クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

2017年11月

400万円のヴィッツ、1.8リッターSCで最大トルク250Nm

1.8リッタースーパーチャージャーエンジン、6速MT、フロント4ポットキャリパー、3ドアボディ、そして150台限定……
20171121_01_02_s
ヴィッツGRMNは、GAZOO Racing Companyが手がけるトヨタのスポーツカーシリーズ「GR」の頂点に立つ数量限定モデルで、「モータースポーツからの還元」をコンセプトに世界一過酷とされるドイツ・ニュルブルクリンクでのテスト走行や、全日本ラリーに参戦しているヴィッツからの知見を盛り込んで開発した。
というわけで、トヨタのガズーレーシング・カンパニーからスポーツコンバージョンを中心とした新生GRシリーズが誕生。その頂点に立つモデルとして「ヴィッツGRMN」の詳細が正式発表されております。

日本のレギュラーモデルには存在しない3ドアボディに、1.8リッターエンジン(2ZR)を搭載。そこにスーパーチャージャーを加えることで最高出力156kW(212PS)/6,800rpm、最大トルク250Nm(25.5kg-m)/4,800rpmを達成。変速比幅5.05と割合に接近したギア比の6速MTを介してフロントタイヤを駆動するといった仕様。スリット入りローター、対向4ポットキャリパーといったブレーキシステムも気になるところ。
20171121_01_08_s

ボディカラーはホワイトのみ、販売台数も150台限定、メーカー希望小売価格は税込み400万円と、正直なところユーザーを選ぶ一台ではありましょう。もっとも、その希少性と、ピンポイントで刺さるであろうスペックを考えれば、即完売でありましょう。ちなみに、商談申し込み期間は2018年4月9日~5月13日。150台を超す申し込みがあった場合は5月21日に抽選だそうであります。

モータースポーツからのフィードバックという視点でいえばヴィッツ(欧州名:ヤリス)についてはWRCマシンとのつながりを期待したいところですが、今回のリリースを見る限りは「全日本ラリーマシン」との関連性を示すのみ。逆に、このくらいの仕様ではWRCからのフィードバックとは言えないと作り手が考えているのだすれば、WRCマシンの使う1.6リッターターボのディチューン版を積んだような、そして空力を盛り込んだワイドボディの、より過激な市販車を妄想したくなるわけですが、さて?


こちら「GRのすべて」では、開発統括部ZR主査のインタビューなどを寄稿しておりますが、新たにマーケットインの思想を意識し始めたというGRカンパニーでありますから、WRCとの関係性を求める”シジョウノコエ”にも反応してくれると思うのですが…(汗)



精進します。
  




人気ブログランキング
 

新型シビック、基本的に同じエンジンと言うけれどフィーリングがずいぶん違う

ハイオクとレギュラーの違いか? MTとCVTの違いか? それとも……
IMG_7912
新型シビックでは、いわゆる標準車(非タイプR)にハッチバック(CVT/6MT)とセダン(CVT)がラインナップされております。いずれも1.5リッターの直噴ターボエンジンを搭載するわけですが、そのカタログスペックを眺めていると意外な違いに気付くのでありました。

それは、エンジン型式。ハッチバックがL15C、セダンがL15Bとなっているのです。

ハイオク仕様となるハッチバックとレギュラー仕様のセダンを、同じCVTで比べるとハッチバックの最高出力が7kWほど上がっていますが、最大トルクのピークは同じスペック。それでいて、エンジン型式が異なるというのは気になるところ。過去に遡ると、タイプR用、非タイプR用とも2.0リッターエンジンの型式がK20Aだった時代もありますから。

気になったので、ホンダのエンジニア氏(ただしエンジンは専門外)に伺ったところ基本的には同じエンジンで、ターボチャージャーも同一ユニットというのが回答。現時点での印象ではL15C(MT用)はL15Bに比べて、ちょっと大きなハイフロータービンを付けたようなフィーリングを感じたのでありますが、そのあたりは制御の違いに由来しているのでありましょう、おそらく(汗)






精進します。
  




人気ブログランキング

旧世代V6のファイナルバージョンが「8GR」、新世代V6は名前の付け方も一新の「V35A」

レクサス(トヨタ)の新開発V6エンジンはV8エンジンのダウンサイジングターボ。総排気量は3444cc、電動ウエストゲートのツインターボで最高出力310kW(422PS)/6000rpm、最大トルク600Nm(61.2kg-m)/1600~4800rpm
いろいろ見方はありましょうが、レクサスのフラッグシップとなるLSがフルモデルチェンジを機にローンチさせたブランニューエンジンが、従来のV8エンジンの替わりとなる3.5リッターV6ツインターボ。その型式は「V35A-FTS」なるもので、ブロックのネーミングルールが従来から変わったことが、それだけで新世代エンジンとしての気合を感じさせる力作。とはいえ、後半のアルファベットは従来ルールに基いているといえそうで、直噴(実際には直噴+ポートのD-4S)とターボであることを示していると感じる次第。
V35A-FTS
そしてハイブリッド版の3.5リッターエンジンは、従来から主力ユニットとなっているGR系の集大成をイメージさせる型式名となる「8GR-FXS」。後半のアルファベットから、もろもろハイブリッド用エンジンという雰囲気を感じるのは従来通りであります。

では、旧世代のGR系と新世代のV#A系では何が異なるかといえば、まさにブロックのプロフィールがまったく違うのであります。

V35A
ボア×ストローク:85.5mm×100.0mm
総排気量:3444cc

8GR
ボア×ストローク:94.0mm×83.0mm
総排気量:3456cc


新世代のエンジンはロングストローク、旧世代はショートストローク。逆にいえば、新世代は小径ボアで、旧世代は大径ボア。同じクラスの排気量をターゲットにしているので、その違いはわかりやすく、V35Aのプロフィールが、いかにもイマドキな感じなのは10余年の年の差を感じるばかり、であります(汗)
過去の事例を考えると「V35A」は、LS専用エンジンとはならず、排気量違いや過給の有無などバリエーションを増やしつつ、他モデルにも展開するでありましょう。こうしてV6エンジンを入れ替えるということは、その開発費を考えると6気筒エンジンについても10年以上アップデートしつつ、使い続けるであろうことが予想されるわけですが、さて?

そして、ボア×ストロークが85.5mmのスクエアな3.0リッター版なども想像してしまうのでありました……。
 
精進します。
  




人気ブログランキング

シビック・ハッチバック、1.5リッター直噴ターボのエンジンサウンド

ブレーキが奥目で、ヒール・アンド・トゥしやすいのが新型シビックの美点
先日、新型シビック1.5リッターターボハッチバックのMT車に乗ってみたのですが、スポーツドライビングを楽しむためのホットハッチ的なキャラクターとして、好印象だったのは「ヒール・アンド・トゥがしやすい」こと。

といっても、新型シビックタイプRのようにシフトダウン時にエンジン回転数を自動的に合わせるレブマッチシステムが付いているわけではないので、ブレーキ操作だけでシフトダウンできるというわけではありません。いや、だからこそドライバーがコントロールしているという趣味性の部分でヒール・アンド・トゥの操作性に優れているのは美点でありましょう、ホットハッチとしては。

その理由としてはブレーキが奥目で効いてくるキャラクターになっていることが有効。踏力ではなく、ストローク量によって効きをコントロールできるので、グッと踏み込んだところでアクセルペダルをあおるといった操作がスムースな印象なのでありました。とくにワインディングロードで使うであろう3速から2速のシフトダウンもしやすいトランスミッションという印象でありましたし。

なによりエンジンサウンドが適度にコクピットに入ってくるので、タコメーターを凝視していなくともエンジン回転を把握しやすいというのがコントロールしやすさと、ドライバーの気分を盛り上げるという両面において、シビックらしさを演出しているとは感じるところですが、さて?
 

 
というわけで、コクピットで録音したエンジンサウンドを参考までに公開。レコーダーの位置が悪かったので、衣擦れのノイズが入っているのはご容赦くださいませ(汗)

精進します。
  




人気ブログランキング

スバル・レガシィがD型にビッグマイチェン。しかしツーリングアシストは付かず…

フラッグシップ機だからこそ、コア・テクノロジーにおいては最新であって欲しい
_AK10958
2.5リッターエンジンのAWDパワートレインだけを設定するミドルサイズのサルーン「スバル・レガシィB4」。先日、ビッグマイナーチェンジを受けたD型にちょい乗りして、同社のフラッグシップモデルとしての価値や、新世代プラットフォームに劣らないシャシーの仕上がりなどを感じることがあったのですが、ちょっと不満なのはレヴォーグやWRX S4が手に入れた新機能「アイサイト・ツーリングアシスト」が設定されていないこと。

いまや水平対向エンジンとシンメトリカルAWDというコア・テクノロジーについては当然のように全スバル車に与えられているわけで、フラッグシップとしての矜持を示すのは、もうひとつのコア・テクノロジーである「アイサイト」であろうと思うだけに、今回のビッグマイチェンで低速域での操舵アシストがつかなかったのは残念。

その理由として、ステレオカメラを利用する「アダプティブ・ドライビングビーム」と「アイサイト・ツーリングアシスト」は回路のキャパシティの理由から共存できないという都合があることは理解していますが……(だから、レヴォーグとWRX S4はオートハイビームの設定で、その制御のために”第三のカメラ”を使っていたりするのでした)。

そして、先入観のせいかもしれませんが、高速域でのステアリングアシストが若干曖昧な印象だったのもフラッグシップとしては残念なところ。もっともテストコース内メーター読み120km/hでの話ですから、いま時点での日本においてはギリギリ使わない領域ではあるのですが(汗)

精進します。
  




人気ブログランキング
 

初期受注で12000台を超えたという新型シビック、素のMT車に乗ってみた

新型シビックのおよそ半分がハッチバック、そのうち35%が6MTという…
ハイオク仕様の1.5リッター直噴ターボに、変速比幅5.3の6速MTを組み合わせたシビック・ハッチバックが売れています。初期受注で2000台を超えるほどで、タイプRの約3000台には及びませんが、このセグメントのMTを待ち望んでいたファンは少なくなかった模様。

そんな新型シビック・ハッチバック”6MT”に試乗。エンジンの最大トルク240Nmからすると、2.4リッター級といえるもので、ホンダでいえばK24型エンジンのダウンサイジングターボといえますから、先代の北米仕様を基準にすると「Siの再来」といえるわけで、2017年のシビックSiと考えると、たしかに納得できる乗り味でもありました。

スポーツ一辺倒というわけではなく、あくまでも日常使いを基本としたスポーティという味付け。それでいて、ライントレース性は優れていますし、乗り心地とのバランスも絶妙。スポーティなクルマだから…というエクスキューズなく、日々の生活に使えるフレキシビリティを感じた、というのがその一面を示しているといえましょうか。
FK7_Front



素性としては非常にオーソドックスなFWD車というのが第一印象。それでも電子制御が効いているのか、少々ダイレクト感に欠けるところが、ニッポン的なシビック観には沿っていない印象もあり。

それが「グローバル化」ということなのかもしれません(汗)

乗り心地がよくて、ハンドリングも期待通りの結果を出しているのですから不満を覚える必要はないと思いつつ、どこか他人行儀に感じてしまう部分が気になったのであります、ハイ。

精進します。
  




人気ブログランキング
記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ