クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2017年05月

吸気は直列、排気は並列。FEV「ミックス シーケンシャル 2段過給コンセプト」とは?

FEVのミックス2段過給システム。コンプレッサーは直列、タービンは並列!
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2017年の人とくるまのテクノロジー展ヨコハマでは、いくつかユニークなターボ過給レイアウトを見たことが記憶に残るところで、FEVの「ミックス シーケンシャル 2段過給コンセプト」もそのひとつ。
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カンタンにいうと排気側は別系統で、吸気は2段過給的な直列レイアウト。ただし排気が別系統といってもエンジンはひとつ。そのポイントはエンジン(ヘッド)にあり。DOHCヘッドを前提に、2つの排気バルブに独立したポートを持たせて、それぞれにターボチャージャーを配置するという仕組み。しかも、排気バルブは左右独立連続可変リフト機構を組み込むという前提で、排気バルブの動きそのものでターボチャージャーの働きをコントロールしようというアイデア。
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制御としては低回転域では吸気の流れでいうと下流(スロットルに近い方)にあたる高圧タービンだけで動かし、最大トルクは両タービンを併用、そして高回転になると上流の低圧タービンだけが仕事をするといった具合。排気バルブを連続可変している前提なので切り替えといった感じではなく、それぞれのモードをスムースに移行するのでありましょう、おそらく。

それにしても、ツインターボのアイデアというのは色々あると思っておりましたが、排気バルブの段階で2系統にわけたツインターボまでもコンセプトとして出てくるまでに至ったとは感慨深しであります、ハイ。
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FEVのミックス2段過給システム。コンプレッサーは直列、タービン(排気側)は並列!

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ロータリーエンジンが合理的に復活することはあり得るか?

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ゼロ・エミッションに向かう中、レシプロと異なる生産設備が必要な内燃機関を新規に持つ必要性はあるや
定期的にマツダがRE(ロータリーエンジン)を復活させるという話題が出てくるわけですが、ビジネス的に考えたときに、いまさらREを量産するための設備を再整備するというのはなんとも難しいだろうな、と思うわけです。いわゆる株主に言い訳がきかない投資になるのでは? もちろん、REを復活させることでブランド全体にポジティブな要素があれば納得できるでしょうが、それにしても製品開発への投資というよりは宣伝費といった扱いになりそう。逆にいえば、ブランディングツールとして投資に見合うリターンがあるのならRE復活というのは合理的なのかもしれません。

しかしながら、環境問題(大気汚染的な意味で)の対応としてゼロ・エミッションに向かっているトレンドの中で、マツダの規模で従来技術の転用が効かないであろうブランニューエンジンを起こす必然はないとも思えますから。その意味では、かつて研究していた水素ロータリーであれば、純粋に商品性として評価を受けるのかもしれませんけれど…。


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ドライバーの疲労軽減と車内の楽しさにつながる渋滞対応ACC

運転アシストがドライバーの疲労を低減することを実感したからこそ
渋滞対応の追従クルーズコントロール(ACC)の重要性を再認識。

先日乗ったクルマのACCは渋滞には非対応の30~100km/hに設定できるタイプでありました。たしかにACCによって高速走行での負担が軽減することで渋滞にハマったときの余力は残っているのは感じますが、ダラダラとストップ&ゴーを繰り返す渋滞こそ、ACCによる運転アシストのありがたみが感じられるのも事実でありましょう。

もっとも渋滞対応の、いわゆる全車速域ACCとなると停止保持のためにEPB(電動パーキングブレーキ)が必要になるのでハードルは上がるのかもしれません。とはいえ、EPB対応ブレーキシステムは、もはや珍しいものではなく、コストも下がっているでしょうから渋滞でも機能するACCは、遠からずスタンダードになると思うのでありました。

もうひとつ、渋滞中というのはロードノイズなどが小さくなるので仲間やファミリーで乗っている状況であればコミュニケーションをとりやすい時間という見方もできましょう。そうしたときにドライバーがイライラしてしまうのは車内の空気を悪くしがち。渋滞で遅くなるというイライラは全員が共有しているにしても、ハードウェアが運転のイライラを軽減することで車内ムードもよくなるという効果もあるのでは? などと想像してしまうのです。そして、それが自動運転が生み出す未来にもつながると思うのですが、さて?
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※画像は個人的に渋滞時の振る舞いがベストと感じているACC「アイサイトver3」を装着しているスバル・アウトバック。走行シチュエーションは話の内容とは無関係なイメージです(汗)


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佐藤琢磨選手、インディ500制覇! 

ホンダに朗報、SRS出身ドライバーが頂点に立つ。
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多くのニュースで報じられているように、世界三大レースのひとつ「インディ500」において、アンドレッティ・オートスポーツの佐藤琢磨選手が優勝! 伝統を受け継いだ101回目のウィナー誕生であります。



優勝記者会見では、いくつもの質問と答えがありましたが、佐藤琢磨選手が育ったSRS(スズカ・レーシング・スクール)について言及があったのは、いかにらしいところ。とはいえ、モータースポーツに縁のなかった青年が、20年後にインディを制することになるとは、SRSのスタッフも予想だにしなかったことでありましょう。
ところでチームオーナー、マイケル・アンドレッティ氏は言わずと知れた二世ドライバー。
ドライバーとして16度もインディ500にチャレンジ、461周のリードラップを記録していながら、未勝利に終わったといいます。インディではシリーズチャンピオンも獲った名ドライバーでありますが……。もっとも、現在はペンスキーの持つオーナーとしての勝利数に挑む立場にあるようです。
Andretti, who led 431 laps in 16 Indy 500s – the highest total by a driver who didn’t win "The Greatest Spectacle in Racing"
仲の良いレーシングフォトグラファー熱田護氏もモナコにて快哉を叫んでいた様子。

そんな熱田氏に佐藤琢磨選手が愛車ビートと触れ合う姿を撮影していただいたのが、こちらの本。自分が製作に関わった一冊なので印象に残っているのでありました。いまや絶版のようですが……(汗)

精進します。
   




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運転アシストがドライバーの疲労を低減する、を実感

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一日で高速道路を7時間以上走っても、普段通りに生活できる
最近のホンダ車には、30km/h以上で追従クルーズコントロール(ACC)とレーンキーピングアシスト操舵機構(LKAS)の両方を実現する「ホンダセンシング」の装備が拡大しております。そのほか、衝突被害軽減ブレーキや先行車発進アラートなど様々な機能がありますが、プリクラッシュセーフティシステムがドライバーのミスをカバーしてくれる機能であり、万が一のときに役立つ機能なのに対して、ACCとLKASは高速道路を走行するときには常にドライバーをアシストしてくれる日常的な便利機能。

そんなACCとLKASを使った状態は、レギュレーション的にステアリングに触れている必要はありますが、基本的には同一車線における自動運転(速度上限はドライバーが設定する)状態といえるもの。人のオペレーションとしては運転というよりは監視といったもので、たしかに疲れないと感じるのでありますが、実感できるほどの差ではなく。

とはいえ、先日のセミロングドライブ(往復500km程度)では、疲労の軽減を実感することがあったのです。それは帰路における東名名物の渋滞(20km以上をダラダラと走っている状況)にハマっているときに明らかに疲労を感じないのでした。疲れている状態で渋滞にハマると眠気に襲われることもありがちですが、アクビも出ないほどシャッキリとした体調を維持できていたのは、おそらくACCとLKASのおかげ。

さらに帰宅後にも疲労を感じることなく後片付けができるほど。いまやコンパクトカーでも追従クルーズコントロールが選べる時代。渋滞対応タイプでなくとも、これほど疲労軽減効果があるのですから、選ばない手はないと思う次第。そして、高速走行での安全性を高めるだけでなく、渋滞の中での集中力不足による追突など軽微な事故も減らす効果を実感したのであります、ハイ。

これからのクルマ選びにおいてACCは不可欠な装備といえそうです。

精進します。
※画像は以前撮影したものの再利用。同乗者が寝てしまい撮ってもらえませんでした(汗)
  




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アイシン版セグウェイ(?)はAI搭載で自律走行も可能

自律走行を前提の運用なら「乗り捨て」型のシェアリングが可能になる
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人とくるまのテクノロジー展2017横浜、そのアイシンブースでのサプライズ的展示だったのが一人乗りモビリティの「ILY-Ai」。一見すると、セグウェイのフォロワーと思える2輪+補助輪的なスタイルでありますが、立ち乗り(スクーターモード)、座り乗り(ビークルモード)、本体を引っ張る(キャリーモード)、荷物を載せて運ぶ(カートモード)と4つのスタイルに変形するというもの。このアイデア自体は以前から産学での共同研究をしているもので、その前身といえる「ILY-A」は2015年に発表されておりましたが、さらなる進化を遂げた模様。

AIテクノロジー(空間センサーなど)を搭載することで、カートモードなどでの追従走行を可能したというのがポイント。さらにいえば、ルンバのように自分でホームステーションに帰ることもできるし、呼び出すことも可能という話。かなりのレベルで自律走行ができるパーソナルモビリティというわけ。この手のモビリティを広いオフィスやファクトリーなどで使う場合、目的地に着いた段階で不要になるのですが、そのまま置いておくのでは、使われない時間が増えてしまって効率悪し。自律走行ができれば、乗り捨て的な運用の幅が広がるのは間違いなしであります。呼び出しに応じてユーザーの元に向かうことも可能でしょうし、充電量に合わせて充電ステーションへの自律的な帰還も可能でしょうから、管理者の数も減らせそう。

もちろん、そうした自律走行のメリットは、サイズが大きくなっても同様なはず。こうした限られた区域で使われるであろうパーソナルモビリティで運用メソッドを確立することは、でいわゆるレベル5の自動運転技術を可能にしたときの運用にも大いに役立ちそうと思うのですが、さて?

精進します。

  




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