トレッドやキャンバー変化の制御が自由自在な可変長サスペンションアームはボールねじを売るための提案!?
いよいよ第45回 東京モーターショーが始まりました。ひとまずプレスデー初日に、ほぼ全部のブースを廻ってみて、もっとも印象に残ったのは、美しいコンセプトカーでなければ、新しいパワートレインでもなければ、自動運転技術でもありません。
今回のモーターショーにおける、個人的な最注目展示は、日本精工(NSK)の「バリオリンク サスペンション」なのでありました。同社が得意としているボールねじとモーターを組み合わせることで、走行中に自在にサスペンションアームの長さを変えてしまおうという、このまったく新しいフットワークシステムは、プロトタイプだけあって、非常にゴツくできていますが、5本のアームによってトレッド、キャンバー、トーといったディメンションをリニアに、そして精密に変化させることができるというもの。
人間が運転することを考えると、ジオメトリーがリニアに変化するのは操作が難しくなるだけで、サーキットなどでで位置情報と車速などから最適化するようなシチュエーション以外では、あまりポジティブな機能とはいえないかもしれません。しかし、これから自動運転が進んでいけば、車両の姿勢などのターゲットに対してAIがクルマというハードウェアをコントロールする時代になるはずで、そうなったときに、こうした制御が可能なことはアドバンテージとして効いてくると思うわけです。
しかも、この展示はひと目でわかるようにインホイールモーターを前提としております。左右で舵角や駆動力をバラバラかつ緻密にコントロールできるわけですから、そもそも人間の手足だけで操作しきれる類のシャシーは想定していないという見方もできるかもしれませんから……。
ちなみに、これだけのサスペンションシステムを提示しておりますが、NSKとしてはシステムとしてビジネスするのではなく、こうしたシステムを採用するメーカー(or ティア1)に対してボールねじを売るための提案だったりするのは興味深いところ。だからこそ、モーターショーにおける部品メーカーのブースというのは面白いのかもしれません。
今回の東京モーターショーに訪れる機会があるならば、ぜひNSKブースで「バイオリンク サスペンション」の動きを、ぜひともチェックしてみていただきたいと思う次第でありました。
精進します。
いよいよ第45回 東京モーターショーが始まりました。ひとまずプレスデー初日に、ほぼ全部のブースを廻ってみて、もっとも印象に残ったのは、美しいコンセプトカーでなければ、新しいパワートレインでもなければ、自動運転技術でもありません。
今回のモーターショーにおける、個人的な最注目展示は、日本精工(NSK)の「バリオリンク サスペンション」なのでありました。同社が得意としているボールねじとモーターを組み合わせることで、走行中に自在にサスペンションアームの長さを変えてしまおうという、このまったく新しいフットワークシステムは、プロトタイプだけあって、非常にゴツくできていますが、5本のアームによってトレッド、キャンバー、トーといったディメンションをリニアに、そして精密に変化させることができるというもの。
人間が運転することを考えると、ジオメトリーがリニアに変化するのは操作が難しくなるだけで、サーキットなどでで位置情報と車速などから最適化するようなシチュエーション以外では、あまりポジティブな機能とはいえないかもしれません。しかし、これから自動運転が進んでいけば、車両の姿勢などのターゲットに対してAIがクルマというハードウェアをコントロールする時代になるはずで、そうなったときに、こうした制御が可能なことはアドバンテージとして効いてくると思うわけです。
しかも、この展示はひと目でわかるようにインホイールモーターを前提としております。左右で舵角や駆動力をバラバラかつ緻密にコントロールできるわけですから、そもそも人間の手足だけで操作しきれる類のシャシーは想定していないという見方もできるかもしれませんから……。
ちなみに、これだけのサスペンションシステムを提示しておりますが、NSKとしてはシステムとしてビジネスするのではなく、こうしたシステムを採用するメーカー(or ティア1)に対してボールねじを売るための提案だったりするのは興味深いところ。だからこそ、モーターショーにおける部品メーカーのブースというのは面白いのかもしれません。
今回の東京モーターショーに訪れる機会があるならば、ぜひNSKブースで「バイオリンク サスペンション」の動きを、ぜひともチェックしてみていただきたいと思う次第でありました。
精進します。