象の次期インプレッサは、全長やホイールベースが伸び、後席パッセンジャーのことも十分に考慮したセダンとして進化したように見える。そこで、この貴重な機会を活かして、まずは後席の座り心地を確認することにした。

前席からヒザまでのスペースにも余裕があり、頭上のクリアランスも十分。さらにAWDのはずなのに、センタートンネルの盛り上がりがジャマに感じないのにも驚かされる。後席の2人掛けも試してみたが、カップルディスタンスも余裕たっぷり(3人掛けだから当たり前かもしれないが)で、もっとクラスが上のショーファードリブン系サルーンを思わせる。そのままトランクリッドを開け、ラゲッジスペースを確認してみると、こちらも想像以上に広い。中だけでなく間口が大きく取られているので、積み下ろしもしやすそうだ。

それにしても、このパッケージングをプロペラシャフトやリアデフの必要となる四輪駆動で成立させているというのは、あらためて驚きだ。富士重工業は、この次期インプレッサから新しい「スバル・グローバル・プラットフォーム」と呼ばれる基本設計を採用しているが、スバルのコア・テクノロジーである「シンメトリカルAWD(左右対称・四輪駆動)」を大前提として生まれたプラットフォームだからこそ実現できたといえそうだ。ここ最近、生産性やバリエーションの多様化を考慮した新世代プラットフォームが各社から登場しているが、そのほとんどはFWD(前輪駆動)を基本に、バリエーションとして四輪駆動も設定できるというものが多い。

おそらく「スバル・グローバル・プラットフォーム」は、四輪駆動であることを大前提とした唯一の存在であろう。そのアドバンテージは、まずは後席とラゲッジスペースの余裕に実感できた。


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