クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2016年12月

ミリ波レーダーを搭載する新型スイフト、しかしプリクラッシュブレーキは単眼カメラと赤外線を使う

スズキのプリクラッシュセーフティシステムといえば、赤外線を使う「レーダーブレーキサポート」、ミリ波レーダーの「レーダーブレーキサポートII」、ステレオカメラを使う「デュアルカメラブレーキサポート」と3タイプを用意してきたわけですが、新型スイフトにおいて第4のシステムが登場。
サプライヤーはコンチネンタル、赤外線と単眼カメラを用いる「デュアルセンサーブレーキサポート」
それが、赤外線と単眼カメラを用いる「デュアルセンサーブレーキサポート」であります。歩行者検知能力を求められる昨今の流れからすると、日立製ステレオカメラを使うデュアルカメラブレーキサポートに集約するのかと思いきや、グローバルスタンダードに近いといえる方式を採用なのでありました。ちなみに、赤外線とカメラが一体となったユニットのサプライヤーはコンチネンタルとのこと。

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さらに、フロントグリル内にはミリ波レーダー(こちらはボッシュに手配しているそう)が収まっているのですが、このミリ波レーダーは衝突被害軽減ブレーキには使わず、ACC(アダプティブクルーズコントロール)のみに利用しているというのが興味深いところ。日本ではセットオプションとなっていますが、仕向地によってACCなしのプリクラッシュセーフティシステムを装備する仕様を考慮しているのでありましょう、おそらく。
そしてミリ波レーダーと赤外線と単眼カメラという3つのセンサーを持つことになる、先進安全技術のセットオプション『セーフティパッケージ』は、新型スイフトRSとXLという5MT車にも設定されているというのが見逃せません。

衝突被害軽減ブレーキをMT車に組み合わせると、メーカーによっては「エンストしてしまう(と、パワステが機能しなくなるので回避が難しい)」という理由で相性が悪いとして避けていることもありますが、緊急時にぶつからないことを優先するのであればエンストもやむなしという判断なのでありましょう。

このあたりは、どのようなシチュエーションにプライオリティを置いて、メーカーとして事故を起こさない・被害を軽減することを重視しているかという企業姿勢までも含めた話になるかもしれません。ちなみに、マツダ・デミオのMT車でも同社の「i-Activesense」を組み合わせることがができますので、デミオとスイフトでMTと先進安全技術のマッチングを確認するという企画にはニーズがあるかも? などと思ってみたり。
それはさておき、トータル120kgの軽量化というのは、かなりのインパクトであります。もともと1t程度のクルマでの120kgというのは1割減という話でありますから。
これだけの軽量化とMTとプリクラッシュセーフティシステムの組み合わせという珍しさから、XLグレードのFF・5MT セーフティパッケージ装着車155万5200円が気になる今日このごろでありました。

精進します。

  




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トヨタ・コースター、新しくなったインパネは機能重視

先日のエントリでトヨタ・コースターの公式グローバルプロモーションムービーを紹介したのですが、こちらは同乗試乗取材の際に手持ちのデジカメで客席側からコクピットを撮影したインカー映像。



エンジニア氏に伺ったところ、新型コースターのインパネは機能ごとにエリア分けをした新デザインになっているのだそう。従来モデルでは機能追加により、ゴチャゴチャしていたスイッチ類を整理、小物入れも充実させたのだとか。そのあたりの使い勝手、自分としてはマイクロバスの運転経験が不足しているために、ピンとくるわけではないのですが、実際に座って視線を送った限りは、なるほど機能的にしたのだろうな、とは感じるところではあります。もちろん、他車との比較もできるほどの経験はありませんので、新型コースター単体を見ての感想レベルの話ですが。

全車12Vの電装系を採用したのは地味に大きな変更?



もう一つ、注目なのは電装系を12ボルトに統一したという話。コストダウンにつながる反面、24ボルト系だったエアサスの設定が難しくなるなど功罪あるようですが、乗用車のセンサー・制御ユニットが使えるというのは、将来的な発展性の面で有利でありましょうか。もっとも、そうであればVSCに留まらず、トヨタセーフティセンスの搭載というわかりやすいメリットで、かたちになっていればよかったとも、しつこく思うわけですが…(汗)

精進します。
   




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超音波を利用した運転アシストでABペダル踏み間違え事故を7割減

AB(アクセル・ブレーキ)ペダルの踏み間違え事故への対策に、社会的なニーズが高まっているのを感じる昨今でありますが、トヨタが自動ブレーキと連動したクリアランスソナー(超音波センサー)によって、どれだけ踏み間違え事故を防げるのか、データを集めたとのこと。対象はアルファード、ヴェルファイア、プリウスといいますから、かなり興味深いデータといえるのでは?
踏み間違い(ブレーキとアクセルの踏み間違い)事故件数は約7割減少し、後退時事故件数については約4割減少
というわけで、クリアランスソナー装着の有無により調査した踏み間違え事故の発生率は、ソナーを備えていない車両では事故発生率が0.06%強なのに対して、装着車では0.02%程度と、たしかに有意な差があると見受けられるデータであります。

なるほど、ペダルの構造を変えるなどせずとも、そして高機能な空間センサーを使わずとも、超音波センサーを利用した運転アシストによって踏み間違え事故を減らすことは可能というわけ。もっとも、この機能で止めることができるのは基本的に低速時といえますので、障害物に対して助走をつけることができるくらいの距離があるケースでは他のセンサーを利用したプリクラッシュブレーキが必要になるのでしょうけれども…。



【参考リンク】
トヨタ・プリウス「インテリジェントクリアランスソナー」解説ページ
https://toyota.jp/prius/spec/om56/

精進します。
  




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デイズルークス、eKスペースのターボはNAより燃費がいい!

ターボエンジンにロングなファイナルでNAの燃費を超える22.2km/Lを達成
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まずは、このような@ツイートをいただいてからの連続ツイートを。



例の燃費偽装があり、その修正があったわけですが、その段階(マイナーチェンジ前)でデイズルークス/eKスペースについてはターボとNAが同じカタログ燃費になっていたことも驚きでした。そして、今回のマイナーチェンジでターボエンジンにも13km/hからのアイドリングストップが採用されたことにより、そこでのアドバンテージもなくなったNAエンジン車が、ついにカタログ燃費でターボに抜かれてしまうという珍事。もっとも、連続ツイートで示したようにファイナルが異なれば燃費においてはロング(数字が小さい)有利なので、機械的にいえば自然な話。

そういうこともあって、最近はターボもNAも同じファイナルにして、CVTをうまく制御してトルクの差をカバーするというのが常套手段という印象もありますが、三菱(NMKV)の設計は基本に忠実ということでありましょうか。ちなみに、ほぼ同じ構造のCVTを使っているスズキの軽自動車がターボとNAエンジンを同じファイナルで走らせていますので、NMKVもNAをローギアードにせずとも済むとは思うのですが、そのあたりが三菱3Bエンジンの限界なのかどうか?





 

精進します。
  




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ラストワンマイルの物流を変えるべき時期に、ダイムラーのソリューション

メルセデスの次世代VANコンセプトは宅配業を変革するか?

2017年1月に開催されるCESにおいて、ダイムラーはMercedes-Benz Vision Vanをと電気自動車のConcept EQ を初めて同じブースで展示するとのこと。ブース全体としては『Connected、Autonomous、Shared&Service、Electric Drive』が4本柱となるそうで、この2台のコンセプトカーがそうしたキーワードを象徴するクルマということでありましょうか。
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IT社会だといっても、人間が存在する限り、食べ物など物理的な存在は欠かせず、物流というのは欠かせない要素。つまり、ラストワンマイルの物流を担う宅配便に使われるバンの革新は、ネット販売が増えるいま、まさに市民からのニーズが高まる分野であり、そこにモビリティとしての答えを用意することは自動車メーカーの役割なのでありましょう。



ダイムラーのMercedes-Benz Vision Vanはすでに発表されているコンセプトカーで、ジョイスティックで操るというのもユニークな電気自動車でありますが、こうした業務用車両だからこそ「Connected、Autonomous、Shared&Service、Electric Drive」といった要素を高める必然性もあるといえそう。とくにAutonomousの要素はラストワンマイル物流を円滑にするという点で、日本でも求められていく要素となりそう。

つまり日本において、自動車メーカーだけでなく、大手宅配業者も参画して、宅配用の自動運転車両の開発を進めていくべきだと思うわけです。労働者を確保することを考えるだけでは未来が見えないでしょうから。とくに宅配ということは人が乗ること前提ですので、無人運転のレベル5(SAE)ではなく、レベル3程度の自動運転で十分にカバーできると思うのですが、さて?

精進します。
  




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アッパーボディをFMC、24年ぶりの新車「コースター」は半世紀を走りきるか?

人気マイクロバス「コースター」。新型のシャシーは1993年デビューのモデルからキャリーオーバー

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いわゆるフレームとキャビン(アッパーボディ)が分かれた構造となっているトヨタ・コースターが、ほぼ四半世紀ぶりといえるフルモデルチェンジであります。先日のエントリでも触れたように新興国・資源国向けの進化にリソースを割いたという印象で、プリクラッシュセーフティシステムはつかず、VSC(横滑り防止装置)がようやく全車標準装備になったくらい。フルモデルチェンジでアッパーボディの強度アップがアピールポイントとなるあたりは、コースターの進化フェイズが”その段階”にあるということを示しているということでしょうか。
このペースでいくとトータルで半世紀使われるフレームとなるか?
さて、今回のフルモデルチェンジでもシャシー(フレーム)とパワトレ(エンジン・トランスミッション)はキャリーオーバー。モノコックボディのクルマでいうところの「スキンチェンジ」的なフルモデルチェンジに留まっております。パワトレについては環境対応の法規制に合わせて変化する可能性もありますが、シャシーはモデルライフの最後までを睨んだものでありましょう。

仮に新型コースターが先代モデルと同等のモデルライフだとすると、走りを支えるシャシーのライフはトータルで50年近く使われることになるのかもしれません。日本国内では幼稚園バスやロケバスなどで愛されているコースターですが、そうなると「このシャシーしか乗ったことがない」という職業運転手が生まれてくるのかも? などと想像してしまうのですが、さて?

もっとも、国内向けに絞っていえば、このサイズは電動化(ゼロ・エミッション化)の要求が生まれる可能性もありますので、その開発リソースを確保するために、あえてキャリーオーバーとしているのかもと妄想してしまう今日このごろでもありました。

精進します。


以下、取材時にリアルタイムアップした画像集(汗)

まさに、ディープリム!

Sinya Yamamotoさん(@sinyayamamoto)が投稿した写真 -


右が新型、左が旧型。一目瞭然、コースター。ただし、フレームはキャリーオーバー

Sinya Yamamotoさん(@sinyayamamoto)が投稿した写真 -



  




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