クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

2017年10月

世界初公開、長さの変わるサスペンションアームは今回の最注目アイテム #TMS2017

トレッドやキャンバー変化の制御が自由自在な可変長サスペンションアームはボールねじを売るための提案!?
IMG_7096
いよいよ第45回 東京モーターショーが始まりました。ひとまずプレスデー初日に、ほぼ全部のブースを廻ってみて、もっとも印象に残ったのは、美しいコンセプトカーでなければ、新しいパワートレインでもなければ、自動運転技術でもありません。

今回のモーターショーにおける、個人的な最注目展示は、日本精工(NSK)の「バリオリンク サスペンション」なのでありました。同社が得意としているボールねじとモーターを組み合わせることで、走行中に自在にサスペンションアームの長さを変えてしまおうという、このまったく新しいフットワークシステムは、プロトタイプだけあって、非常にゴツくできていますが、5本のアームによってトレッド、キャンバー、トーといったディメンションをリニアに、そして精密に変化させることができるというもの。

人間が運転することを考えると、ジオメトリーがリニアに変化するのは操作が難しくなるだけで、サーキットなどでで位置情報と車速などから最適化するようなシチュエーション以外では、あまりポジティブな機能とはいえないかもしれません。しかし、これから自動運転が進んでいけば、車両の姿勢などのターゲットに対してAIがクルマというハードウェアをコントロールする時代になるはずで、そうなったときに、こうした制御が可能なことはアドバンテージとして効いてくると思うわけです。

しかも、この展示はひと目でわかるようにインホイールモーターを前提としております。左右で舵角や駆動力をバラバラかつ緻密にコントロールできるわけですから、そもそも人間の手足だけで操作しきれる類のシャシーは想定していないという見方もできるかもしれませんから……。

 

ちなみに、これだけのサスペンションシステムを提示しておりますが、NSKとしてはシステムとしてビジネスするのではなく、こうしたシステムを採用するメーカー(or ティア1)に対してボールねじを売るための提案だったりするのは興味深いところ。だからこそ、モーターショーにおける部品メーカーのブースというのは面白いのかもしれません。

今回の東京モーターショーに訪れる機会があるならば、ぜひNSKブースで「バイオリンク サスペンション」の動きを、ぜひともチェックしてみていただきたいと思う次第でありました。

精進します。
  




人気ブログランキング

ホンダのDNAとAI技術を搭載したEVコンセプトカーが日本凱旋 #TMS2017

ルックスより中身が気になるホンダの次世代EVコンセプト「Honda Urban EV Concept」
第45回 東京モーターショーのホンダ・ブースは電動化祭りになりそうですが、おそらく主役になるであろう世界初公開のコンセプトカー「Honda Sports EV Concept」はもちろん、フランクフルトモーターショーで発表済みの「Honda Urban EV Concept」のジャパンプレミアも注目といえそう。

初代シビックやN360のヘリテージを感じさせ、そしてN-ONEの次期型を示しているともいえそうなルックスはさておき、気になるのはこのコンセプトカーが『新開発のEV専用プラットフォームを採用』していること。一台限りのコンセプトカーではなく、バッテリーやモーターのレイアウトは今後のホンダEVを占う上で重要な情報となるはずで、どこまで情報公開するのか気になるところ。

さらに、AI技術を搭載することで『人に、暮らしに、寄り添うスモールカー』としているのも注目点。2017年のCESでは、『感情エンジン HANA』を搭載したEVコミューターのコンセプトカー「Honda NeuV(ニューヴィー)」を発表しておりますが、東京モーターショーに飾る「Honda Urban EV Concept」にもHANA(Honda Automated Network Assistant)を搭載していることは公になっている事実で、日進月歩のAI技術をどのような方向で進化させているのか、また市販モデル搭載にあたり現実的なコストで実現するための工夫をしているのか、あらためて気になるのでありました。

精進します。
  




人気ブログランキング
 

軽くて省燃費な横浜ゴムの新タイヤ『BluEarth-air EF21』を初披露 #TMS2017

軽量エコタイヤの開発サイズ は205/55R16 91V。はたしてターゲットは?
第45回 東京モーターショーにおいて、横浜ゴムが、最新の軽量設計技術を採用した市販前提のニュータイヤ「BluEarth-air EF21」を発表するとアナウンス。軽量で薄くかつ高剛性な構造を実現し、質量において約25%ほど軽くしているというのがアピールポイントのエコタイヤであります。
2017102415tr001_2
その開発サイズは、205/55R16 91V。このサイズをみると、86/BRZレース専用タイヤを思い出してしまうのですが、ブルーアースというエコタイヤ・ブランドでありますから、もちろんスポーツラジアルと同じターゲットというわけではなく。おそらく日産リーフ(新旧モデルとも16インチは、このサイズ)で開発したタイヤということなのでありましょう。

それにしても、タイミング的に新型リーフに履かせて展示するのはイメージ的にどうかと思うところもありますが、果たしてモーターショーのブースでは、どのような展示になっているのでありましょうか(汗)

精進します。
  




人気ブログランキング
 

車重1425kg、シンプルに走りを追求したポルシェ911カレラT。日本仕様にMTなし

3.0リッター水平対向6気筒ターボとクロスミッションを組み合わせた2シーター911
ポルシェが初代911で用意していた、スポーツグレード「911カレラT」を復活。
最高出力272kW(370PS)の水平対向6気筒ターボエンジンはベースとなる911カレラと同様ながら、ショートストローク・クロスレシオの7速MTと組み合わせたり、後席をオプションとしたりといった変更により、素の911におけるパフォーマンスを追求したグレードといったキャラクター付け。

911カレラ Tの装備は、あらゆる面で最適なスポーツ性と軽量構造を実現するために設計されています。リアウインドウとリアサイドウインドウは軽量ガラス製で、ドアトリムにはドアオープナーストラップを採用しています。吸音材を大幅に削減し、リアシートはオプション装備となり、さらにはポルシェコミュニケーションマネージメント(PCM)なしのオプションも用意されています。その結果、この2シーターの空車重量は1,425kgとなり、同等の装備の911カレラより20kg軽量です。 
そのイメージムービーを見ていると、絶対的な速度ではないところで、走りを楽しめるという演出となっております。が、初代911カレラTと比べると明らかに肥大化したボディは、狭いワインディングロードで持て余すといった印象も受けてしまうのでありました(汗)

ちなみに、日本仕様ではMTは用意されないということですが、パフォーマンスを求めるのではなく、ドライビングを楽しむためのグレードと考えると、2ペダル(PDK)だけの設定というのは、どこかナンセンスに感じるわけですが、さて?

精進します。
  




人気ブログランキング

トヨタのタクシー専用車「JPN TAXI」発売開始、フェンダーミラーとスライドドア

トヨタのタクシー専用車は1.5リッターLPGハイブリッドの前輪駆動車
20171023_01_05
思えば、2013年の東京モーターショーにて、その開発が公となったトヨタのタクシー専用車がついにローンチ。その名は「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」、間もなく開幕する東京モーターショーでは、ついに公道を走るというフェイズになっていくことが期待される次世代タクシーのリアルであります。
高床タイプのスライドドアというのは、将来的に同一プラットフォームでの多彩なパワートレインを想像させるわけですが、ひとまずは1.5リッターLPGエンジンを用いたTHS2という、新しくもあり、ある意味で枯れたシステムを搭載。すでにプリウスのタクシーも多く見かけることを考えると、その信頼性は充分なものといえるのでありましょう。
20171023_01_08_s
jpnt1710_22_s
それにしても、THS2を使うということはプロペラシャフトで後輪を駆動するという選択肢はなく、4WDにするにはリア駆動モーターを用いるという手段になるのでしょうが、はたして4WD仕様が登場するのかどうか。降雪地帯での使用を考えると4WDへのニーズはあるでしょうが、いまどきの電子制御とスタッドレスタイヤがあれば、問題ないといえるのかもしれません。なにしろ、従来のタクシー専用車の基本設計を考えれば、あのシャシーで運用してきたわけですから……(汗)

精進します。
  




人気ブログランキング
 

ホンダの電気式アクチュエーターでブーストコントロールは自由自在

ホンダが電気式アクチュエーター採用を拡大中。ブーストコントローラー不要の時代?
S07B_Turbo
画像では見づらいのですが、こちらはホンダN-BOX(ターボ)のエンジンルーム。すでに登録車で幅広く搭載している1.5リッターVTECターボと同様に、ターボチャージャーのウエストゲートを制御するアクチュエーターが電気式になっております。多く使われている空気圧で作動するタイプのアクチュエーターとくらべて、制御の精度とリニアリティに有利というのが、電気式アクチュエーターの特徴。

大昔のターボエンジンではアクチュエーターには直接、ホースが刺さっていて一定以上の圧になるとウエストゲートバルブを開くことで過給圧の上限を決めていたわけで、そのホースになんらかの可変バルブ機構を加えることで過給圧をあげようというのが初期のブーストコントローラー。

そして、純正状態でもソレノイドバルブなどを介在させることで過給圧を制御しようという時代になり、そうなるとブーストコントローラーを使わずとも、ECUチューンやサブコンのようなアイテムで過給圧を上げることができるようになってきたのでありました。もちろん、ビッグタービンに交換することを考えると、高機能なブーストコントローラーが必要なのではありますが……。

そして、いまや軽自動車(N-BOX)においても電気式アクチュエーターが採用される時代。単純なブーストコントロールだけでなく、スロットルバルブと連携した制御によってポンピングロスを低減したり、ターゲットトルクに合わせて過給圧を調整したりとエンジンコントロールの幅が広がるのはメーカー的なメリットでありますが、チューニング視点でいえばECUチューンによる可能性も広がっていくといえそう。

もっとも、そのためにはブーストコントロールの領域も解析しないといけないので開発工数が増えてしまうという諸刃の剣であり、純正ソレノイドバルブに擬似信号を送って制御するほうがコストパフォーマンス的には有利だったという話になってしまうかもしれませんが(汗)


精進します。
  




人気ブログランキング
 
記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ