クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします
二輪・四輪にかかわらずパーソナルモビリティが、どのように変わっていくかを考察します

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2017年10月

魁!! マツダ塾 in 東京モーターショー、なんちゃって(汗)

SKYACTIVとは、安芸の国に古くから伝わる技術指針「空動」を現代的解釈によって蘇らせたものである。その純度の高さから、他者には真似の出来ない一子相伝の技術と言われている。現在では向洋に道場があるとされているが、そこに潜入して生きて帰ってきたものはいない……
~『空動概論』(民明書房)より~
といった具合のパロディが頭に浮かんでしまったのは、東京モーターショー随一といえる美しい面を持つコンセプトカーが、マツダ「魁(カイ)」を眺めているときのこと。フロントマスクなど基本的には魂動デザインを守っていながら、ほぼキャラクターラインをなくしたサイド面とアグレッシブなフロントマスクのコンビネーションは、スタイルとアクの強さをバランスよく表現したスタイリングと感じるのでありました。そして、そのフロントノーズ内には、まったく新しい燃焼方式SPCCIを採用した「SKYACTIV-X」エンジンを搭載しているというのも、またコンセプトカーとしてのバランス感(デザインスタディと技術ショーケースのバランスとして)に優れていると感じるところ。

「さきがけ」ではなく「かい」と読む。マツダのデザインスタディは魂動がステップアップしたカタチ
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コンセプトカーの成り立ちとしては、遠からず出てくる市販車の、デザインスケッチをそのまま実車サイズで再現したと表現するのが適切かもしれませんが。いずれにしても、まだまだマツダは魂動デザインを着実に進化させていくという宣言をしたと理解すればいいのでしょう、おそらく。

それにしても、この路線でスタイルを統一していく限り、コンパクトカーで主流になるのは難しいと感じるのは、自分だけでしょうか。少なくとも国内コンパクトカー市場のニーズや販売店の維持を考えると、魂動と離れたモデルを投入すべきではと思うわけです、他社OEMでもいいので。


精進します。
  




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三菱「e-エボリューション」は3モーターの電動AWD、左右独立モーターの後輪でヨーコントロール

ランエボで追求した四輪制御の理想像が、電動化によって完成する!
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第45回 東京モーターショーにおける三菱自動車ブースの主役は、紛れもなく『MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT』。世界初公開された、このクロスオーバーモデルは3つのモーターを持つ電動4WDの駆動系を持っているのが最大の特徴でありましょう。
フロントに1機のモーターと、リヤに新開発の「デュアルモーターAYC」*1で構成するトリプルモーター方式の4WDシステムに、三菱自動車が誇る車両運動統合制御システム「S-AWC」*2を適用しました。また、ブレーキキャリパーも電動化させることで、四輪の駆動力・制動力を高応答・高精度で制御し、旋回性能とトラクション性能を大幅に向上させました。EVならではの精度が高くレスポンスのよい制御により、前後G・横Gが小さい領域から効果を発揮し、日常走行からスポーツドライビングまで全ての領域で、クルマとの一体感がある安全で快適なドライビングを可能とします。
 *1・・・Active Yaw Control の略。
 *2・・・Super All Wheel Control の略。
左右のトルクベクタリング(トルク移動)により、駆動力によってヨーコントロールを自在に行なうというのが、三菱がランサーエボリューションにおいて実現、ブラッシュアップしてきた独自技術といえますが、まさに電動化がその理想的な制御を可能にしたというわけ。さらにブレーキまで電動化というのが、いかにも三菱のコンセプトカーらしいところでは?

後輪を左右独立モーターで駆動することによるトルクベクタリングというのは、すでにホンダ・レジェンドにおいて実現している技術ではあります。多板クラッチを用いたデフの時代から、この分野において激しく競争しているSH-AWD(ホンダ)とAYC(三菱)は、いずれも電気駆動になっても積み重ねてきたノウハウを活かしているというのは、なんとも印象的。電動化による自由度が高まったことが理想を追求しやすくなっているであろうことは想像できるのですが、エンジニア氏のリアルな実感を聞いてみたいと思ったりするところでもあります、ハイ。

三菱の電気エボリューションコンセプト、ブレーキが寂しい(汗)

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ただ、電動ブレーキが片押しキャリパーに見えるのは、ショーモデルとしては少々寂しく感じてみたり(汗)


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曙のMR流体ブレーキを東京モーターショーで体感 #TMS2017

サスペンションに使われているのと同じMR流体(磁性流体)を用いた「汚れないブレーキシステム」
モーターショーの華といえばエンジニアやデザイナーの夢を叶えたコンセプトカー、ショーモデルといえるでしょうが、パーツメーカー(サプライヤー)のブースで見かけるエンジニアの夢を具体化した部品の数々は、華につながる種といえる存在では?

というわけで、その将来性が気になった新パーツのひとつが、曙ブレーキのブースに飾られていた「MR流体ブレーキ」であります。ドラムブレーキが一回り大きくなったようなブレーキシステムの中には、磁性流体が入れられ、電磁石を作動させることにより、流体が粘るようになり、その抵抗を利用して制動させようというシステムの提案。その体験用展示は、画像にあるようMR流体ブレーキにペダルを付けたというシンプルなもの。実際にペダルを漕ぎながら、電磁石を作動させることで制動を生んでいるのを体感できるほか、電子制御ならではの細かいABSモードなどを足で感じることができるという展示であります。
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密閉されたシステムでありますので、ブレーキダストが出ることはなく、またほとんど消耗することも ないというのが、このブレーキシステムのメリット。つまり、カーシェアリングのようなメンテナンスやクリーニングの手間(コスト)を省きたいという用途にはピッタリのソリューションと感じるわけです。ただし、運動エネルギーを熱エネルギーに変換することで減速させるという部分では従来のメカブレーキと同様で、発熱はあるそうなので、レイアウトの自由度を高めるというわけにはいかなさそう。

ちなみにMR流体といえば、「マグネティックライド」などダンパーの減衰力調整機構にも使われているものですが、このブレーキで使っているMR流体はダンパーで用いられているものと基本的には同じということ。つまり市販車に搭載する際のコストや、耐久性・信頼性などについてはそこそこクリアしているといえそうですが、さて?

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精進します。
  




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ダイハツ・ハイゼットの台形グリルが持つ、いかにもな道具感 #TMS2017

ご長寿モデルの商用バン、ダイハツ・ハイゼットがマイナーチェンジを予告
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 東京モーターショーで輝くスター的クルマといえば、ステージ上で回転台に載せられた各メーカーのコンセプトカーなのかもしれませんが、フロアに直置きされた市販モデルに触れることができるのを楽しみにしている向きもあるのでは?

そうした市販モデル群の中には、声高にアピールすることなくマイナーチェンジやグレード追加を示す個体も少なからず存在しております。

そんな一台が、ダイハツ・ブースに置かれていたハイゼットカーゴ(バン)。オールドファン的には「レイトンハウスカラー」と想起させるであろうヴィヴィッドなボディカラーに、ディスコンになってしまったタント・エグゼカスタムを思い出すフロントグリルや、ミライース的なヘッドライトを与えられたフェイスリフト版といえそう。

そして、東京モーターショーに展示するにもかかわらず、スチールホイールを履いているのが、いかにも登場間近! といった風情を漂わせているのでありました(汗)

精進します。
  




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SKYACTIV-Xエンジンと、新しいハッチバックのデザインスタディ #TMS2017

2017年の東京モーターショー、自動車メーカーブースでは数少ない未来のエンジンを展示したのはマツダSKYACTIV-X
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2017年の東京モーターショーでは、ハッチバックとクーペという2台のデザインスタディを展示したマツダ。しかして、やはり注目はブースの壁際に置かれている新しい燃焼方式といえるSpark Controlled Compression Ignition(火花点火制御圧縮着火)式のガソリンエンジン「SKYACTIV-X」でありましょう。触ることはできませんが、間近にすることで見えてくるものは少なくありません。

注目は、コモンレールシステム、ジェネレーターの振り子式テンショナー、ベルト駆動の機械式スーパーチャージャー、水冷式インタークーラー、吸排気のVTCユニット、大きめに見えるEGRクーラーといったところでしょうか。また、俯瞰気味に眺めてみると、吸気が2系統に分かれているのも見つけられるはずで、なるほど~と思う部分多数であります。

そして、かなり凝ったエンジンに見えますが、同じ2.0リッターのクリーンディーゼルと比べるとコスト的には安く抑えることができるというのも見逃せないところ。ガソリンエンジンからもディーゼルエンジンからも脱却して、ガソリンを使った別のエンジンを生み出すといった強い意思を、その展示から感じてしまうのですが、さて?


とはいえ、現時点では小排気量化を進めることは難しいという見解のようで、SKYACTIV-D(ディーゼル)が1.5リッターもラインナップしてデミオにまで水平展開したようにはいかない模様。

純粋にメカニズムへの興味から、このエンジンを搭載した商品への物欲が湧きつつあるのですが、はたして売価としては、どのくらいの価格帯になるのかどうか。機構からするとフルハイブリッドよりはお安めを期待してしまうのですが……。


精進します。
  




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東京ビッグサイトの端と端にあった、同じクルマの2つの姿 #TMS2017

ホンダS660の特別仕様車”木漏れ日エディション”、大は東で、小は西
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ホンダが東京モーターショーのタイミングで発表したS660の特別仕様車「コモレビ エディション」は、専用色の「ヒダマリアイボリー・パール」とブラウンのキャンバストップのコンビネーションが洒落た雰囲気を醸し出している一台。CVTだけの設定というのも、その世界観を示しているようで、オープンドライブを楽しむために選ぶといったイメージ。
その実車はホンダのブースがある東7ホールにて確認できるわけですが、その真反対といえる西4ホールでも、コモレビ エディションは展示されているのでした。置かれているのは、トミカブース。そう、トミカをベースに特別カラー仕様が作られ、ディスプレイされていたのです。トミカの常で車両ごとにスケールが異なるため、カブとのツーショットがちょっと違和感なのはご愛嬌でしょうか(汗)
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残念ながら非売品のようですが、せっかくですから実車とトミカのセット販売なんてプロモーションがあったらいいのにな、などと妄想してみたり……。

精進します。
  




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