クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2017年01月

スバルGRCマシン、後ろラジエターへの既視感とは……

スバルWRX STI、GRC(グローバルラリークロス)仕様の走りを見た【無編集動画】というエントリを上げましたが、ついにGRCマシンの走りを生で感じることができたのでした。とはいえ、間近に見るGRCマシンにはどこか既視感あり。

ストックボデからの改造感、リアシートを外してラジエターを置くという手法…などなど。そうです、前回のエントリでも触れていますがダートトライアルの改造無制限「Dクラス」のマシンと共通性を感じたのであります、エエ。
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舗装路でパワーを伝えるためのオンロード寄りタイヤ、熱を入れるとダートでも食う?

それにしても、驚いてしまうのはGRCが使うタイヤは、基本的に舗装でのグリップを考慮したもので、かつてはスリックタイヤだったこともあるということ。たしかに600馬力近いエンジンパワーであれば、少々のダート用タイヤであってもスリップしてしまうでしょうから、舗装でのグリップを優先するというのが合理的なのではありますが、この外観で、Sタイヤのようなタイヤというのは、モータースポーツのクロスオーバー感であります、ハイ。

あ、GRCのムーブメントというのは、クロスオーバーSUVが流行っているのと、市場マインドの上ではどこか共通しているのかもしれません。そんな気付きのある2017年1月後半。モータースポーツやスポーツカーなど「スポーツ」という言葉がつくと、一途で、ピュアでなければならないと思いがちですが、クロスオーバーであることを時代が求めていると意識すると、新しいマーケットが生まれてくるかもしれません。ブルーオーシャン?






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ターボ車のほうがモード燃費に優れる、あの軽自動車にちょい乗り

NAよりターボのほうが好燃費なeKスペースを体感、なるほど納得
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燃費偽装があって、仕切り直しの三菱eK(日産デイズ)シリーズ。そのハイトワゴンであるeKスペース(デイズルークス)においては、ターボ車のほうがNAエンジン車よりモード燃費が優れるというのは、ちょっとした話題となりました。スペックでいうと、ファイナルギア比の違いが大きいと予想するところですが、その最新版eKスペースをちょっと移動させる機会あり。

ターボは燃費に有利なハイギヤード、という先入観もありますが、たしかにゼロ発進ではターボエンジンに期待するようなダッシュ力は感じられないのでありました。回転は上がれど、ガツンと加速するわけではなく。信号待ちでは横のクルマに置いて行かれてしまうほど(もちろん、アクセル全開の話ではありません、悪しからず)。
とはいえ、60km/h前後でのアクセルワークによる加速は伸びやかなもので、、このあたりのフィーリングに古典的なハイギヤードらしさを感じたのは、それこそ先入観のせいかもしれません(汗)

それにしても、中間加速の感触は軽自動車らしからぬもので、軽自動車ターボというよりは、ダウンサイジングターボエンジンのコンパクトカー的なパワートレインの味を感じた次第。そうした感触に、日産の知見が活きているような気もしないのではないですが、さて?



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スバルWRX STI、GRC仕様の走りを見た【無編集動画】

 
このブログではしれません。

これまでUSの現地法人が中心となって活動、製作していたスバルのGRCマシンですが、ついにSTIが本格的に関わることが決定。その国内テストが行なわれるということで、本庄サーキットまで足を伸ばしてまいりました。

先代インプレッサがラリークロスに参戦を始めた頃は、SAABが走っていたりしたものですが、いまやフォルクスワーゲン、フォード、ホンダとワークスチームがしのぎを削る激しいカテゴリーとなっております。その中で、しっかりと結果を残すために2017年シーズンからSTIがエンジン開発を担当するということで、その開発の一環であります、今回のテストは。

テストに持ち込まれたのは2016年モデルの、クリス・アトキンソン車。ひとまずベースデータをとりつつ、改善点を見つけつつという感じでしょうか。とはいえ、時間に余裕はないわけですが……。また、GRCマシンのエンジンはEJ20。かつてWRCで使い、GT300でも使っているエンジンですからパーツもノウハウも豊富でしょうが、年間に何基も組むマンパワーがSTIにあるのかどうかは気になるところ。

それはさておき、2016年モデルの、この個体。おそらくGRCでは使うことはないでしょうし、しばらくは日本にあるのでしょう。使用タイヤが異なるのでシャシーは一からやり直す必要があるとはいえ、エンジン開発を兼ねて、全日本ダートラDクラスに参戦したら、面白いことになりそうな気もしますが、さて?



ちなみにエンジンからリアに置かれたトランスミッションまでダイレクトにプロペラシャフトでつなぎ、そこからフロントデフへプロペラシャフトが戻ってきているといったパワートレインのレイアウトになっておりました(撮影は禁止だったのでメモのみ)。市販車でいえば日産GT-R的でありますし、レーシングカーではクスコが走らせていたGT300インプレッサのそれを思い出させる懐かしいレイアウトであります、エエ。

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スイフトのダイナミックなライン、そのポイントは?

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後席のドアノブをピラー部分に移したからキャラクターラインがキレテナーイ

新型スイフト、はっきり言って、リアのドアノブは操作性がいいとは思えません。このあたりは個人差もあるでしょうから、万人が扱いづらいとは言いませんし、オーナーになって慣れると、操作性に難があるとは感じなくなるのかもしれませんけれど。

ただ、ドアノブをピラー方面に移したことで得たスタイリングについては否定するものではないのは一目瞭然。フロントのドアノブからテールレンズまでをつなぐキャラクターラインは、ゴージャスかつダイナミック。

このラインを実現するためにドアノブがジャマであったのは間違いなく、そのために少々の利便性を犠牲したのだとすると、そのデザインコンシャスな思想はスイフトの売上とイメージアップに、どれだけ貢献するのか、ユーザーがどこまで評価するのか、気になるポイントなのであります、ハイ。



 
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予想通り、日本市場でアメリカ車が売れないという批判から交渉開始

予想通り、 トランプ大統領が自動車の日米アンバランスを指摘

アメリカの新大統領に就任したドナルド・トランプ氏が、さっそく日本の自動車メーカーを牽制している。ブランドで見る、自動車シェアにおける日米の不均衡さは長年変わっておらず、たびたび政治的な意味も含めて問題視されてきた歴史を持つが、" Make America great Again "をスローガンとして掲げるトランプ政権からすれば、日本の自動車メーカーというのは民意の合意を得やすいという点でも、批判の対象となるのだろう。

このあたり、トランプ大統領が生まれると判明した段階から容易に予想されていたことだが、それにしても就任早々に話題とするあたり、さすがという感じだ。もっとも、その発言に対して、いまや日系自動車メーカーの多くがアメリカに工場を持っていることから、「日本車に見えるアメ車」という真実に気付いていないのでは? という批判もあるが、こういう政治的な話はファクトよりもイメージが大事なのであろう。

それはさておき、日本でアメ車が売ろうとするには、次の3パターンが考えられる。

現実として、すでにフォードは撤退してしまったし、クライスラーはFCA(フィアット・クライスラー)であって、純粋なアメ車とはいえない。フィアット系のモデルにクライスラーの名前を付けて売ったこともあったが、クライスラーが売れたからといってアメリカ生まれとは限らない状態だ。
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つまり、シボレー、キャデラックの両ブランドを日本で展開するGM(ゼネラルモーターズ)が、日本市場での拡大を一手に担うことになろうが、現在の規模とブランディングにおいて、日本で存在感を得るだけのシェアを有するというの非現実的だろう。登録車の乗用車で年間280万台規模の市場であるから、10万台単位で売れていなければ、納得できるだけのシェアとはならないだろうからだ。ちなみに、登録車で10万台というと、スズキと同じ規模ということになる。

そのためには輸入だけでは難しい。現地生産が必要だ。ただし、日本で生産したアメリカンブランドのクルマが売れても計算上は日本市場では"国産"になってしまうわけで、貿易不均衡の解消にはまったく役立たない。また日米関係の不均衡解消でいうなら、アセアン地域の工場で生産したアメリカンブランド車を日本に輸入しても意味がない。

ただ、こうしたファクトに基づく話というのは、民意を動かすイメージには勝てない。日本に工場を作ってでも、アメリカンブランドのクルマが売れるほうが優先されるであろう。日本国内の販売規模縮小を考えると、生産工場が余る可能性もあるので、本気で買う気になれば、それなりのサプライチェーンが担保できる「製作所」単位での買収はあり得るかもしれないが、さてはて?
もちろん、シュリンクする日本市場にそれほどの投資をするという判断をビジネスとしてするとは思えない。そうなると、輸入車としてではなく、日本メーカーがアメリカンブランドへOEMするというカタチで、かつてのフェスティバやクルーズ、WMのようなパターンで建前上の台数を稼ぐくらいしか思いつかない。しかし、仮にシボレーでこうした展開をすると、コルベットにより日本でのブランドイメージを高めてきた投資が無駄になり兼ねない諸刃の剣であろう。

資本関係や過去の関係を無視して考えると、マツダ車にビュイック(GM系)のエンブレムは似合いそうだと、個人的には思うところもあるが、いかがだろうか。

現実的には、FCAとマツダはロードスターと124スパイダーという兄弟車を持つ関係であるし、マツダでダッジ(クライスラーのブランド)をOEMするというのが考えられる唯一の可能性かもしれない(汗)


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2017年3月登場、SUBARU XV。SGPのフットワークに期待大

先代モデルではサスペンションの動きにちょっとした違和感もありましたが……

Subaru XV teaser
 2017年3月に新型SUBARU XVがローンチ予定。スケジュールは3/7にジュネーブモーターショーにてワールドプレミア、3/8に日本国内仕様の公開、そして3/9より国内先行予約開始といったもの。

公開されている横からの画像を見ると、ボディそのものはインプレッサスポーツ(5ドア)と共通で、車高アップとルーフレールの追加によるSUVテイストの実現という方向性は現行モデルと同様なイメージ。

ただし、大きく違うのは今度のSUBARU XVは、プラットフォームの設計段階から考慮されているであろう点。もともとはインプレッサの派生車種でありますが、グローバルでスバルの売れ筋モデルとなったXVが派生車種扱いのままであるはずはなく。新型モデルでは、最初から計画に組み込まれているはず。

じつは、現行型(GP系)の印象でいえば、XVには物足りなさを感じていたのも事実。とくにシャシーの味付けについては、過去のエントリで以下のように記しております。
5ドアは、いかにもスバルの量販モデルとして開発したのだろうな、と想像できるテイストで、一言でいえば「目立ったネガがない」のです。
一方、クロスオーバーとして車高を上げたXVでは、縮み側のストロークは伸びているものの、逆に伸び側が足りない印象で、ちょっとだけ不安に感じさせる仕草を見せるのでありました。それは、まさしく5ドアのジオメトリを基本にロードクリアランスを大きくしたのだなあ、と実感
この時に感じたのは、いわゆるストラット式サスペンションのロアアーム角度の適正化といった話にもなるのでしょうが、新世代のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用する新型XVではそんなことがあるわけはないでしょう。だとすると、SUVとしての最低地上高を持ちながら、インプレッサが示したようなシャシー性能を実現していることを期待するのが自然な流れでありましょうか。


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