クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

2016年12月

意外にホンダ的ではなかった燃料電池車「クラリティFUEL CELL」

_MG_6100
2016年に乗ったクルマで意外だったモデルといえば、ホンダの燃料電池車「クラリティFC」も記憶に残るところ。ほぼ一般ユーザーが乗らないといえるクルマだけに乗り味がどうこうといった類のクルマではないでしょうが、だからこそ一般道での試乗は貴重な体験になったのかもしれません。
トヨタMIRAIと比べると、ずっとジェントルでスムースなサルーン
しかも、某社が所有するトヨタの燃料電池車MIRAIと続けて運転できたのは、本当に有り難いと感じる経験でありました。そして、ホンダ・クラリティとトヨタMIRAIという2台の燃料電池車を比べると、おそらくブランドイメージとは異なるドライブフィール。一言でいえばMIRAIはダイナミックで、クラリティはジェントル。ショーファードリブンとしての評価でいえば意外にもクラリティに軍配があがるという印象。

外観でいえばクラリティの空力ボディはドライバーズカー的でありますが、運転しているときのNV由来の刺激はMIRAIのほうが明確に感じられるという風に言い換えることもできましょうか。そして、たった2台しか市販車としては存在していない燃料電池車であっても、メーカーによって味付けが異なるというのは、将来につながる大きな気付きでありました。

これから電動車両が増えていくでしょうが、電動車両だからこそ味付けの自由度が大きくなり、より作り手の意思は明確に感じられるであろうと想像できるのです。

精進します。
  




人気ブログランキング

2016年、記憶に残った一台はホンダ・フリード。その理由は?

0163f8676d1e999e32bdd1eda6b21c803210d7c3d5
プラットフォーム戦略時代に、あえて専用シャシーを開発
2016年の大晦日というわけで、一年間に触れた新型モデルのことを思い返してみたりするのですが、もっとも印象に残っているのはホンダ・フリード。絶対的なパフォーマンスでいえば、もっと記憶に残るクルマもありましたが、事前の想像といい意味でギャップがあったのは、圧倒的にフリードなのでありました。

正直、新型フリードのフルモデルチェンジ前には、「フィットのプラットフォームやパワートレインを流用したコンパクトミニバンでしょう」といったイメージでありました。しかし、いざ乗ってみるとハンドリング(とくに後輪の接地感)はフィット系とは別物な仕上がり。実際、メカニズムについてヒアリングすれば、実態としては別物の、ほぼ新規といえるプラットフォームを与えられているのでした。さらに、目に見える機能面でも先進安全装備がミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた『ホンダセンシング』になっているのも意外なところ。フィット系は赤外線レーザーの低速域の衝突被害軽減ブレーキでありますから。
お金をかけた成果は、ちょい乗りでも感じられる
つまり、新型フリードというのはコンパクトセグメントではありながら、フィットとは異なる技術レベルにあるといえそうなのです。しかも、ほぼ日本国内専用モデルでありながら、ここまでお金がかかっている(開発費がかかっている)のは驚きでありました。

グローバル企業になるほど「共通プラットフォーム戦略」をとることが当たり前といったトレンドでありますが、やはり車種ごとに目的に合わせて開発された専用プラットフォームのアドバンテージというのをヒシヒシと感じたのが、新型フリードとのファーストタッチの感想。プラットフォーム共通化を否定するわけではありませんが、基本となるアーキテクチャを共有しつつ、シャシーやパワートレインにおいては車種ごとに最適化するというアプローチが商品力につながるという"当たり前"をフリードの走りに感じたことが、2016年のもっとも印象深い体験だったのです。

精進します。

   




人気ブログランキング  

ゼネラル・モーターズの9速ATはクロス気味なギア比が次世代感

GMが開発した9速ATの変速比幅は、なんと7.56と狭め。これが新トレンドとなるか?2017-GM-AutoTrans-9T50-009
The new nine-speed has a wider 7.6:1 overall ratio — the difference between the first gear ratio and the top gear ratio — compared to the eight-speed transmission, with a “deep” 4.69 first gear that supports excellent off-the-line acceleration and a “tall” 0.62 top gear for low-rpm highway cruising. That balance optimizes acceleration and fuel economy and reduces engine noise during cruising.

9T50 nine-speed automatic gear ratios

First:4.69
Second:3.31
Third: 3.01
Fourth:2.45
Fifth:1.92
Sixth:1.45
Seventh:1.00
Eighth:0.75
Ninth:0.62
Reverse:2.96


というわけで、GMが北米市場に投入する9速AT「9T50」について発表されております。やはり注目は変速比幅が7.56と狭めなことで、このあたりはZF 9HPの変速比幅が9.81となっているのと比べると、同じような横置き9速ATといっても思想が異なるという第一印象。もっとも、日本国内で9HPを搭載しているクルマに乗ると、机上の計算では高効率なはずの9速ATが、速度域とエンジンの能力から9速を使い切ることができずに、実際には6~7速AT相当となってしまっているのも実感するところ。

北米での速度域を考えると、9T50に与えられた変速比幅程度に抑えておいて、その中で細かく区切ることで、エンジンのスイートスポット付近を使うという風にトレンドが移り変わっているのだろうな、と思うところ。ただ、変速比幅7.6程度で細かく区切るのであればベルト式CVTのほうがエンジン効率のオイシイ領域を使うには適しているような気もしないではありませんが、さて(汗)

伝達効率やトランスミッションサイズのことを考えると、ステップATを細かく区切るというのが最適解とGMは判断したのでしょうが……。


精進します。
  




人気ブログランキング

エンジンフード高を7cm高くしたスズキ・スペーシア カスタムZに思う

ハイトワゴン全盛の軽自動車、その波に乗れないスズキ・スペーシアには何が足りないのか
image
軽自動車マーケットの不思議のひとつが、スズキ・スペーシアがライバルにダブルスコアの差をつけられていること。たしかに全高が微妙に低い(N-BOX:1780mm、タント:1750mm、スペーシア:1735mm)とはいえ、選択肢から外れるほどの違いではないでしょうし、むしろ最近になってプライオリティが上がってきた感のある先進安全技術については、赤外線レーザーだけのN-BOXに対して、赤外線+単眼カメラのタント、ステレオカメラのスペーシアと売れていないほうが充実しているというのも、また不思議なのでありました。とくにカメラの有無は歩行者検知能力の有無とイコールといえますから。

閑話休題。

使い勝手、燃費、先進安全……いずれにしてもダブルスコアになるほどの商品力の差を感じないのに、これだけ違いが出ているのは、スズキの軽自動車に「ワゴンR」のイメージが強すぎるのも理由のひとつでは? と思うわけです。N-WGN、ムーヴを含めてワゴンRクラスと市場が認識していることにより、「ワゴンR(クラス)よりも背の高い、スライドドアの軽自動車が欲しい」と考えたときに、「ワゴンR(=スズキ)以外から探そう」というマインドを生み出しているという仮説を思いついたでのすが、さて?

そして、結果論ですが、宣伝・販売においてもワゴンRを主役から降ろして、次のクルマへチェンジするタイミングが遅かったのかもしれません……。

精進します。
  




人気ブログランキング 

新型スイフトの4WDグレードは、最軽量で930kg!

ミリ波レーダーに単眼カメラと赤外線を搭載する新型スイフト、先代モデル比で120kgの軽量化と発表されている点も注目で、4WDでも1トン切りというのは驚き。
新型スイフトの車重、4WDでも930~970kg

そんな新型スイフト4WDのリアデフがこちら。
swift_reardef
パッと見たところ、右側に見える黒いブラケットで吊っているだけのマウントで、このあたりも軽量化に寄与しているのだろうな、と感じるところですが、さて?

とはいえ、フロントから駆動力を伝えるプロペラシャフトは確認できますし、これで軽く作るというのは並大抵のことではなかったろうな、と想像するところ。ちなみに新型スイフトにおいても後輪懸架方式は駆動方式に関わらずトーションビームという半独立懸架であります。

惜しむらくは、4WDに5MT仕様が設定されていないことでしょうか。降雪地域では多少のニーズがありそうな気もしますが、さて?

精進します。



  




人気ブログランキング 

ホンダ・フリード、JNCAP衝突試験映像を見て。



ミニバンながら側面衝突試験で横転しない低重心感がフリードの素性を示す

2016年に登場した新型フリード、JNCAPの衝突試験映像が公開されております。スライドドアのミニバンといえば気になるのが側面衝突試験。もっと背の高いモデルでは試験時に横転してしまうクルマもありますが、軽く跳ねただけなのは、低重心という素性の良さを示しているよう。このあたり、重心の低さはハンドリングにプラスに働く要素で、実際に乗ってみれば実感できるところでありましょう。

そして、前面衝突試験ではフルラップとオフセットの映像がアップされております。試験結果を見ていないので乗員脚部への攻撃性などは不明ですが、Aピラーが原型を留めていて、ドアが軽々と開きそうなのは現代のクルマとしては当然のレベルだとしても、フルラップでのキャビンの守られ感というのはコンパクトカーとしては優秀な印象を受けるのは気のせいでしょうか。




さすがにオフセット衝突ではルーフがひしゃげておりますが…(汗)

精進します。
  




人気ブログランキング
記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ